表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第八章 王国帰還編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

529/1220

517話 二人になにかあったのか



 うーむ……ここで働いているノマちゃんに聞けばなにかわかるかもしれないと思ったけど、むしろ謎が深まってしまった。


「じゃあノマちゃんは、変だってわかった上でここで働いているんだね?」


「ですわ」


 洗脳されていないからこそ、なにかおかしな原因があるはず。そう思って、ノマちゃんはあえてここにいる。


 それにしても、たった一人でここにいるってのは、すごいな。

 みんなおかしくなって、知っている人もいない。私は、ルリーちゃんたちがいたけど……


「ノマちゃんはすごいね」


「わたくしが?」


 ノマちゃん自身は、気付いていないようだけど。


「なんにせよ、フィールドさんが戻って来てくれてよかったですわ。わたくし、お城住まいになってしまってから他の皆さんに会いに行くこともできなくて……

 実は、心細かったんですの」


「!」


 すごいな……って思ったけど。ノマちゃんも、やっぱり一人は心細かったみたいだ。

 こんなところに、知った人がいない中で生活するのは……気が滅入るよな。


 私で力になれることなら、なんだってしたい。


「というか、今までどこに行ってましたの。わたくしだって、フィールドさんのことを聞きたいんですのよ」


「あははは……まあ、いろいろありまして」


 そりゃ、ノマちゃんも気になってるよなあ……あんな大泣きするくらいに、心配してくれたんだもん。

 落ち着いて、話をしたいところだけど……


 ヨルたちのことも気になるし、あんまり席を外すのはまずいかも。


「詳しいことは、また話すよ。今はまあ……ちゃんと元気ですよってことで。

 私も、ルリーちゃんもね」


「やっぱり、ルリーさんもいなくなっていましたのね」


 ダークエルフという種族は目立つけど、ルリーちゃんは認識阻害の魔導具で正体を隠している。

 つまり、ただの一生徒だから……黒髪黒目の私より、目立なくなっている。


 それに、あんな騒ぎのあとじゃあ誰がいなくなったのか正確に把握するのは、難しいと思う。


「あれ、でも先ほどは……いませんでしたわよね?」


「ルリーちゃんは、『ペチュニア』……クレアちゃんの実家で、待ってもらってるよ」


「そうでしたの」


 それからノマちゃんは、なぜかあたりをキョロキョロを見回して……私に顔を、近づけた。


「あの……一つ聞きたいことがあるんですが」


「なにかな?」


「ルリーさんとアティーアさん、なにかあったんですの?」


 声を押し殺して、私に聞いてくるその内容は。

 予想もしていなかったもので、思わず言葉に詰まってしまった。


 なんでここで、ルリーちゃんとクレアちゃんの関係に言及するんだ……?


「騒ぎが収束した後、フィールドさんとルリーさんがいないことに気付いて……聞いたんですのよ、アティーアさんに二人の行方を。

 そうしたら、ひどく青ざめた様子で……「知らない」と。それも、ルリーさんの名前を出した瞬間に、顔色が変わったような気がして」


「……」


 騒ぎが収まった後……そんなことが、あったのか。


 あのときあの場には、決勝に残った私を含めた四人と……エレガたちと……そして、ルリーちゃんとクレアちゃんがいた。

 そこで、クレアちゃんは殺されて……ルリーちゃんの闇魔術で、蘇生した。そのとき、ルリーちゃんがダークエルフだということもバレてしまった。



『っ、近寄らないで! "ダークエルフ"!!!』



 あのときのクレアちゃんの表情を……言葉を……私は、忘れることはできない。

 それはきっとルリーちゃんも、同じだ。


 ……ノマちゃんなら、どうだ? ルリーちゃんがダークエルフだとわかった時、なんて言う? どう反応する?

 ノマちゃんもまた、"魔人"という変わった体質になってしまった。そのノマちゃんなら……いや、これ嫌な考え方だな。やめよう。


 これまで友達として接していたルリーちゃんがダークエルフだと知った時……ノマちゃんは……


「……ごめん、今は言えない」


 私は、言葉を濁すことしかできなかった。


「……言えない、ということは、フィールドさんは知っているのですね」


「あ……」


 指摘されて、私はとっさに口を塞いだ……けど、それもまたノマちゃんの言葉を肯定しているよ王なものだ。

 しまった……なにやってんだ私は。気が動転しているのか?


 ここで強く問い詰められたら、私は……


「安心してください。無理に聞き出すつもりはありませんから」


「え」


「お、お友達のことですもの。話せるようになったら、話してください。それまで待ちますわ」


 ちょっとだけほっぺたを赤くして、ノマちゃんは言った。照れているのか……かわいい。

 それに、その言葉がとても、嬉しい。胸の中のもやもやが、晴れていく感じだ。


 ノマちゃんに、隠し事はしたくない。でも、私個人の問題ならまだしもこれはルリーちゃんのこと……まして、あんなことがあったのだ。

 簡単には、判断できない。


「クレアちゃんは今、学園の寮に残ってるみたいなんだ。実家にも帰らずに」


「そうでしたの……」


 私が言えるのは、せいぜいこれくらいだ。

 あとは……ルリーちゃんが、どうしたいか。他の子に話してみるか……それより先に、クレアちゃんと話をするか。


 どっちにしても、クレアちゃんは親にも友達にもルリーちゃんのことを話さず、一人で抱え込んでいる。

 早く、会いに行ってあげたい。


「……そろそろ、戻ろっか」


「えぇ、ですわね」


 そのためにも……エレガたちを引き渡したことで、さっさと黒髪黒目捕縛の件を止めてもらわないと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ