表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第五章 魔導大会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

348/1219

339話 自由〜さ!



「どうなってんのあの体!」


 撃ち込んだ魔法が弾かれ、エランは驚愕に声を荒げる。

 Cブロックの試合、見てはいたが、こうして実際に目の当たりにすると、また違った感覚を覚える。


 撃った魔法を弾く、という方法であれば、同じく魔法で弾き返す。魔力強化した肉体で弾き返す。いろいろと方法はある。

 しかし、目の前の男ブルドーラ・アレクシャンは……


「ケェッヘハハハハハァ!」


「わっと!」


 猛獣のごとく突進を、エランは飛んで避ける。

 脚を魔力強化し、男の頭上を超えて飛び跳ねる。そして、ブルドーラ・アレクシャンの背中を取る。


 彼は、確かに肉体で、魔法を弾いた。しかしその肉体は、魔力強化されたものではない。素なのだ。

 それどころか、ブルドーラ・アレクシャンからは魔力を感じない。正確に言えば、人は生まれながらに魔力を持っているので、最低限のものは感じるが……


 おそらく彼は、魔導を使えない。魔力があっても、すべての人間が魔導を使えるわけではない。ガルデなどがその例だ。


「けど、素で魔法弾くって、どんな体だよ」


 いくらエランでも、素の肉体で魔法を弾くことは難しい。しかも、ブルドーラ・アレクシャンは魔術さえも跳ね除けたのだ。

 そんな芸当、これまでに見たこともない。


 エランに突進をかわされたブルドーラ・アレクシャンは、急ブレーキ……そして、背後に回ったエランへと、再びの突撃。


「馬鹿の一つ覚え、って言葉知らない!?」


「知らない、なぁ!」


 走り出すために踏み込むブルドーラ・アレクシャン……その際、足元の地面が抉れ、抉れた欠片が跳ねる。

 それをキャッチし、キャッチした地面の欠片を、エランに向かって思い切り、ぶん投げた。


「ひっ、あぶな!」


 本来ならば、魔力防壁で防げる程度の攻撃……しかし、放たれたそれは、すさまじい速さでエランに迫ってきた。

 条件反射でしゃがんでいなければ、今頃顔面がえらいことになっていただろう。


 それが、わずかな隙となる……顔を上げれば、目の前には繰り出された蹴りが、迫っていた。

 迫るつま先、それを前にエランは動くこともできず……


「絡め取れ!」


「!」


 エランの鼻先に、つま先がめり込む……その直前。蹴りの勢いが、強制的に殺される。

 意図しない、別側からの力。ブルドーラ・アレクシャンは、一瞬眉を寄せるが、己の足首に絡みついているもの……ムチを見た。


「これも魔法か。つくづく魔法とは、便利なものだな!」


「女の子一人を、ずいぶんと執拗に狙うものだ。

 これはバトルロイヤルだ、私も混ぜてくれよ」


 ブルドーラ・アレクシャンの足を絡め取るのは、フェルニン。彼女は、魔法により作り出した光のムチで、ブルドーラ・アレクシャンを捉えていた。

 魔法とはイメージの力。なにも攻撃や防御だけではない。


 縛り付け、その場に拘束する。しかし……


「そう、これはバトルロイヤル! よって! 誰を狙うも自由〜さ!」


 ブチィ、と激しい音を立てて、ムチが千切られる。なんのことはない、ただ力任せに足を引っ張っただけだ。

 それだけで、魔法で作り出したムチが千切れた。信じられない。


 だが、そのわずかな時間でも、エランがその場から逃げるのは充分だ。


「また距離を取られてしまったか……せっかくだ、私と接近で打ち合わないか?」


「それはごめんだ、よ!」


 接近での殴り合いなど、エランにとっては勝利のビジョンが見えない。浮遊魔法を使い、上空へと駆ける。

 魔法が使えないなら、ブルドーラ・アレクシャンは上空には追ってこれない。ここで、体勢を整える。


 ……相手がブルドーラ・アレクシャン一人ならば、それも可能だっただろう。


「キシャア!」


「ぅお!」


 突如飛んできたなにかに、危うくぶつかりそうになる、背を反らして、それを回避。

 けたたましい鳴き声を上げて、エランに突撃してきた物体。黒く、その姿はよく見えない。


「すまないね、空中はウォーリーの狩り場だ」


 上空のエランを見上げ、アルマドロン・ファニギースは言う。

 そう、今エランに突撃してきたものこそ、彼の使い魔であるウォーリーだ。


 黒いモヤがかかり、その全容が不明だった使い魔……しかし、今使い魔の姿は、エランの目の前にさらされていた。

 黒い体に、黒い羽。空を己の領分として滑空するその鳥は、狙いをエランに向けて再度向かってくる。


「か、カラス……!?」


 黒いモヤに包まれていた使い魔の正体、それを見てエランは、空中に退避したことを後悔した。

 羽のある使い魔相手に、空中戦を始めようなどと。そんな気は、さらさらない。


 なのでエランは、杖を向けまたたく閃光を放つ。まばゆい光を食らったウォーリーは、目を閉じ動きを止めた。

 しかし、それですべての行動が止まるわけではない。羽を振るえば、そこから幾数もの羽根が放たれた。


「っ、たぁ!」


 一歩反応が遅れ、頬に羽根がかする。切れ、血が流れる。

 すぐさま魔力防壁を展開し、幾数の羽根を防ぐ。これはまるで、鋭いナイフだ。


「……だから、お前ら……その女は、私の獲物だって、言ってるだろ……!」


 激しい攻防を前に、激しい怒りを露わにする人物がいた。

 己の魔力を限界にまで高めるラッへは、周囲を、そしめエランを睨む。


 ほとばしる魔力は、まるで電撃のようにバチバチと、昂る。目的を邪魔する連中、彼らに対しての怒りとともに、ぶつける。


「……(ほとばし)る幾千もの稲妻(いなずま)……雷鳴轟かせ、今こそ天より降り注げ……

 雷降万柱ライトニングボルジオン……!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ