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プロローグ
主人公最強ものです。苦手な人はご遠慮ください。
残酷描写は保険程度です。
少年は、そこで生きている男の子を見つけた。
見つけてしまった。
自分によく似た黒い髪と、黒い瞳。いや、ほんの僅かだけ、男の子の瞳には紫が入っている。珍しい、瞳の色だと思った。
少年は決して正義ではなかった。
命を刈り取ることに疑問はなく、見捨てることも平気でしてきた。
それなのに、少年は悩んでしまった。
目の前の男の子を、どうするのかを悩んでしまった。
「…………無駄死には、したくない……」
そんな中、つぶやかれた言葉。
幼い子供が口にするには、あまりにもふさわしくない言葉。
気づいたら少年は男の子の頭を撫でていた。全くの無意識で、少年は自分の行動にひどく驚いた。
けれども、その行動をやめる気にはならず……また、その男の子もそれを受け入れた。
瓦礫に埋もれた小さな破壊されてしまった村で。
人と魔物の死骸に囲まれたその場所で。
少年は、小さな男の子を拾った。
プロローグくらいは真面目っぽく