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運命の人は男の子でした【完結済】  作者: 甘語ゆうび
三章【リガルーファル家編】

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魂の結び付き

「魂の結び付き⋯⋯?」

「えぇ。簡単に言えば、僕とラディの魂は、糸で結ばれているんです。昨日、父さんから聞いたばかりなので、詳しい事情は分かりませんけど、例えば、僕の体調が悪くなったら、ラディもそれに釣られる、みたいな。それで、霊力や魔力も、一部共有されるみたいなんです。だから、今のラディには少しだけ霊力が備わっていると思いますよ。まぁ、霊が見えるかは知りませんけど」

「え、い、いつの間に⋯⋯?」


 身体には何も異変が無いように思えるのに、あのタトゥーのことといい、知らぬ間に身体の中が作り替えられている気がする。それがなんだか気持ち悪い。


「昨日今日で、何か身体におかしいところはありませんか?」

「うーん⋯⋯。あのドラゴンのタトゥー以外特に何も。霊が見えたりもしてないし⋯⋯」

「そうですか。なら、一先ずは大丈夫です。でも、何かあったらすぐ相談してください。僕じゃなくてもいいです。とにかく、一人で抱え込まないで」

「⋯⋯分かった。でも、リュサールも抱え込まないでよ。私にはまだ全部よく分かんないけど、大変な状態なんでしょ?私が危ないってのも分かるけど、一番危ないのはリュサールだよ。大事なことは隠さないで、ちゃんと話して」


 彼の小刻みに震えている手を握って、真っ直ぐに目を見つめながらそう言う。リュサールはいつも、私のことを気にかけてくれるが、自分のことは蔑ろにしようとしているように見える。だから、彼が私を心配するのと同じように、私も彼が心配なのだ。


「⋯⋯分かりました」

「辛い時は、ちゃんと辛いって言ってよ?無理して平気だとか言わないでよ」

「⋯⋯でも、僕が身を引いたら、周りに迷惑がかかってしまいます。邪龍の封印がいつ解けるかも分からないのに」

「そういうとこ!まずリュサールが居なくなっちゃダメなの。分かった?」

「⋯⋯分かりました。無理な時は無理と言います」


 ぽすん、と私の胸に頭を起きながら、リュサールはそう呟いた。吐息と体温がすぐ近くにやって来て、少し擽ったい。


「ねぇ、ラディ」

「なに?」

「僕、食堂で貴女に嘘をついたんです」


 彼は私から離れて、椅子に座り直し、そう言った。私はその言葉に、嫌な冷や汗が額を伝ったのを覚えた。嫌な予感がするから。


「あの時、僕はあと数年と言いましたが、恐らく、もう一年も持たないかもしれません」

「え⋯⋯」

「ごめんなさい。あの時は、貴女に真実を伝える勇気が無くて、嘘をついてしまいました」

「⋯⋯そう」

「でも、貴女にちゃんと話して、と言われたから話ます。実は今朝、まだ日も登っていない時間に、リリウムさんが来たんです」

「リリウムさん?」


 予想外の名前に首を傾げる私に、リュサールは静かに頷く。


「孤児院に帰って、個人的に僕から採取した霊力を使って占いをしてたみたいなんです」

「ちょ、ちょっと待って、一旦ストップ。占いはいいんだけど、霊力の採取ってなに⋯⋯?霊力ってものみたいに採れるものなの?」

「さぁ。エルフの技術らしいので、詳しいことはなんとも。⋯⋯話を戻しますね。リリウムさんに言われたのは、僕の寿命についてです。どうやら、僕は邪龍の力を打ち消した時、封じられた魔力だけでなく、生命エネルギーを使用していたみたいなんです」

「生命エネルギー?」


 響きからして、あきらかに削ってはいけないように思える。


「端的に言えば寿命とのことです。それを、僕はあの舞台だけで大体四十年分使ったらしいです」

「四十年!?」

「えぇ。ベラリヤの男性の平均寿命は、七十五歳なので、今は大体あと二十年分しか寿命がのこっていませんね」

「えぇ⋯⋯。あ、で、でも、それなら!残り二十年は生きられるんじゃないの!?」

「それは無理でしょう。僕は邪龍に大層気に入られたようですし、こうしてる今も、僕の力を吸おうとしているのが分かります」

「そんなの分かるの⋯⋯?」

「なんとなくの感覚です。一応、リリウムさんに色々貰いはしましたけど、どれくらい効果があるかは不明です」


 食堂の時と同じく、平然と話すリュサールに、えもいえぬ感情を抱く。何故、自分の死について、こんな平気な顔が出来るのだろう。


(いや、してないのかもな。そう見えてるってだけで⋯⋯)


「⋯⋯そっか。あ、そういえばさ、リュサールってあと一年しか生きられないんだよね?なら、すぐに式を挙げたほうがいいんじゃないの?」

「それなら、さっきも言ったでしょう?僕は、貴女の意思を尊重したい、と。貴女が早いと思ってるなら、僕はするつもりはありません。それに、僕は貴女と想いが交わせただけで十分⋯⋯」

「リュサールが良くても、私が良くないの!」

「え?」


 らしくなく目を丸くして素っ頓狂な声を上げる彼に、少し笑ってしまいそうになったが、なんとか堪えて言葉を続ける。


「私は、リュサールとの結婚式を挙げたいの!短命なのは、仕方ないのかもしれないけど、でも、式を挙げれずに死ぬなんて、絶対嫌だからね!」

「で、でも、貴女は僕を知ってからがいいと⋯⋯」

「確かに言ったけど、でも、それとこれは別!呑気にうだうだしている間にリュサール死んじゃったら元も子もないもん!」


 私に圧されて、リュサールは暫く固まってしまった。そして、動いたかと思えば、長い溜息を吐かれた。


「分かりました。今すぐは無理ですけど、このゴタゴタを片付けたら、すぐに挙げると約束します」

「ゴタゴタ片付ける前じゃダメ?」

「流石にそれはちょっと⋯⋯。今、僕とラディが婚姻したら、邪龍にどんな影響をおよぼすか分かりませんから。でも、式は必ず挙げます。ラディがそこまで望んでくれたんですから」

「⋯⋯約束ね?」

「はい。約束です」


 私が小指を差し出すと、彼も同じように小指を差し出す。それを絡めて、私達は約束をした。

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マジでどうでもいい裏話

言い終わったあとで、ラディは結構恥ずかしいことを言ってしまったのでは、と思っています

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