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第1話 無能の価値
誰か助けてくれと叫びながら
誰も助けてくれないだろうなと思っている
俺は取り柄がない無能だから
なんの価値もない男だから
誰かが助けたいとは思わないはず
誰かに助けてもらえるとも思えない
世の中にはたくさんの人がいて
誰かを救ったり 誰かに愛される人がいる
けれど俺は そんな人間なんかじゃなくて
誰かを救ったりはできないし 誰かを愛したことなどない
こんな命に価値などないから
きっと誰も救ってはくれないだろう
無能の命に価値などないから
きっと救いたいなどと思わないだろう




