表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第六章 魔大陸編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

364/1220

355話 遠く離れた場所



 私たちが転移の魔石によって、飛ばされたこの場所……ラッへが言うには、ここは魔大陸だという。

 魔族が住んでいるという、大陸。そんな場所聞いたこともない。


 空の色も違うし、ここは私たちがいたベルザ王国から、遥かに離れた場所であることは、確かだ。


「な、なんで、こんなところに……?」


「知るかよ」


 頭の中に湧いた疑問を、口に出す。

 けれどそれは、答えを得られなかった。当然だ、巻き込まれたラッへにわかるはずもない。


 これがわかるのは、転移の魔石をルリーちゃんだけに使おうとした、エレガたちだけ……もしくは……


「私は知らねえが、そいつはどうだかな。あの人間は、そいつに魔石を使った。いや、むしろそいつだけが標的だったはずだ。

 魔大陸に転移させられる心当たり、あんじゃねえか?」


「わ、わかりませんよっ。そもそも、魔大陸なんて私も、初めて聞きましたし」


 私と同じ疑問を持ったらしいラッへが、ルリーちゃんに問う。

 エレガは、転移先をここと示した魔石を、ルリーちゃんに使った。ルリーちゃんだけを、魔大陸に転移させようとした。


 ならば、ルリーちゃんに、魔大陸に転移させられるだけの、なにか心当たりはないのか……そう思った。

 でも、その考えは当たらなかった。


 どころか、ルリーちゃんも私と同程度の知識らしい。ここがどこか、わからない。


「あぁ? お前エルフ族なのに、魔大陸の存在も知らねえのか。今まで(めい)大陸にいたんじゃねぇのかよ」


「え……?」


「ま、待った待った」


 どこか驚いた様子で、ラッへは言う。でも、驚いたのはこっちだ。

 いきなり、知らない単語をペラペラ話さないでほしい。

 ただでさえ、転移だの魔大陸だので混乱しているんだ。


「あんだよ」


「その、命大陸ってのは?」


「……ちっ!」


 聞きたいこと聞いただけなのに。そんな露骨に舌打ちしなくてもいいじゃんか。泣いちゃうぞ私。


「……別に魔大陸だけじゃねぇ。大陸は他にもあるって話だ」


 でも、ちゃんと答えてはくれるんだよな。


「他にも?」


「……始まりの四種族のことは?」


「世界の始まりの種族ってやつ? そういう種族がいたって聞いたことあるよ」


「わ、私も」


 どこかめんどくさそうにしながらも、ラッへは説明をしてくれる。

 ため息はつくし面倒くさそうだけど、ちゃんと答えてくれる。


 ラッへが口に出したのは、なぜだか始まりの四種族の話。

 大陸と関係なくないか、と思ったけど、そんなことを言ったら怒らせそうなので黙っておく。


「その、始まりの四種族。

 "竜族"、"魔族"、"(めい)族"、"鬼族"遠く離れた場所……元々は一つの大陸に住んでたそいつらが、ある事情から種族ごとにバラけ、各種族の住まう大陸を作った。

 それらを、各種族の名前にちなんで、竜大陸、魔大陸、命大陸、()大陸っつうわけだ」


「なるほど」


 ラッへの説明を受けて、私は納得する。ルリーちゃんも同様に。

 さっきラッへが言ったのは、こういうことだ。命族……今で言うエルフ族は、命大陸とやらに住んでいる。なので、当然他の大陸のことも知っているはずだ、と。


 でも、ルリーちゃんは知らなかった。そういうわけだ。


「そ、そうだったんですか。そういう話、聞いたことなかったで……あ、あれ?

 そういえば、ラティ兄がそんなこと言ってたような?」


「…………聞いてなかったんだな」


「あはは」


 歴史の勉強は苦手だよね。わかるよ、ルリーちゃん。

 それに、ルリーちゃんはラティーアって人のこと好きだったみたいだし。好きな人の方に意識が向いちゃうよね。


「……ちっ。まあ、この話は人族は一般には知らないかもな。

 ……ただお前は、グレイシア・フィールドの弟子なんじゃねえのかよ」


 人族は知らない話……そう、ラッへ直々にフォローされたかと思ったら、いきなり師匠の名前を出された。

 師匠に聞いてるじゃないのか、という意味だろう。


 確かにエルフの師匠なら、そういう話も知ってそうだけど……


「師匠、抜けてるとこあるから、そういうこと教え忘れたんだと思う」


「……あっそ」


 私は、魔導学園入学にあたって、師匠からいろんなことを教えてもらったけど……肝心なこと、教えてくれないんだもんなあの人。

 師匠が、あちこちで名を残してるかなりの有名人だってことも、入学してから知ったし。


 魔導については結構教えてもらったと思うけど、それ以外は全然だ。


「……ここが、その魔大陸、か……ベルザ王国まで、かなーり遠いってことだよね」


「はい。聞いた限りでは、かなーり」


「……みんな、大丈夫かな」


 紫色の、空を見上げる。思い出すのは、転移の直前の光景。

 大会中に、乱入者があり……魔獣が暴れ、会場は大混乱。


 あそこに、みんないた。ナタリアちゃんも、ノマちゃんも、フィルちゃんも……クレアちゃんも。

 みんな、大丈夫だろうか。


「こんな状況で、人の心配ができるたぁ、心優しいこって」


 ラッへは、相変わらずというか……


「そりゃ、心配だよ。みんなの無事を、一刻も早く確かめたい……」


「お前な……わかってんのか、魔大陸って場所が、どういうとこなのか。

 ここにいる私らの方が、よっぽど危険だ。正直、逃げ切れると思って転移に巻き込まれに行ったのを、後悔してるよ」


 魔族が住む大陸……魔族ってのは、名前程度しか聞いたことがない。

 けど、多分魔物や魔獣と似た類の種族だ。だとしたら、凶暴なのだろう。


 凶暴で、言葉が通じるかもわからない。今は、周囲に人の気配はないけど、いつ誰が現れるか、わかったもんじゃない。


 ……気配と言えば、さっきからなーんか、妙な感覚なんだよな……


「って、ラッへ、大丈夫?」


「あぁ?」


 さっきから、気になっていた……妙な感覚。周囲の魔力が、変な感じなのだ。

 それに……本人は強がっているけど、ラッへの額から汗がすごい流れている。


 もしかして、どこか怪我をしたのか? それとも、他に理由が?

ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

もし面白い、続きが見たいと感じてもらえたなら、下の評価やブックマークを貰えると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ