表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/55

バー 3

「なんでそんな危険な薬物が流行ることになったんだ?」


 マサムネが真剣な表情で尋ねた。


「色々な説があるから正確なところはわからないんだけど…、元々アメリカではアスピリンが多用されてきたという文化があったの」

「アスピリンってバファリンとかに入ってる痛み止めよね?」

「そう。アメリカの映画で見たことがない?アクション映画で負傷した主人公や頭痛持ちの登場人物が、ラムネみたいに薬を食べて痛みを紛らわせるシーン」

「ダイ・ハードで主人公のジョン=マクレーンが薬を大量に飲むシーンがあったような…」


「アスピリンを多用すると、副作用で胃潰瘍になるの」

「え?じゃあバファリンとかも?」

「いいえ。そうならないように緩衝材バッファーを入れたアスピリンだから大丈夫。もちろん量にもよるけど」

「バファリンってそういう意味だったんだ」

 アキが驚いた。


「アメリカは医療費が非常に高いのよ。自己破産の半数は医療費が支払えないことが原因。盲腸の手術で300万円の請求が来たりするわ。ちょっとした風邪なんかでも5〜10万かかる」

「保険に入ってんじゃないの?」

「保険料も高いから2000万人以上のひとが無保険らしいの。これでもオバマケアでかなり改善したんだけどね…」


「医者に診てもらうと払えないから、市販の薬や痛み止めでなんとかするって言うね」


「だからアスピリンは多用されてきたんだけど、それより副作用が少なくて効果の高い痛み止めが出たの。それがオピオイド」

「それって、フェンタニルとかの、医療用麻薬ってやつだろ?」


「最初は麻薬としての危険性は軽視されたらしいの。

 1995年にパデュー・ファーマ社がオキシコンチンというオピオイドの一種を、常習性が低く安全な鎮痛剤として積極的に広報・販売したの。

 多くの医師がこの薬を処方するようになり、依存症になる人々が徐々に増加していった」

「アメリカは訴訟社会だよね?問題になってないの?」


「なっているよ。

 オピオイドまん延の責任を巡って、鎮痛剤メーカーや医薬品の流通会社、処方に関わった薬局大手に対して起こされた集団訴訟は3000件を超えるの。

 パーデュー・ファーマは2019年に破綻したそうよ。

 21年には日本でも有名なジョンソン・エンド・ジョンソンを含む処方薬流通大手各社が250億ドルの和解金支払いに合意するなど、訴訟を巡り巨額の支払いが相次いでいるの」


「250億ドルって、3兆5000億円以上だぞ…」

「国家予算じゃん」

「でも、それ以上の利益が出ているって証拠だよな」



「本来の医療目的で使われるなら良かったのかもしれないけど、快楽を求めた娯楽目的での使用が始まると、もう規制なんてできなくなったのね」

「一度依存症になったら、入手方法なんてなんでも良いってことか」

「薬局で手に入れられなければ、カルテルから買うんだね…」



「でも日本はアスピリン文化もないし、オピオイドも聞かないから大丈夫じゃない?」

「オピオイドは日本で手術や治療に使われているよ。ただ病院で厳格に管理されていて流出しないようになっているだけ」


「医療用から娯楽目的かぁ…」

「最近、日本でも医療用に認可されそうなのがあるよね」



「大麻、か」


「ここ最近、大麻は色々な国で合法化されているって聞くよな」

「昔は芸能人とかミュージシャンが捕まってたけど、最近は大学生が捕まってニュースになったりしてるね」


「大麻はアメリカだと合法化されてるんだろ?」

「そういうイメージよね…」

「え?ラッパーの人がそういうこと言ってるの見たぞ?だから日本は遅れてるんだって」


 マサムネの意見にアキが話し始めた。

「アメリカの全部の州で認められているわけじゃないんだろ。バイト先の店長から聞いたことがある」


「そう。アメリカは50の州があるんだけど、医療用大麻が認められているのは38州。娯楽用、嗜好用大麻が認められているのは23州ね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ