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中川家

 タイヤチェーンのおかげかスリップを起こすこともなく、ドライブは順調に進んだ。

 すれ違う地元ナンバーの車を見ると、チェーンを装着している車両はさほど無いようだ。

 やはりこのあたりのドライバーは雪に慣れているのだろう。


 ふとルームミラーを見ると後部座席の二人が肩を寄せ合って何やらしている。

 やっと付き合い始めた二人なのでイチャイチャしているのかと思ったが、真剣な表情をしている。

 何をしているのか考えていると、教授に話しかけられた。


「鳴海くんは雪の道にも慣れているのかね?」

「いや、それほどでは無いんです。車持ちの友人があまりいないので、誰かがスキーやスノーボードに行きたい時に駆り出されるくらいですね」

「なんにせよ助かるよ。私が運転したらすぐにすっ飛んでしまいそうだ」

「今の車は運転補助機能も付いていますから、少し前に比べれば安全性能も高まっているようですよ」


 教授が苦笑した。

「家内から運転するなと言われているから、あまりハンドルを握ることはないだろうが、車を新しくするのも良いかもしれないな」

「まあ、一番良いのは奥様が運転しやすい車ですから、よくご相談された方が良いかと」

「そうだなあ…」

「そういえば梅田教授からOBが車のカタログを持ってセールスに来るなんて話を聞きましたよ」

「ああ、私の昔のゼミ生でね。行動力はあるんだが、何かと突っ走りやすい性格で困ったもんだよ。いつも適当に追い払っているが、一度相談してみるか…」


 マサムネが前の二人の会話に気づいた。

「あれ?うちのゼミのOBのディーラーって、昔怪我した人じゃなかったっすか?」

「うん?ああ、よく知っているね。結構昔の話だというのに」

「あ、いや。ちょっと気になってて…」

「何かあったのかね?」

「いやあ、そういうわけじゃないんですが…」


 マサムネが答えあぐねていると、葵が助け舟を出した。


「先生〜、マサも車欲しいみたいですよ〜。OBの人だったら安くしてくれたりしないんですか?」

「いや、どうかな。今度きた時に聞いてあげようか?」

「あ、お金全然ないから、だ、大丈夫っす」

「そんなに気にせんでも、私のついでだ。安い出物がないか聞いてあげよう」

「…あ、ハイ…」


 片側2車線の広い国道をしばらく走行し、ガソリンスタンドの手前の交差点を左折する。

 山の麓に続く路地を抜けると、茅葺き屋根の古民家が見えた。


 中川家だ。


活動報告に記載させていただいたのですが、体調不良から気管支炎を発症してしまい、ちょっと更新が厳しい状況です。

そのため、少し更新をお休みさせていただきます。


体調が回復したら更新再開させたいと思いますので、お読みいただいている読者様がいたら(いるんだろうか?)、その時はよろしくお願いいたします。

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