表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一年生編完】史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます  作者: 白い彗星
第五章 魔導大会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

333/1220

324話 再びのぶつかり合い



「せいや!」


「ふん!」


 エランとイザリ、それぞれの得物がぶつかり合う。

 エランは魔力強化した杖を、イザリは魔力強化した剣を。ガギンッ、と激しい音が響いた。


 それだけで、周囲には軽い衝撃波が放たれる。二人を中心に、ぶわっと。

 さらに二人は、攻撃の手をやめない。一度相手を弾き飛ばすようにしてから、再び得物をぶつけ合う。


 分身体がすべて消えたことにより、エランの魔力は万全。しかしそれと打ち合うイザリもまた、エランと互角に打ち合う。

 それだけではない。


「はぁ!」


「うぉっ!」


 大振りからの一撃……かと思わせフェイントを仕掛けたイザリは、エランの背後へと回る。

 首元を狙い横薙ぎに振るわれた剣、しかしそれはエランには届かない。


 首の後ろに、魔力防壁を張っていたからだ。それにより剣の勢いは死に、逆に弾き飛ばされる。

 今度はエランが反転し、吹き飛ぶイザリを追いかける。助走をつけ飛び上がり、真上から魔力を纏わせた杖を突き刺す。


 それを目視した瞬間、イザリは無理やり体勢を動かす。地に足をつけ、蹴り、体を右側へと飛ばした。

 おでこ目掛けて突き落とされた杖は、その場からイザリから消えたため空振りに終わる。


 イザリはそのまま、二、三度地面を転がりつつも体勢を立て直した。


「うんうん、ちゃんと魔力強化、他の部分にも使えてるみたいだね」


 イザリに視線を移しつつ、エランはどこか嬉しそうに話す。

 先ほど、杖と剣の打ち合いの最中背後を取られた。あのとき、イザリは剣以外に、脚を魔力で強化し、背後へ回った。


 以前は、一箇所にしか魔力を纏えなかったのに。しっかりと魔力上達している。


「お前こそ、首の後ろにピンポイントに魔力防壁を張っているとはな」


「首の後ろは生物にとって一番の死角だからね。

 それに、相手の死角に入るのは戦いの上等手段だから」


 背後に回られたことに驚いても、それも込みでしっかり対策をしていたエラン。その入念さに、イザリは軽くため息を漏らす。

 確かに、一対一なら死角を魔力で守ることは上等手段だ。だが、これは乱戦。

 そんな状態で、いたずらに魔力を消費するやり方をするなんて……


 信じられないが、しかしそれがエランという女だ。


「しっかし、さっきよく避けたよね。イケた、と思ったんだけどな」


「目が、ここを狙ってると言ってたぞ」


 とんとん、とイザリは、自分の額を叩く。狙ってくる場所がわかれば、避けるのは難しくはない。

 もっとも、わかっていて避けられるほど簡単な体勢ではなかったが。


 それができるほど、イザリもまた成長しているということだ。


「目かぁ。あんまりそういうの表に出さないようにしてんだけど……逸ってたのかな」


「さあ、な!」


 瞬間、イザリが剣を横薙ぎに振るう。その場からでは、剣を振るおうが届くはずもない……本来ならば。

 しかし、剣から放たれるのは飛ぶ斬撃だ。火を纏い、火の斬撃が放たれた。


 剣に火を纏わせ、それを斬撃として飛ばす……それは、以前の決闘のときにも見せた技だ。

 もちろん、あのときとは魔力の質が違う。


「う、りゃ!」


 迫るそれから、エランは逃げる素振りも見せず……杖を振るい、火の斬撃を断ち切る。

 断ち切れ割れた斬撃が、周囲にいた選手を襲った。


「ちっ、やはり届かんか」


「けど、以前より魔力は上がってるよ」


「そりゃどう、も!」


 再びイザリは、剣を振るう。しかし次に放たれるのは、火を纏った斬撃ではない。

 火ではなく、炎と呼べる規模のもの。炎の波が、放たれた。


 これも、以前決闘で見せたものだ。あのときは、凍らせて対処し、その隙をついてイザリに一撃を叩き込んだ。

 しかし、今回同じことをしても、通用しないだろう。当然、エランの力はわかっている。


 ならば、この炎の波は、エランに対する攻撃というだけではなく……


「うぉああ、なんだぁ!?」


「あちぃ!」


 周囲にいた選手への、牽制。あるいは戦闘不能を狙っているのか。

 これはバトルロイヤルだ。エランの相手をするだけではなく、最終的には一人だけ勝ち残らなければならない。


 もちろん、イザリにとって一番戦いたい相手は、エランであるが。

 それにしても、ただの魔法でこの威力、範囲攻撃。やはりイザリには才能がある。


「なら、私も……」


 あのときは凍らせて対処した……しかし、今回はまた違ったことを思いつく。

 火には火で……そう、同じもので対抗するために、エランは頭の中でイメージを固める。


 イメージするにも、想像するものは目の前にあるのだ。そう難しくはない。


「とりゃあ!」


 エランも杖を振るい……その先から、炎の波を生み出す。いや、波と言うには規模が小さい。

 炎を細い渦状にして、力を集中して放つ。細いといっても、人一人は余裕で呑み込める大きさだ。


 炎の波の一点に、炎の渦をぶつける。熱と熱とがぶつかり合い、周囲は熱帯へと包まれる。

 力を一点に集中していたおかげか、エランの魔法がイザリの魔法を貫いた。


 だが……


「あれ、いない……」


 そのままイザリにも目掛けてぶつける勢いだったのだが、先ほどまで彼が立っていた場所に、イザリはいなかった。

 どこに行ったのだろうと、エランは視線を動かして……


「ぬぅう!?」


 真上から振り下ろされた、火を纏いし剣撃を、なんとか受け止めた。


「よく、気づいたな……!」


「あのときの意趣返しのつもり……!?」


 以前の決闘で、エランは炎の波を凍らせ、その上を飛び越えてイザリにとどめを刺しにいった……今回は、その逆だ。

 イザリは、予め自分の魔法が破られることを知っていたのか。それともそれは関係なしか。魔法を放ち、炎の波の上を飛び越えた。


 そして、上空からエランへと斬り掛かったのだ。


「っ、んぬりゃああ!」


 真上からの重みに潰されそうになるエランだが、足を踏みしめ、力の限り腕を振るう。

 イザリごと、斬撃を弾き返した。


「まだまだ!」


 弾き飛ばされながらも、イザリは足下へ魔力を集中。吹き飛んでいる状態から体を反転させ、足で空を蹴る。

 すると、まるでその場に足場が……見えない足場があるかのように、イザリの体が飛ぶ。


 そのまま、空中を蹴り、エランへと突撃して……


炎牙(えんが)!!!」


 炎を纏いし斬撃を、繰り出し……エランの体を、ぶった斬った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ