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お父様は私達の結婚に反対でしたでしょう? ~私は傾いた商会を立て直す為に、救国の英雄と結婚する事になりましたが、彼は呪いによって野獣になっていました~真実の愛はその呪いさえ打払う

作者: そう

私達、兄弟姉妹きょうだいは、今まで贅沢な暮らしをしてきた。

洋服を望めば新品の舶来品が手に入り、装飾品を強請れば宝石がゴロゴロと着いた立派なモノが幾らでも手に入った。

父は海運業で一代で財を成したマルセーユの大商人であるトーマス・ジェファーソン。そんな彼は、今頭を抱えていた。


「また沈んだか……」


父は安楽椅子に深く腰を掛け、番頭の男から報告を受けていた。

その声に覇気はなく。まるで気の抜けた炭酸のように価値が無い。

父の傍らにはワイン壺や樽が転がっており、酷いアルコール臭がするほど泥酔しているようだ。


「はっ。どうやら地中海で嵐が起こったようで、ジェファーソン商会の船は現在港に停泊している船はもう一隻もありません、ヴェニスの商人から融資を受けるしかないでしょう……」


バン!


父は上等なオーク樫の机に握り込んだ拳を叩きつけた。


「あの金貸しに縋るなどワシのプライドが許さん! 権威を金で買うとはけしからん!」


「ではどうしますか? 金を借り現状を維持しなければ、直ぐにでも他の商会が我先にと大挙して押し寄せ、ジェファーソン様は身ぐるみを剥がされ骨までしゃぶりつくされますぞ!」


「……」


父はただ押し黙るのみであった。

その場にいた私は、たまらず口を開いた。


「行商を再開してはどうでしょう? 行商であればまだ活路はあるかと……」


「行商など大した稼ぎにはならん! 今必要なのは船だ! それも大きな大きな輸送船がな!」


しかし、自分の意見が現実味を帯びているとは思えない事を自覚しているのか、ワインをグッと煽った。


「行商ですと確かに稼ぎは低いですが、安定して利益を上げることも出来るでしょう……しかし」


「時間がかかりすぎる……それならば婚姻を結ぶしかあるまい」


父には私を含めて五人の子供がいる。

長兄のランドルフ、長女のメアリー、次女のルーシー、三女のエリザベス、四女で末っ子の私マーサこと【鴎姫ラ・ベル】だ。

兄は既に結婚しており、義姉さんの実家には既に融資を受けていて、これ以上負担をかけることが出来ない状態にいる。

残りは四人の娘達しかいない訳で……私以外は器量がわるく大商人の娘と言う付加価値しかない訳で……必然的にマーサに白羽の矢が立つという訳だ。


二人そろってこちらを見た。

どうや自分たちからは言いづらいらしく、仕切りにゲホン、ゴホン咳払いをしている。


はぁ……家のため。いや従業員のためよ。


私は家のための贄になる事にした。千人を超える従業員を雇う大商会が潰れてしまうと、路頭に迷う人があまりにも多すぎるからだ。

私は自分を奮い立たせてこういった。


「私が嫁ぎ船団をそろえるだけのお金を用意して見せます」


父と番頭は手を繋いで子供の様にはしゃいでいた。

私は思わず握り込んだ拳をスッと体で隠して、殴りたい衝動を隠し笑顔を張り付けた。






それから数日後。

生き残った商会の船団の一隻が港に寄港したと言う知らせを聞いて、父と番頭は喜んでいた。胡椒は同量の銀ほどの価値があるため一隻に満杯の胡椒の実があれば、船など直ぐに買うことが出来るからだ。


「パパぁ~~私新しいドレスが欲しいなぁ」


「私はルビーの耳飾りが良いなぁ」


「私はぁシルクのハンカチかな」


三人の姉たちが気持ちの悪い猫なで声で、まるで娼婦や情婦が客の男に媚びるような仕草で、実の父にすり寄ると高価な品々を父に強請った。


いつまでもこの生活が続くと、本気で信じているのだろう……。


「あんた何が欲しいのよ?」


長女のメアリーが私の背後に回り込み方を掴んだ。周囲を見回すと他の姉達も私を取り囲む様に移動していた。

瞬間。

ムワリとした強い香水のニオイが刺激した。


うげっ……吐きそう。


香水の強いニオイに充てられて、私は胃液が喉元まで上がって来る感覚を覚える。喉まで胃液が上がって来たせいか辛い。


「いえ。私は陛下より頂いた髪飾りがありますし……家計の状態もあまりいいとは言えませんので、私は欲しいものなどありません」


私は家の財政状態を知っているので、あまり無茶なことは言えない。


「ちょっと綺麗だからって調子にのるな!」


「妹の分際で陛下から品を下賜されるなんて生意気なのよ!」


「そうよ! 美しさを鼻にかけるなんてホント嫌な女ね!」


姉たちは口々に私を汚い言葉で罵った。

恐らくは、無欲な美女と強欲なしこめとして比べられると、月とすっぽんの様に大きな差が生まれてしまう。だから私に何かを強請らせたいのだろう。

まぁ姉たちは顔だけは綺麗だが、心根が汚い。


「では美しい赤い薔薇の花束を……一束下さい」


姉たちの言葉で戦々恐々としていた父は、ほっと安堵した表情を浮かべると「必ず買ってこよう。」と言った。


それから商会の残り一隻の帆船は、再び港を出港し珍しい舶来品を土産に、父と兄は商人としての伝手を使い。嫁を探している豪商や貴族に対して片っ端からアプローチを仕掛け、行商人のように品物を馬車に乗せて国中を駆け巡っていた。


それから暫くして父は青い顔をして屋敷に帰ってきた。

それはシトシトと雪の降る日の事でり、姉たちは貴族が主催するパーティーに出席し婚活にいそしんでいた。

暖炉の脇の安楽椅子に腰を掛け、暖めたワインを口元に運び暫くするとぽつぽつと、話始めた。


「……私は毛皮を仕入れようと思い北へ行商へ向かった。ある日雨水でぬかるんだ轍に車輪がとられて抜け出せないでいる時、一人の紳士が手助けをしてくれたんだ」


「紳士……お貴族さまですか?」


「あぁ……将軍を輩出したこともある名家だ」


将軍を輩出するほどの名家と言えば両の手で足りる。それに北の貴族と言えば、英雄モンモランシーで間違いないだろう。


「それはそれは……よくそのようなお方と縁を結べましたね……」


私は素直に驚いた。北の英雄と言えば国……いや世界有数の金持ちであり所有する城は30を超え、家で国をも相手できると言われるほどついたあだ名は僭主レックス

父は乾いたような馬鹿にしたような笑い声で笑うと。


「お前を嫁にしたいと言っていてな……」


「それはいい事ではありませんか!」


「良いわけあるか! あいつは化け物だ満月の夜アイツが、悪魔のような姿になるのを私はこの目で見たのだ! 神に祈りを捧げようともアイツが滅されることは無かった。素直に商売は諦めていれば良かったのだ! 無駄に足掻かなければあのような化け物に娘をやる必要などなかったものを……私の命でよければ幾らでもすてるのだが……」


悪魔や化け物と聞いて私は少し恐ろしさを感じた。

しかし戦争の英雄が化けものとは到底信じることが出来ずにいた。


「私が嫁に行きましょう。そすれば祝いの品で懐も温かくなるでしょうから……」


そう言って父を説得し馬車で邸宅へ向かった。






数週間の旅路の果てに北の主要交易都市。シャントーゼにある邸宅にようやく到着した。

お風呂が用意されており父と共に旅の垢を綺麗に落とすと、使用人によって用意されていた真新しい洋服に着替える。

僭主モンモランシーは家臣達と狩りに出かけているようで、帰りは今夜遅くになるとのことであった。

私は好奇心に負けて城の中をフラフラと歩いていた。

日も暮れた頃になりフクロウが鳴き始めた頃屋敷のドアが開く音がした。


「客人でも来ているのか?」


サラサラとした長い黒髪を一本にまとめ縛り上げた、若い美青年が声を張り上げメイドたちに質問した。


「はい。マルセーユの大商人トーマス様と鴎姫ラ・ベル……マーサ様がお見えです」


「それは誠か! 急ぎディナーの準備をし客人たちにも声をかけてくれ! 私は湯あみをする」


そう言うと5人ばかりのメイドを連れてモンモランシーは、風呂へ向かった。


「あれが英雄モンモランシー・ラ・ヴァ―ル」


私は純粋な興味を抱いていた。

彼には面白い噂がおおい。

数年前までウェルズ王国と我が国は戦争をしていた。親から子へ親から子へと続くこの長い長い戦争は継承戦争と呼ばれて、英雄モンモランシーの高祖父や曾祖父もこの継承戦争で名を挙げた英雄である。

例えば悪名高いモンモランシーの祖父血塗られのジャンは、自分の息子や孫を使い婚姻関係によって領地を倍以上増領した。モンモランシーの母は彼と弟を捨て政敵の男の情婦になったりと、真実を列挙しても悲惨なものが多い。

しかし彼をもっとも悲しませたのは、戦乙女が魔女の汚名を受け戦死した事だろう。聖騎士の異名を持つモンモランシーは怒りに身を任せ敵軍を壊滅させ、国の領土へとウェルズ島を組み込んだのだから。


私が夢想していると、背後から声をかけられた。


「見ない顔だけど……新しいメイドか? それにしては身なりも立ち居振る舞いもしっかりとしておられるが……」


金を溶かして解したような細くサラサラとした黄金の頭髪は、短く切りそろえられており全体的に華奢な印象を受ける。


「いえ私は、マルセーユの商人トーマスの末娘マーサと申します……巷では鴎姫と呼ぶものもおります」


「そなたが征服王シャルル陛下が選んだと言う国一番の美女か!?」


詰め寄ってくる爽やかなイケメンに一瞬たじろいでしまう……


「申し遅れた。私はモンモランシーの弟のルネと言う。兄の妻となられるべくこの北の地に参られたとか……並大抵の覚悟ではない是非義姉と呼べるような素晴らしい関係を築けるとよいのだが……」


彼の言葉は段々と弱いものになっていく。


「何か問題でも?」


「いや。知らないのは公平ではない。実は兄上には呪いがかけられていてな……ヴェニスの魔術師曰く『魔神の術』と言うらしい。古くはギリシアやケルトの古の神々が人を獣に変えたように……異教の神々は気まぐれに祝福や呪いを与える存在でな……例えばギリシアの神王ゼウスは一国の王を狼に変えたり、その娘で知恵の戦神アテナは、機織りの娘を蜘蛛の化け物に変えたりしたそうだ」


「もしかして……」


「そう。お推察どおり、兄上は異教の神々の呪術によって複数の獣を合わせた様な異形の怪物へと、度々変化なされ野山を駆け回り猪や鹿、野兎を貪るのだ。呪いの原因は兄上自身やもしれぬが、私が思うに、恐らくはおじい様のせいであろうな」


と自らの推察を述べた。

確かに血塗られの異名を持つジャン様は、多くの貴族から恨まれる人物であることは確かだ。

現在の所領は、モンモランシー様のお父様とモンモランシー様自身が婚約し病死や事故死として相続した領土が多く。シュードゥ僭主ティーハォンと呼ばれており東や西、北にも王家と同等以上の武力を持ち独自支配をする僭王がいる。

恨まれるのは仕方がない。


「それでなぜ私が選ばれたのでしょう?」


「君のやさしさと美しさは王都でも評判でね。美しい娘はたくさんいるが、君のように誠のやさしさを持つものは少ない。覚えているかね? 王都へ呼ばれた日すべての候補者の馬車の近くでは、妊婦に扮した役者がいたそれを王に呼ばれた時間を無視してでも助けたのは君だけだ。それで王は君に国一番の美女の称号を授けられた」


姉達も王都に呼ばれていたが、私が選ばれたのはソレが理由だったのか。


「私は期待しているのだよ。君のやさしさなら獣になる兄上さえ愛せるのではないか? もしかしたら御伽噺のように呪いを解くことが出来るのではないかとね?」


随分と大きい期待をかけられたものだ。


「すまない。今のは聞かなかったことにしてくれ……」


私の表情の変化を感じ、謝罪の言葉を口にするとニヤニヤとチェシャ猫の様に笑うとルネは廊下を歩いて行った。






案内されていた客室に戻ると、暫くしてメイドが私達親子を呼びに来た。

先ほど盗み聴きした通りどうやらディナーのお誘いのようだ。


「どうしますか? お父様?」


私は父に意見を仰いだ。

父は苦虫を噛み潰したような表情をすると、擦れたような声で答えた。


「……ありがたくおよばれする事にしよう」


父はそう言うと腰を患った農夫のように重い足取りで立ち上がると、メイドの後を追った。


通された部屋は大きな正方形の部屋で、上等な木材。それも恐らくは巨木を一本丸ごと使ったと思われる長机が部屋の中央に鎮座しており、天井には豪勢な銀の燭台を幾つも重ね宝飾品で飾り立てたシャンデリアが、何基も何基も吊り下げられており流石はこの国でも有数の大貴族にして、救国の英雄の居城と言った所であろう。


父が被っていたシルクの帽子を摘まんで頭から取り会釈をした。


「お招きいただいて光栄です。ラヴァ―ル卿」


「こちらこそ。再会を嬉しく思う」


そう言うと二人は熱い握手を交わした。

流石大商人と呼ばれる父だ。バケモノと呼び嫌悪する人物の腕を平然とした顔で握り返すとは……


「そちらが」


鴎姫ラ・ベルと呼ばれております。マーサ・ジェファーソンと申します。ラヴァ―ル卿」


私は父が何とか工面してくれた、水色のフリルの付いたドレスの裾をちょこんと摘まみ上げ、恭しくお辞儀をした。いわゆるカーテシーと言うやつだ。


「うむ。お会いできて光栄に思う。ささ今夜は楽団もいるゆえ音楽と食事を楽しまれるといい。残念ながら新鮮な魚はないけどね? 港町の人たちには申し訳ないが」


と茶目っ気タップリに微笑んだ。

魑魅魍魎ちみもうりょう跋扈ばっこする王国の宮中を生き抜いてきたもさだ。これぐらいの余力があって当然だろうと考える。


「いえ。珍しい食べ物のほうが嬉しいですわ」


「楽しみにしておいてくれ」


そう言って父と横並びになって長机を囲み、料理が運ばれてくるまでの間グラスに入った食前酒アペリティフを傾けた。


ヴェニスがあるアペニン半島で近年広まった習慣で、食欲増進と会話を弾ませる少し強めの酒を飲むと言う習慣だ。ヴェニスなどの半島料理は量や味が濃いものが多く食の細い私にとっては大変ありがたい。


暫くすると前菜オードブルから順番にスープ、海鮮料理ポワソン氷菓ソルベ肉料理ヴィアンド食後甘味デセール、カフェの順番に配膳され料理をナイフやフォーク、スプーンで食べていく。


「どうかね? 本場の海鮮料理ポワソンに比べると数段劣ってしまうだろうが内陸でこの味はなかなか出せないと思うが……」


「いえいえ。この貝のオイル漬けは香辛料と一緒にオイル漬けしていることで、臭みも和らいでいてとてもおいしいですよ」


確かに父の言う通り、王都などで食べる魚料理よりははるかにおいしい。しかし港町や川の近郊で食べる魚よりは少し劣ってしまう……と言うのが偽らざる本音だ。輸送で時間がかかるため塩漬けや燻製、乾物にオイル漬けそう言った長期保存手段が無いと難しいのもまた事実であるもののオイルや香辛料、樽の木の香りが移っておりこれはこれで生にはない独特の良さがある。


「そう言ってもらえると、用意したこちらとしても大変嬉しくおもう」


暫く談笑をしながら食事を楽しんでいると……


「マーサ嬢を嫁に欲しいのだ」


突然。ラヴァ―ル卿が本題を切り出した。


「その申し出ですが……」


父が言いよどんだ。

バケモノに対して娘を嫁に出すのは嫌なのだろう。ただ金が必要なのには変わりがない。


「お受けいたしますわ!!」


私は父の言葉をより大きな声をだして遮る。


「まっ! マーサ!!」


父は大きな声を上げ、テーブルに手をついて立ち上がった。

私は父の大きな声に驚いて悲鳴のような声を上げてしまった。

私の声で自分の無作法に気が付いて、頭に上っていた血が収まり冷静になったのか短く「申し訳ございませんでした」と、短い謝罪の言葉を口にした。


「いや。構わない……男親と言うものは娘を手放すのが惜しいと言うのは、古今東西で当たり前の事だ……非礼を許そう……」


自分から言い出したことで起こってしまった出来事の為かラヴァ―ル卿は、少し弱弱しい声で返事をした。

父は取りあえず安堵の表情を浮かべるものの、まだ苦虫を噛み潰したような表情をしている。


「では早速婚儀を結ぶための準備を行おう……申し訳ないがマーサ殿は一度帰郷して頂いて準備をして頂きたい。」


「わ、わかりました……」


父は弱弱しい声で返事を返した。


「手土産を用意しよう。確かマーサ殿のには姉上が数人いらっしゃったであろう。城下町の商人にドレスや宝飾品を用意し、兄上たちにはシルクの帽子、スーツをお送りしよう」


その言葉に含まれるのラヴァ―ル家が後ろ盾になるという事を言っている。

父や兄たちにとってはそちらの方が嬉しい事であろう。


「ありがとうございます」


父はそう言って複雑な表情を浮かべた。

私の事を思ってくれているのだろうが……商会の事を考えるのであればさっさと適当な人間に、姉達を嫁に出せばいいのに過保護に家に置いたままだから行き遅れるのだ。

何せ姉たちは商会の金を湯水のように使い贅を尽くした生活を送っているのだか、そこを取り除かなければまたこういうことになった時に金食い虫がいつくことになってしまう。

もしそうなってしまえば、姉たちの使う財布が大きく強化されるためだけに私は犠牲となることになる。私はそんな姉達が嫌いだ。


「では早速準備する事にしよう。準備が出来るまでの間ゆるりと待たれるといい」


父はもう一度感謝の言葉を述べると、食事に戻った。


「すまない。マーサ嬢にも何か贈り物をしなければな……すまない。気が回らなかった後で用意する」


「いえ。お気遣いありがとうございます」


私はそう言うとナプキンで口元を拭って答えた。


豪勢な夜会での食事や音楽のせいで、気分がよくなってしまい赤ワインが進んでしまいほろ酔いを超えてしまった事もあって、無礼だとは知りつつも「酔いが回ってしまったようですわ。申し訳ありませんが、今宵はこれにて失礼したいと思います」と言って一足早く食堂を後にし、客間に戻りメイドの手を借りきつく締めあげられていたコルセットのヒモを解いてもらい、ベッドに倒れるようにして横になる。


コルセットでお腹周りをきつく圧迫していたこともあり、一気に血が流れていくのが分かる。

アルコールが程よく回り、ぽかぽかとした気持ちのいい火照ったカラダを、少し冷たい夜風が優しく頬を撫で、少しだけ欠けた月には、女性の横顔が見える。


本当に気分がいいわ。


私が感傷に浸っていると……


輝く月をナニカが横切った。

それは鳥でも蝙蝠でもなかった。

それは大きな大きな帽子を深々と被った女性だった。女性はこちらに気が付いたのかクルリと回転し飛来する。


「あら、珍しいわ。この城に女の人……それも血縁もない赤の他人が居るなんて……モンモランシーの花嫁かしら?」


長く美しい黒い髪を無造作に髪を靡かせて、つばの広い帽子やダボダボとした異境の神殿の御子を思わせる豪奢な服装のヤケに、露出度の高い服装をしている。

空を飛翔する露出度の高い服装から、異教の御子や魔女と言った風貌をしている。


「私はモンモランシー様に招かれ嫁にならないかと言われた。商人の末娘マーサと申します」


「ボクは、世界を観察し導く者。特定の名前は持っていないから、人は私をいろんな名前で呼ぶんだ。今は魔女と呼ばれている」


魔女。それは、父神を崇めず。悪魔である異教の神々を信奉する神官や巫女の事を指し、錬金術とならんで異端とされる者達だ。


「魔女様はモンモランシー様の呪いを解くことは出来ますか?」


「もちろん解くことはできる。しかし神の王との契約によって私が、直接神々の呪いを解くことはできない。しかし私は呪いが解けるように導くことが出来る。乙女よ! 我が助言を与えよう!!」


仰々しい動作をして十代前半の容姿をした少女は声高らかに宣言した。


「人と言う獣は何故なにゆえ知性を得た? それは始まりの土の男は同じ出自の妻を捨て、己の肋骨から新たな妻と共に、蛇に拐かされて知恵の実を食らい楽園から追放されたからだ。知性を持った獣よ。神の創造物の中で唯一愛を知っているのお前たちだけだ。愛は神や悪魔の呪いにだって打ち勝つ呪だ。もうそのしゅも必要ないだろう。この事は誰にも他言してはならない。呪いとは文字や言葉を使ってかけるのだから……」


そう言うと魔女は煙となって姿を消した。


魔女は断言した。

愛で呪いが解けると……御伽噺フェアリーテイルのような話だけど、確かに魔女はそう言った。

なら私は彼の呪いを解いて父を安心させようと心に誓ったのでした。


………


……




それから数日の月日が流れた。

婚約の支度のために一時的な帰郷をすることになった。

父は馬車一杯に積まれた贈り物の目録に目を通して青い顔をしている。


「いやはやこんなに頂いて良いモノか……」


口元の髭を人差し指と親指で数度。摘まむように撫でながら答えた。

港町の大商人だけあって、贈り物を送る事も貰う事も多かった父が頂くのをためらう程の品々なのだ。

その背後で屋敷の下男達が、木箱に入った贈り物や食料を積み込んでいる。


「暫しの別れとなるな……」


モンモランシー様は私を気遣う様な言葉を紡ぐも二の句が出てこない様でした。


恐らく魔女様と会った数日後。彼の獣としての姿を見てしまった事が原因でしょう……


闇夜の様な真っ黒で美しい毛並みで、二足で立つことも四足で野山を駆け回る事も出来る。狼、熊、鼠私が見たことのある野獣すべてを混ぜ合わせたような形容しがたい異形の怪物が、屋敷の門をそっと開けている所を私は見てしまったのです。

そして納得したのです。なぜあんなに大きい扉が屋敷住にあるのかと……それは彼が野獣となった時に出入りするためなのでした。


「えぇ……家族に今回の件を報告します。兄も喜んでくれましょう」


「だといいのだが……」


モンモランシー様はそう言うと執事の男性がモンモランシー様に耳打ちをした。


「……では私はコレで失礼する」


モンモランシー様がその場を後にすると入れ替わるようにして、ルネ様がいらした。


「私も王都に用があってね。同行したいのだが良いだろうか?」


「ぜひ。よろしくお願いします」


全く願ってもいない事だ。通常行商人は、複数人で集まったキャラバンを組むか傭兵を雇うなどをして身を守るしかない。

私達は板金鎧を纏った騎士団に警護され帰路に付いた。


約2か月の旅路の果てに、港町マルセイユに着くと懐かしい磯の香りがする。


「これが海のニオイですか……」


警護してくれた若い騎士がポツリと呟いた。

私は思わず笑みをこぼした。


「し、失礼しました」


身分としては騎士の方が高い身分だが、実際の所は金を持っている分並みの貴族より地位が高い。また金を積めば教会の地位も買える事を考えれば銭こそ力だろう。


私はニコリと微笑み「気にしていません」と言って若い騎士を慰めた。


「せっかくですからマルセーユの街を観光してきては如何でしょう? 奥さんや恋人、婚約者などのご家族にお土産を買って行かれると良いでしょう」


私は騎士たちを労い発展した港町へ遊びに行くように促した。

せめて商会までは送ると、代表の騎士が言ったので言葉に甘えて商会まで送ってもらった。


商会の建物に入ると兄たちが出迎えてくれた。

姉達は見覚えのない真新しいドレスを着ている。


また散財したのかあのバカは……


父が帽子を脱ぐと商会の下男たちが空かさず駆け寄り、帽子やコートを受け取っていく。


「お帰りなさいませお父様。マーサ……それでモンモランシー様はなんと?」


兄のランドルフが事を急ぐ。

そんなランドルフの態度に呆れたように、父は「ハァ……」とため息をつく。


「ランドルフ。すまないが私達は長旅で疲れている……後にしてくれないか?」


こう言われては後を継ぐ兄と言えど何も言い返すことは出来ない。

苦虫を噛み潰したような表情を隠すように微笑み。


「わかりました。ではまた後ほど伺います……」


と言って物分かりのいい跡継ぎを演じた。

まぁ。ラヴァ―ル卿が私兵である騎士団を警護に付けている状況を見れば、一目瞭然なのだが明確な言葉が欲しいのであろう。「一体どれほどの援助を受けれるのか?」と言う報告が、そして一刻も早く今まで味わった事のなかった姿の見えない恐怖から解放されたいのだろう……。

父はほとほと呆れたような様子で執務室へ番頭と共に入っていく。

父がドア越しにこういった。


「マーサも楽な洋服に着替えて部屋に来なさい」


何時もは姉達に虐められるのを見て見ぬフリをする父だが、今回は思うところがあるようで……暫く姉達に文句を言われてから執務室へ逃げてくるようにと言うが、なぜ八つ当たりをしてくる姉達のストレス発散に付き合わなければならないのだろうか?


私も疲れているので姉達の相手をしたくないので、すぐさま自室へ向かう階段を昇っていく。

すると……


「ちょっと待ちなさいよ!」


使用人が振り返るような大きな声で姉の一人長女メアリーが私を呼び止めた。

私は「ハァ……」とため息をつきたくなるが、余計に面倒な事になるのを経験則で知っているので、グッと堪えて「何でしょうか? メアリーお姉様」と聞き返すことにした。

ファーがたっぷりと着いた舶来品の扇でメアリーお姉様は、パタパタと自分を仰いでいる。

香水の強いニオイが私の鼻を刺激し私の不快感を上昇させ、馬車に揺られていたせいか吐き気がする……。


「マーサあなた少し調子に乗ってるんじゃないかしら?」


「いえ。そのような事は……」


「あるわよ! アナタだけ見るからにオーダーメイドのドレスを着ているじゃない!」


次女のルーシーが難癖をつける。

確かにルネ様が選んで下さった旅装束は、中流階級の婦女子にとってはドレスと呼んでも差支えの無いモノであるが、本物の貴族であるルネ様にとっては汚れてもいい程度の旅装束と言う認識で、フリルと言う値段が高い装飾品があまり付いていない分値段も安いとは言っても、そうそう気軽に買えるものでもないのだが。


「ルーシーお姉様コレは旅装束です」


「確かにあまり仕立てのいいドレスとは言えない地味なモノだけど……」


「ルーシーお姉様よく見てください。このドレスは地味な作りですが生地は丈夫な作りになっています」


三女のエリザベスが、私のドレスのフリルや生地を人差し指と親指の腹で擦るようにして確認した。


「生意気ね……」


「ただでさえ地位も! 名誉も! お金持った英雄と!! あなたが結婚するですって? ふざけんなッ!!」


「そうよ。そうよ」


鴎姫かもめひめ? 国一番の姫? ふざけんじゃないわよ!」


「私達四姉妹って全員同じような顔してるハズなのに何で! いつも! いつも! いつも!! アンタばっかり男にモテるのよッ!」


同じ顔って……基本は同じだと思うけど……お姉様たちの性格の悪さがにじみ出たような表情のクセが付いてしまった顔と比べられても、正直なんだかなぁ~って感じなわけで……愚兄ランドルフに視線を送るも我関せずと言った態度である。


私が結婚しないとこの商会潰れるってわかってるのかしら……アナタが取り入るべきはモンモランシー様と私なのに……。


他の男性に嫁に行けと言われるよりも、女性を大切にしてくれる上流階級の男性と言うだけで好ましい。

商会を傾けた原因の一端である姉達を取り除けない時点で、兄も父も五十歩百歩だが。


「アンタがモンモランシー様とお父様に言って私達の誰かと変わるように言いなさい! 「私には無理ですって言ってね!」」


長女メアリーの言葉に続いて他の二人も、カラカラと下品にならない程度に笑っている。


自分たちは行動もせずに、おいしい思いをしたいって所かしら……クズが……


「申し訳ございません。お姉様方……モンモランシー様が結婚したいと言ってくださったのは“私”ですので……ご不満があるようでしたら私ではなくモンモランシー様に直接言ってください」


まぁあなた達には無理でしょうけど……。と心の中で付け加えた。


まさか私が言い返すとは思っていなかったのだろう。姉達だけではなく兄も、使用人たちでさえも唖然とした表情を浮かべた。


「――――なッ!!」


長女メアリーは絶句しながらも何とか驚きの感情を表した。

その言葉とも言えない呟きで我に返ったのか、次女ルーシーが声を荒げる。


「ま、マーサ! お姉様になって口の利き方をッ!」


「そうよ。年長者の言う事なんだから、素直に聞きなさいよ」


随分な物言いに私は我慢の限界を迎えていた。


「マーサ、君の気持も分かるけど年長者……それも家族に向かってそんな物言いは酷いんじゃないかな? モンモランシー様は貴族! それもこの国にいや世界に君臨する三大僭主のお一人。我がジェファーソン家の誇る美姫の姉妹を全員娶っても問題が無い。それどころか増々の繁栄を我が家にもたらしてくれる事だろう!」


などと我欲に塗れた夢想図を描いているが、本当に上手くいくと思っているのだろうか? ただでさえ姉達は世間一般でも少し問題のある年齢だし、それを差し引いたとしても商人の娘を何人も娶るメリットが存在しない。それにこのドギツイ性格だ。

余程寛容で財力のある相手としか結婚は出来ないだろう……まぁその神様みたいな人がこの姉達を選ぶとは到底思えないが。


「申し訳ございませんでした。私も旅で疲れが溜まっているようで……ご無礼をお許しください。父の言う通り少し休みたいので失礼します」


と言ってカタチだけの謝罪をする。


本当は言いたくなかったの! でも! 旅で疲れてたの……と全力で言い訳することも忘れない。


固まっていた兄や姉達を尻目に私は私室へ行くため、y字型の階段を昇る。

すれ違いざまに、長女のメアリーがボソボソとした声でこういった。


「絶対に許さないから」


まるで怨敵でも見るような濁り切った瞳でこちらを見てくるが、知った事ではない。


「例えば、私の姉という事でラヴァール卿と結ばれたとしてもあなた達は、劣等感を覚え私を蔑むでしょう? そんなの無駄じゃない」


とこちらも耳打ちを返す。

ギロリとした瞳で睨まれるが、恐怖なんて感じることは無い。獣と化したモンモランシー様と比べると恐ろしくて何も言えなかった姉達への恐怖など、児戯にも等しい。


「どうせ。アナタ達には無理ですよ……」


私はポツリと言葉を呟く。それは自分に言い聞かせるようだった。

私は楽な部屋着に着替えて父の私室兼執務室へ向かう。

父は安楽椅子に深く腰を掛けて、羊皮紙の束を見て百面相をしている。

父の傍らにはワイン壺や樽が転がっている事は無く、酷い悪臭がするほど泥酔している訳でもない。


「遅かったな……掛けなさい」


父は眼鏡を外すと、こちらに視線を向けた。

私はソファーに腰かける。


「城でも言ったがな。俺はお前があのバケモノと結婚する必要はないと思っている」


「ですが……」


「私は血も涙もない商人と言われているが、私にも家族の愛情ぐらいはある」


「娘に不便や負担をかけたくない。結婚には反対だ」


「私はあの人の事を愛している……とはまだ言えませんが……愛を与えてあげたい。そう思えるぐらいには彼の事を思っています……」


「……私の結婚も恋から始まったとは言えないが。愛と名の付く感情をお前たちの母には抱いていた……親愛、友愛、敬愛、慈愛、信愛そういう感情を抱いていた……」


「……」


「お前達もそういう関係を築けると言いな……」


父は諦めたような口調でポツリと呟いた。

だから私はニッコリと微笑んで「えぇ。そうですわね」と言った。






本格的な返事をするため私は直ぐに馬車に乗った。

騎士の方々には悪いけど私は一層彼の事が知りたくなったからだ。

馬車が城に着くと私は一目散に駆けだした。


「早かったね。結婚の返事を聞かせてもらおう……」


「アナタの事を愛してるとはまだ言えないけれど……愛する事と愛する努力は出来ます」


「……そうか……ありがとう……」


私とモンモランシーは熱いキスを交わした。






一年後。

領都にて開かれた結婚式当日。


「君と出会えたことを嬉しく思うよ」


タキシード姿のモンモランシーがそう言った。


「えぇ。私もよアナタのお陰で私は……」


私は大きく膨らんだ自分の腹を撫でる。

一年の歳月で私達はお互いを尊敬できる関係に落ち着いた。それは市民たちの恋とは違うのかもしれない。でもこれは間違いなく愛のある関係だ。


「私は挨拶回りがあるので少し席を外す……メイクやセットしっかりしてもらいなさい」


そう言うとモンモランシーは部屋のドアを閉めた。

入れ替わるようにしてドアが開いた。


誰かしら……


「やぁ。ラヴァール夫人と呼んだ方が良いかな? 鴎姫ラ・ベル?」


大きなとんがり帽子を深々と被った美少女が姿を現した。


「魔女様!」


私は驚きのあまり声を出してしまう。


「めでたい祝いの席に邪悪な存在が、呼ばれてもいないのに来訪してすまないね……君に君たちに良い知らせを届けに来た。呪い解けたよ」


「え?」


「いや~~。流石神も与えると言う無償の愛――――アガペーだ。四つの呪いを纏めて吹き飛ばすなんてボクは信じられないよ」


「四つの呪いですか?」


「あぁそうさ。一つは血塗られのジャンに掛けられた呪い。二つ目は敵国がかけた呪い。三つめは政敵がかけた呪い。四つ目はモンモランシーの元嫁……カトリーヌがかけた忘却の呪い。理性と情動この二つに知性と経験が重なる事で動物はヒトになる……カトリーヌがかけたのは自分に向けた情動と記憶を奪うものだった……これによってヒトと獣の境界線があいまいになっていたのがモンモランシーさ」


カトリーヌさん。それはモンモランシーが最後に婚約した少女で、赤髭に無理やり拉致されたモンモランシーの親戚筋の女の子だと聞いている。

なぜ彼女が呪いをかけたのだろう……


「なぜカトリーヌ様は呪いをかけたのでしょうか?」


「モンモランシーは英雄と呼ばれているが……根は素直な男だ。条件さえ整っていれば、黙示録の獣にだってなっていただろう。しかし、覚醒のトリガーである感情を抑制してやれば、彼は天使長の声を聴いた聖女を例え失ったとしても、人のままでいられる。だからカトリーヌは愛していた男のためにその身を捧げたんだ」


「カトリーヌが凍らせた感情を取り戻させるには、燃える様な愛が必要だったんだ」


「だから情動を補う愛を与えてやれば、呪いは消えると?」


「ロマンチックだろ?」


そう言って魔女はケタケタと笑った。


「その通り。呪いって結構身近でね……例えば 「死ね」って言うだけでも微弱な効果があるんだよ。簡単に言えばその効果を高めたのが呪い」


「たすけてくれて、ありがとうございます」


「ボクは何もしてないよ君たちが勝手に助かっただけ……まぁ責任の半分以上はボクにあるし……」


魔女様と談笑をしていると……ドアが開かれる。


「パーティーが始まる主賓が居ないとあっては、何のためのパーティーかわからないじゃないか……」


「確かにそうね。花嫁こそが結婚式の主役だもの」


「はははっ。違いない」


私達は教会で結婚式を行った。

多くの人に祝福され私は大満足だ。


ブーケを投げそれを拾うように、使用人に命令していた姉達だったが結局拾えず。家の屋敷で働いてくれている下級貴族の令嬢が拾っていた。商人上がりと馬鹿にされていた私の数少ない友人だからとても嬉しかった。






幸せそうな結婚式の様子を眺めている人物が一人いた。

魔女は箒に乗ったまま教会の上空に留まると、誰とも知れぬ何かに語り掛ける。


「野獣と化した貴公子モンモランシーと、いじめられっ子の可哀そうな末娘のマーサは、呪いを跳ね除け幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし……」


いつの時代も恋が愛に変化するには、何かしらの障害が付きまとう。


「硝子靴の乙女に、塔に住む長髪の乙女に、天使長の声を聴いて祖国を救った救国の聖女……数え始めたらキリが無い。私はあと幾つの恋の障害を作り出す悪役になれば、この役目から解放されるの? 教えてよエンキ……」


魔女はそう呟くと箒に乗って飛んで行った。







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― 新着の感想 ―
[一言] こちらは続き物なのでしょうか? おとぎ話風の構成で好きだなと思いました。 ボクっ娘?魔女さんの前後のお話が気になりました!
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