水称探偵の推理
静寂を吹き飛ばす程、様々な音に溢れた廊下を渡り例の場所へと向かう。
そこは幽霊沙汰で著名になり、七不思議の一角に属した理科室。
大げさなくらいの寒さに文句を垂れながら、その場所へと脚を進める。
待ち人は居た。
同じ七日高校の制服で着飾った彼女は、此方を見定めると声を掛ける。
「やあ、文の上。奇遇だね」
理科室の幽霊。
通称、水称探偵。
幽霊と噂される、七不思議の探偵。
「これはまた、事件なのだろう?」
彼女は端的に、そう語った。
待ち人は何時も通り、ぶっきらぼうに手を振ると目線を落とす。
其処には、以前渡した画集が握られていた。
「ふむふむ。成程成程。空白の石碑、か_。_文の上。それには、日付以外の何もかもが空白だったのか?」
奇人変人に埋もれながら、それを見た感想を。
「強いて言うなら」
「強いて言うなら?」
真っ白だった石碑の日時の下には。
「__日付の下に、一文字消された跡があった」
「__成程」
探偵は、深くうなずく。
それはまるで何かを察したかのように。
「文の上。それは多分。石碑というよりも墓石なのでは?」
「墓石?」
「お寺などで見られるあれです」
「__それは知っている。それで?どうして墓石だと?」
「空白の石碑は、確かに意味を残すためにあるのでしょう。然し、それは表ざたに出来ない意味だとする。なら、文の上。
表沙汰に出来ず。
日付だけが記入されている。
その上で、残さなければならないモノというのは__。
誰も知らない、人の死以外にあると思いますか?」
「__事件や出来事ではなく?」
「少なくとも、花を手向けた誰かは”それ”を見越しているのでは?」
それは推測でしかない事は彼女だっ杖承知の上だろう。
現時点の証拠という証拠はまるでない。
「何も書かれていない事は、何も起きていない事と同義で。理解されていないという事は、何もなかったと一緒だという事を知りながらも。”誰か”は、花を手向けたのでしょう?」
それが、誰であるかは知る由も無いですが。
「貴方は、誰だと思いますか?文の上」
やべぇ適当になりましたけど、これが最後です。
もっといろいろ書きたかったけど、これ以上連載作品作りたくない__ぶひっ。
因みにこの作品は、日付だけ描かれた墓の様な石碑の話から、名前を食う先輩の話とかいろいろ予定はあったんですけど、もうちょっとに詰めてからリメイクしたいと考えている作品です。
見てくださってありがとうございやすぅ!