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【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第六章 魔大陸編

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378話 ドラゴンの血



 私とドラゴン……改め、クロガネ。

 契約の儀式を執り行い、お互いに繋がった関係となった。


 傍から見れば、使い魔のその主って関係なんだろう。それは間違っては、いない。

 でも、私たちは対等な関係だ。


「これで、てめえとドラゴンの契約は成った。まさか、ドラゴンを使い魔にする奴がいるとは……見たことも聞いたこともねえよ」


「エランさん……」


 ルリーちゃんが、うっとりした目で私を見ている。なんだかちょっと、恥ずかしい。

 ともあれ、ラッヘの言う通り、これで契約は完了だ。


 なんか、クロガネとの絆を感じられるような気がする。


『これが、契約というやつか……ふむ、悪くはないな』


「あれ、なんかクロガネの声が、さっきよりスムーズに聞こえるようになった気がするけど」


『それも、契約における恩恵の一つだろう。魂が繋がったことで、よりはっきりとワレの言葉を感じられるようになった』


「なるほど」


 さっきまでは、クロガネの言葉はカタコトしていた。でも、今は違う。

 聞こえるだけなら、私以外にも相性のいい相手にはそう聞こえるのかもしれない。でも、契約をしたことで、二人の関係は強固になり、言葉も聞きやすくなった、と。


 ただ、当然だけど二人には、クロガネの声は聞こえないようだ。


「こうやって言葉も通わせられるし、その気になれば頭の中で会話もできるんだよね」


「そういうこったな」


「ふふん。ラッヘ、ありがとね! 召喚魔術の、むつかしい術式とかやってくれてさ!」


「……別に、礼を言われることでもねえだろ。この魔大陸を、私らだけで旅するよりは、戦力が多いに越したことはないと思っただけだ」


 ラッヘがいなかったら、クロガネとの契約はできなかっただろう。

 ラッヘは私を嫌っているだろうけど、やっぱり優しい。


「ん、んん……」


 そのとき、誰かのうめくような声が聞こえた。

 それは、縛り上げていた魔族のものだ。


 目を、覚ましたのだ。


「ん……?」


「おーおー、ずいぶん長く眠ってたようで」


 魔族の目が覚めたことに、ラッへも気づいたようだ。大股で魔族の前へと立ち、腰に手を当て睨みつける。

 魔族は、状況を確認しているみたいだ。あちこちに、首を動かして目をやり。


 視線は、正面に立つラッへへ。


「……どういう状況?」


 その疑問も、まあ当然とは言えるよね。

 私たちと、クロガネが一緒になって、魔族を見下ろしているのだから。


 そして、自分が縛られていることに、魔族は気づいたようだ。ギシギシと、縄を外そうとしている。

 でも、そんなやわな縛り方はしていない。


「ちっ。なにが目的だ」


「そりゃこっちのセリフだ。この村の魔族を殺したり、ドラゴンをおびき寄せたり、私らを殺そうとしたり……まあ、私にとっちゃ、どうでもいいことなんだがな」


「なんで、そんなことをしたの」


 この魔族は、この村に暮らしていた他の魔族を殺したという。それも、理由はクロガネをおびき寄せるため。

 結果、クロガネを地下へと封じていた。


 今私たちは、他のことに気を取られている場合ではない。でも、なんだか……胸の奥が、もやもやするのだ。


「なんで、ね……そりゃ、そのドラゴンを使えば、いろんなことができる。知ってるか、ドラゴンの血には様々な効果がある。不老不死、万物に効く薬、そこいらの石ころを莫大な金に変える……

 そいつを閉じ込めて、後々利用しようと思ってただけさ」


「……それだけ?」


「あぁ」


 魔族は、悪びれた様子もなく、自分の目的を話す。

 それは、私が予想していたものではなかった。なんかこう、もっと壮大な……いや、これも壮大ではあるのかもしれないけど。


 なんて、子供っぽい……あぁ、この魔族子供か。

 子供が夢見るような、ものを。


「はぁ、アホくさ。んな理由で殺された魔族連中は浮かばれねえな」


 まあ魔族のことなんざどうでもいいが、とラッへは吐き捨てる。

 ラッへの言う通りだな……そんな理由で殺されたら、かわいそうなんてもんじゃない。


「クロガネの血って、そんな効果があるの?」


『さてな。他の種族にとって、ワレらの血は希少だとは耳に挟んだことがある』


 自分の血が特別だなんて、よくわかんないよね。

 そういえば、クロガネって……始まりの四種族の竜族、ってやつでいいんだろうか。

 伝説の生き物って話だし、多分そうだろうな。


 伝説、はぁいい響きだ。そんな珍しいモンスターと、契約を結んだわ、た、し!


「……クロガネ、って、まさかそのドラゴンの名前か?」


「ん? そうだけど」


「……ドラゴンと、契約できる人間がいるなんてな」


 私とクロガネを見比べて、魔族は言う。

 魔族にとっても、やっぱり珍しいことなのか。人間とドラゴンの契約って。


 てことは、だ。……ふふん、ドラゴンと契約したんだよって、クレアちゃんやノマちゃん、ナタリアちゃんと、みんなに話したら、どんな顔をするだろう!


 ……みんな、あれからどうしただろう。ちゃんと、無事だよね。


「そろそろ行くぞ。そいつから得られるようなもんは、なにもねえよ」


「そうだね」


 さて、この魔族の扱いをどうするか……だけど。

 さすがに、はいここで殺しましょうとはならない。私たちを殺そうとしたけど、返り討ちにしたし。


 クロガネを封じていたのは許せないけど、こいつがそんなことをしなければ、私はクロガネと出会えてなかったかもしれないし。

 そこは、プラマイゼロってことでいこう。


 この村の魔族を、殺したことについては……正直、どうでもいいっていうのが本音だ。

 ひどいかもしれないけど、関わりもない魔族が死んでいたところで、だからなんだって話だ。


「おい、こっからどっか行くなら、この縄ほどいてくれよ」


「ほどいた瞬間襲われてもかなわねえから、だめだ。がんばりゃ、そのうちほどけんだろ。飢え死にするまでにはな」


 魔大陸を旅するには、魔大陸に詳しい人がいたほうがいい。でも、危険をおかしてまで魔族を連れて行く必要もない。

 なので、魔族はここに置いていく。


 こんなんじゃ全然足りないけど、他の種族を殺した罰、ということだ。


「なあ、クロガネの背中に乗って飛んでけば、あっという間に大陸を抜けられるんじゃねえか?」


「それは……名案ですけど、いいんでしょうか?」


「いいかな、クロガネ」


『それくらいは造作もない』


 私たちは、クロガネの背中に乗せてもらい……魔大陸を渡ることを、決めた。

べ、別にカタコト表記が面倒になったわけじゃないんだからね!

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