【天才?】連載を確実にスペシャルなものに変える最強のフォーマットを思いついたんだが!
どうも、天才です(真顔)。
小説を書く者なら、一度は言ってみたいセリフ第1位「そのテンプレ、俺が考えました」。―― 今回は、これをぶっ放してやろうかな、と(大風呂敷)。
かつて、漫画の神様と言われた男が編み出した「スターシステム」。それは自身が描いた複数の漫画の主人公や登場人物たちを、一作品にぶち込んで登場させるという「オールスター大感謝祭」のことをいう。
野球漫画ばかりを描いていた水島新司は、自身が描いた高校野球漫画作品の各高校を、一同に甲子園に出場させ、戦わせるという『大甲子園』なる作品を描いていたり、けっこう古くからある手法でもある。
しかし、これは多くの人気作品を書いた作者にしか許されない、特権的手法。―― と勝手に思い込んでいたのだが、ここで、ひとつ閃いた!
連載の最初の10話は、全部主人公の違う短編を書いて、11話目から各話の主人公たちが交錯するというスタイルを取れば、自作でもスターシステムが組めるのではないか!と。
十名の主要キャラを最初に短編形式で登場させることによって、物語に重厚さが生まれる。そして、この人物たちが、物語にどうかかわって来るのかが、読者を惹きつける。
作品が、だいぶと進んでから、各登場人物の単話エピソードを行うのではなく、「誰が主人公か分からない」状況で読ませることによって、読者の様々な考察が生まれやすくもなる。
各話のリアクションを見て、人気と不人気のキャラの露出機会の調整なども行えるし、かなり有望な手法に思える。
確実に主人公級のキャラを早々にリタイヤなんてさせてみれば、読者をさらに混乱に陥れることも……!!
もちろん、こういった作品を書く場合、緻密な計算が必要となってくる。各登場人物のタイムラインを作成し、作り込みにも時間がかかるが、「入れ子構造」を行うことによって、並列的に登場人物たちを競わせることも可能に。
単体では、主人公にしづらい設定のキャラでも、この方式を使えば、使いどころもかなり出てくる。
ああ、これは天才的なフォーマット思いついちゃった、俺すげえ!と、思わず自画自賛だけど、念のため ――
筆者)ChatGPT君。念のために訊くが、このオリジナリティ溢れる、魅力的なフォーマットに類似する作品って、すでにあったりしないよな?
ChatGPT)ダン・シモンズ『ハイペリオン』
巡礼者7人がそれぞれ一話ずつ自分の過去を語る短編集の形で始まり、次第に物語が収束する。→ あなたの構想に最も近い例。
―― て、やっぱりあるんかーい!
ハイペリオンて、太古の昔に楽しんだ競馬ゲームの種牡馬でいた気がする名前だが、調べてみたら、SFファンタジーとな?
ChatGPT)『ハイペリオン』(第1巻)
巡礼者たち(神父、兵士、学者、詩人、私立探偵、外交官、領主の娘)がハイペリオン星へ向かう途中、それぞれが自分の体験を語る。
各人のエピソードは独立した短編SF・ホラー・恋愛譚になっていて、順番に読むとまるで短編集。最後まで語り終えても、まだ「なぜ彼らが選ばれたのか」「何が待つのか」は分からない。
巡礼者たちはついに〈時の墓〉へ到達する――という場面で幕が下りる。→ 第1巻はほぼ全編が前日譚集です。
『ハイペリオンの没落』(第2巻)
第1巻で語られた個々の物語の伏線がここで一気に結びつく。巡礼者たちが〈時の墓〉とシュライク(謎の存在)に直面し、その背後にある人類史・AI・未来戦争の大きな構図が明かされていく。
戦闘シーンや政治的陰謀も増え、純粋な群像短編集から本格長編SFへと転じる。→ 物語のボリュームとしては、第2巻も第1巻と同じくらいの長さがあります。
さらにこの二部作の後に、
『エンディミオン』+『エンディミオンの覚醒』という続編二冊があり、物語はさらに数百年後にまで広がります。つまり最初の7つの短編は全体の物語の「序章」にすぎないわけです。
◇
……うん、これ完全に同じフォーマットだね。
けど、フォーマットなんて、中身を入れ替えれば、何にでも使えるから「フォーマット」な訳じゃん? けっきょくは、中身次第でオリジナルに……。
それにしても、こんな優秀なフォーマットが、あまり他の作品で見られないのは、やっぱり扱うのが難しいからか? 扱い切れる技量が、ほとんどの作家にないということか?
◇
このフォーマットの良い点は、各登場人物の短編に完璧なオチをつける必要がないというところ。むしろ、これからこいつはどう動いていくのか、と読者に思わせられれば、それで勝ち。
これまでに死蔵してきた、数々の短編のアイデアに出てきた登場人物たち。単話の形にしきれずに放置してきた、アイツやコイツも! そもそも、設定を考えるのは大好きなので、オチなしでガンガン投入できるのは非常にありがたい。
「懲役八百年のエルフ」とか、短編で投入するのが、もったいなかったキャラとかも、これなら使えるから、一回、世界観も整理して、次の連載につなげたいものである。(了)