表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/55

昼食

「うめえ!」

 マサムネがでかい丼の上に乗ったソースたっぷりのカツに齧り付いている。

 ご飯の上にたっぷり乗ったキャベツと一緒に、勢いよく平らげていく。


「ここの親子丼、有名なんですよ〜」

 葵はここの名物だという地鶏を使った親子丼を注文した。

 赤みを帯びた卵でふんわりとじた鶏肉の上に三つ葉の緑が鮮やかだ。

 食べる前にスマホで写真を撮っている。


「温まるな……」

 アキはピリ辛スープの麻辣ラーメンを食べている。

 駐車場から歩いてきただけでも寒かった。

 フリースでは防寒が足りなかったようだ。


 教授はきつねうどんをすすっている。

「君たちもよく食べるね。まあ夕食はもっと美味しいものを食べに行こうか」





「「「ご馳走様です!」」」

 昼食も教授の奢りということで、遠慮なくゴチになった。


 食休みもほどほどに、それぞれが所用を済ませて車に戻った。


 昼食のピーク時間を過ぎていることもあり、サービスエリアの駐車場は三分の一ほどしか車が停められていない。

 この先が悪天候なら早めの移動が良いだろう。


 アキは強炭酸のレモンウォーターを一口飲んで気持ちを切り替えると、車を出した。




 しばらく走っているとフロントガラスに当たる雪の粒が少しずつ大きくなってきていることを感じた。

 幸いなことに交通量は多くないので、安全運転だけ心がけていればさほど問題なさそうだ。




「鳴海くん。すまないが少し寝ていても構わんかね?食事を摂ったら眠気が来てしまった……」

 大きなあくびをした教授がアキに話しかけた。


 昼食後静かだったので、しばらく前から眠気が来ていたのであろう。


「大丈夫ですよ。休んでてください。ちょっと交通情報を知りたいのでラジオだけつけておきますけど。あ、後ろの2人も寝てても良いからな」


 後部座席からは「別に眠くない」などという声も聞こえたが、しばらくすると、ラジオの音声だけが車内に響くようになった。





『……昨日から強まった冬型の気圧配置の影響により、今季これまでで最も強い寒気が日本列島に流れ込んでいます。

 今晩から日本海側を中心に荒れた天気となって、西日本の平地でも雪の積もる所があるでしょう。

 九州北部から近畿北部、東海地方でも今季初めて警報級の大雪となる可能性があります』

『今回は「首都圏の市街地でも局地的に積雪が急増するおそれがある」というのがポイントなんですよね?』

『そうなんです。

 このため、山沿いだけではなく、大雪となることが比較的少ない沿岸部や市街地でも急に雪の降り方が強まり、あっという間に積雪が増えることが考えられますので、首都圏にお住まいの方も雪への備えが必要になります』

『いつ頃まで天候に注意する必要があるのでしょうか?』

『週明け火曜日までは厳重な警戒が必要ですね。

 不要不急な外出はなるべく避けていただいた方が賢明かもしれません』

『高速道路の状況ですが、14時現在では主だった高速道路に雪の影響は出ておりません。

 これから外出をされる方は、本日夜半からの状況にご注意ください』

『それでは次のリクエスト曲は、ラジオネーム戦慄の膝小僧さんで「ユニコーン」の「雪が降る町」です。どうぞ〜』





 冬の定番になっている古いヒット曲が流れている。

 自分の状況と照らし合わせたアキは思わず呟いた。


「本当になあ、わざわざ出かけるって日に大雪がぶち当たらんでも良いだろうに」


 今日は良いとして、明日の天候が非常に気になる。

 冬休みまではまだ日にちがあり、それまでは講義がある。


 1日や2日出られずとも大して問題はない。が、帰れなくなればどこかに宿を取らなければならないだろう。

 せっかくのバイト代が予期せぬ宿泊費で消えるのは勘弁願いたい。


 小松原教授と同行しているのなら延泊してもお金を出してくれそうだが、別行動で仙台に行く教授にお金を出してもらうのは少し気が引ける。


「すべては明日の天候次第、か」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ