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1-22 勇者

【22】勇者


そこに男が立っている。

すべての人が力尽き、この世の絶望の中にあっても、ただ一人、彼はそこに静かに雄々しく立っていた。


190センチ程度の長身

肩幅が広く発達した逞しい両腕を組み

どこか涼しげで力強い鋭い眼差し

しかし優しげな眉尻をしたその瞳は

真っ直ぐ目の前に立ちはだかる強大な敵を見据えて離さず

一歩も引くまいとする

ゆるぎない決意を示している


「アルクスライン…アルクスラインなの!?」

男は、一度、シルキーに笑顔を見せたようだったが、それは彼女の儚くそしてどこまでも切なる願望が見せた錯覚の仕業だったのかもしれない。


そのまま自分の腰に帯びた剣を、しなやかに伸びる細長い指で、無数の宝玉の散りばめられた壮麗な束からすらりとひき抜いた。



その剣は光り輝く黄金の長剣

刀身には伝説の古の竜が象られ

それが空気に触れると青白い焔をまとっているかのように揺らめく

それを直視するにはあまりにも畏れを抱かざるを得ず

男が天空に剣をかざしたその姿は

まさに神々しいまでの荘厳さを讃えていた



美しいその剣を男の隆々とした肩越しに構えた時、強大な暴虐の魔王に向かって躊躇の欠片もなく、一息に駆け出した。

そして10数メートルはあろうかという魔王の目線まで、まるで、その背に天使の翼で星の階段でもあるように空を駆け上がった。


彼の空駆ける頂へと極めた時

綿帽子のような自由な落下にあわせ

その強靭な体が幾つにも重ねて見えるほど

信じられない神速さで幾連とも途切れることのない剣を振出した


それは…

まるで

星空に瞬く流星群のごとく

剣撃の度に

数々の光を放って零れ落ちた…


「エクスカリバー…sword meteor…やっぱりあなたはアルクスライン……なの?」


男は何事もなかったように、地上に舞い降り剣をふたたびそのあるべき束へと音もなく納めた。

彼が魔王を背にして歩み出した刹那、無限ともいえる強力な力を誇った、あの魔王ギガントロプスは、まるで紙吹雪のようにこの地上から霧散して消え去っていった。


シルキーの薄れゆく心の風景は、夢現つの奇跡の時を漂い、そして…夢のごとく途切れてしまった…





ロビンのユニークスキルは、この時点ではまだ明らかになっていません。今後をお楽しみに。。。

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