秋(にしてはなんだか暖かい季節)の俳句
『コロナ禍や 勢子に追わるる 小さな咳』
“勢子”とは狩猟の時に獲物を追いたて、逃がさないようにする役目の人のことです。
“咳”は冬の季語なのですが、今回は勝手に「“コロナ禍”の季語ということにしちゃえっ!」と、今の時期にこの俳句を出しました。
風の強い日に買い物をしていたら少し喉がイガイガして、小さな咳が出ました。
そのとたん周囲から一斉に集まった視線。──怖かった。
焦りました。人前で咳なんてしたら、周囲の人から冷たい目で見られたり、非難されたりするんじゃないかって──。
でも、視線はすぐに何事もなく散っていきました。ちゃんとマスクしていましたからね。
なんだろう。最近ニュースなどを見ていても、何か得体のしれないものに追いたてられているような気分になることがあります。
『野のすすき 五百羅漢の如 風に』
広い野原の中、すすきがいろんな姿でそこにあるのが以前見た五百羅漢のようだと思いました。
好き勝手にいろんな向きに生えていて、風に良いようになぶられて、でも折れないで、風が止むと元の通りにあっちこっち向いている──。
そういうのが好きです。
『鯵フライ 一尾を籠に 秋の暮れ』
近所のスーパーに鯵フライの美味しいお店があるので、時々買います。
コロナ禍の影響で、最近はあらかじめパックで包装されています。
1個パックがちゃんとあるのがありがたいです。
美味しいんですよ、あそこの鯵フライは。