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【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第六章 魔大陸編

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366話 現れるドラゴン



 地面が割れ、盛り上がっていく。ただの地震かと思ったけど、違う。

 地面の下に、なにかがいる。それが、地上に出てこようとして、地面が盛り上がっているんだ。


 黒い、なにかが……出てくる。


「グルルル……」


「! な、なにこれ……」


 出てきたのは、巨大な生き物。黒い皮膚……いや、うろこか? ゴルさんの、サラマンドラみたいだ。

 でも、トカゲじゃない。二本足で立っているし……


 なにより、背中に羽が生えている。

 大きい……コーロランのゴーレムと同じか、それ以上……!


「まさか……ドラゴンか!?」


 出てきた、圧倒的な存在……その威圧感だけで、押しつぶされてしまいそうだ。

 そんな中で、ラッヘが、叫んだ。


 目を見開いて、表情をこわばらせている……


「ど、どらごん……? なんか、聞いたことあるけど……」


「かつて存在したっていう、伝説の生き物だ。まさか、本当にいたなんてな」


 エルフであるラッヘでも、見るのは初めてだと言う。

 ドラゴン……それが、この生き物の名前か。


 赤い瞳に、鋭い牙、爪……なにより、その巨体に動かれただけで、こっちが吹き飛ばされてしまいそうだ。


「ちっ、なんだって、あんなのがいるんだ!」


「あ、あいつ……村のみんなを、こ、ころした……」


「あぁ!?」


 ドラゴン……その姿を見て、魔族の子供が、信じられない言葉を吐く。

 村のみんなを……あのドラゴンが、殺しただって?


 いや、でも……


「あぁ!? にしちゃ、争った形跡がなさすぎるだろうが!」


 子供の言葉に、ラッヘが反応するだ。私も、同じ気持ちだ。

 周囲を見ても……村は、平和そのもの。たった今、平和じゃなくなっているけど。

 ドラゴンの出現で、建物は崩れていく。


 ……そう、今、建物が崩れているんだ。

 もしも前にドラゴンが暴れていたら、私たちが訪れた時点で、村はめちゃくちゃんのはずだ。


 それに、あんなのが現れたら、まず抵抗する。

 周囲には、争った形跡も、抵抗の形跡も、なにもない。


「でたらめ吐いてんじゃねえぞガキ!」


「う、うそはついてないよ!」


「なら、暴れたドラゴンがどうやって、あの巨体で地面の中に潜ったんってんだ! その跡も残さずに!」


「い、言ってる場合じゃないですよ!」


 あまりの恐怖に混乱して、めちゃくちゃなことを言ってしまっている……それが一番、考えられることだ。

 そんなことよりも今は、だ。


 ルリーちゃんの言うように、言い争っている場合ではない。

 地面から出てきたドラゴン、周囲を警戒して……こっちを、見た!


「気づかれた!」


「ちぃ!」


「……って、なに攻撃しようとしてんの!?」


「あぁ!? んなもん、先制攻撃するに決まってんだろうが!」


「いや、まだ睨まれてるだけだし……攻撃なんかしたら、それこそ……っ!」


 果たして、ドラゴンから逃げるか、攻撃するか……それを決めている余裕も、ない。

 見ると、ドラゴンの口の中が、光っていく。それに、強力なエネルギーを感じる。


 あれは……高密度の、魔力……!?


「あのドラゴンも、魔法が使えるの!?」


「さあな! 一つ言えるのは、ほっといてもろくなことにならねえってことだ!」


 そう、ラッヘが判断するのと、同時……


「ゴォオオオオオオオ!」


 ドラゴンが、咆哮するのと同時に、魔力の塊を吐き出した。

 それは、まるで炎のように熱く、高密度のエネルギーだ。


 今から逃げたって、かわしきれる自信はない!


「だっ、たらぁ!」


 私は、自分の魔力をフル活用して、魔力の盾を作り出す。

 透明なので、本当にそこに盾があるのか心配になったのだろう。逃げようとした魔族の子供を、ルリーちゃんがしっかりと抱きしめる。


 魔力のエネルギーは、盾に衝突して……炎を、周囲にまき散らす。


「っ、おい、これどんくらい持つんだ!」


「さあ……これがお互いの魔力勝負なら、私のが先に尽きるかも」


 魔力の塊と、魔力の盾。どちらも自前の魔力を使っているのなら、先に魔力の尽きた方が勝つ。

 私は、魔力の量には自信がある……とはいえ、ドラゴンはあの巨体だ。

 もちろん、体の大きさで魔力の量が決まるわけではないけど……あの体、絶対膨大な魔力があるよ。


 それに、さっきの木の実で多少は回復したとはいえ、まだ魔力は万全とは程遠い。

 そんな状態で、魔力勝負なんて……!


「なら……てめえが防いでいるうちに、私は……!」


「あ!」


 私は、ドラゴンの攻撃を防ぐので精一杯。ルリーちゃんは、子供を守っている。

 そのため、動けるのはラッヘだけ……そのラッヘは、攻撃を防いでいる隙を見て、盾から飛び出した。


 ま、まさかあいつ、このまま逃げるつもりじゃ……


「てりゃぁ!」


 その場から大きく飛び上がったラッへは、ドラゴンの刺客から頭部へと、大きくジャンプする。

 あれは、魔力強化で、跳躍力を跳ね上げているのか……


 ドラゴンの攻撃を防いでいる私は動けない、ならばその逆もまた然り。

 ラッへは右足に魔力を集中させ、強化した状態からの、その場で回転してかかと落としを、ドラゴンの頭部へと打ち込んだ。


「おー!」


 たまらず私は、声を漏らしていた。

 私との魔力のぶつかり合いに気を取られているドラゴンを、その隙に攻撃してしまうなんて……


 ご、ごめんよラッへ! 一瞬でも疑ってしまった私を、どうか許しておくれ!

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