超級魔法の危機
いつもの事ですが、字数少なめです。
俺は今、買い物客で賑わう商店街を角の生えた幼女と一緒に歩いている。
俺がロリコンだったのか気になるだろうが、これは語弊なのである。
キャメロット家第17代当主の襲名披露を終えてルーシェと別れ、いよいよリンゼスの屋敷へ向かう途中、商店街の八百屋の野菜を泥棒する輩をつかまえたが、犯人はこの7歳の角の生えた幼女でナナといい、家族と喧嘩して俺の旅に付いてくると言うのだ。
そしてオマケにこいつの一族はヒフス族と来た。結局俺は目的まで一緒に行く事になってしまったのである。
想定外の出来事ではあったが、ここまではいいのだ。
何がいけないかって、あのルーシェがこの事態を見透かしていた事だ。何やらあいつは裏に精通している様だが、ここまでの予測が立てられるのは優れすぎている。
あいつが何を考えているのかは分からないが、少なくとも俺に対してはメリットがある事をしているから、俺は俺の思ったことを行動するべきだ。
「ねーねぇ!あれなに?」
ナナは商店街には初めてきたらしく、見るもの全てが新しく興味心身な様子だ。
「あれは、アイスって言う食べ物だ。暑い時によく食べるものだぞ。食いたいか?」
「いいの!?うん!食べたい!!」
今は8月の真っ只中だ。アイスなんてものを見たら俺も食べたくなってしまうのは仕方が無いことである。
アイスを売っている屋台に向かっていく途中、遠目からであまり見えないが何やら店員同士が揉めてるようだ。アイスを食べる妨げにならなければ嬉しいが、俺らへの対応に影響が出そうなので声をかけてみる。
「おい、お前たち何やってるんだ?」
「これはスピル様!!見苦しいところをお見せしました...」
天パ頭の眼鏡をかけた背の高い男性が俺が誰か気づき頭を下げる。どうやら演説を聞いていたみたいらしい。
「ねぇ、スピル様にお願いしていたら...?」
「そんな失礼なことできるわけ無いだろう、少しは考えてくれ...」
「じゃあどうするのよ!」
金の長髪の女性が天パ眼鏡に提案をするも断られ、怒っている。
それに対して天パ頭もイライラ気味である。
そしてふと、俺の頭にある言葉がよぎる。
「お兄ちゃん、カップルで彼女が怒ってて、その彼氏がイライラして反発する時は危険なサインだよ〜これが悪化すると超級魔法でもないと止められない状態になるんだよ!」
以前、ラストルがドロドロの恋愛モノの芝居を見た時に教えてくれた事だ。
これは一大事。なるべくここは魔力を温存したいから超級魔法は勘弁だ。こいつらの悩みを解決してやらなければ...
「おい、喧嘩はよせ。俺に頼みたいことがあるんだろ。」
「ですが...」
「いいんだ。俺たちは家族だから家族の頼みを聞くのは吝かではない。」
俺は演説で民は家族と言った以上の責任は持つつもりだ。なんの頼み事かは分からないが大したことでは無いだろう。
「実はアイスの原料が切れてしまってて、仕入れようにも最近ラングレー国からやってきたダルナラと言う商人が買い占めてしまっているんですよ...なんとか出来ませんか??」
ふむ。そうなると解決しない限りはアイスは食べられないと言うことだな。
それは由々しき事態であり、家族のためにも、ナナのためにも早急に解決すべき事だな。
「任せとけ。原料を持って帰ってきたらこの子にとびきり大きなアイスを食わせてやってくれ。」
「ありがとうございます!!」
男女揃って深々と感謝をしてきた。
とりあえずは超級魔法を避けることが出来て胸を撫で下ろす。
さて、これは少しリンゼスまでが長くなりそうだ。
冷たいアイスをかけた戦争を暑い真夏に勃発させてやるとしますか。
字数少なめにした以上は高い頻度で更新頑張ります