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Family Guardian  作者: Daisuke
第1章 〜家族愛〜
2/10

成人を前にして

F201年 7月29日

〜旧キャメロット城 現イストリア官邸〜


1年でいちばん暑いとも言える時期のこと、いつもならば昼に官僚や他国の使者が数人来るだけのとても大きく派手な外観に似合わずひっそりとした俺の家だが、今日はもう日が暮れたのにも関わらず人の出入りが激しく、すれ違う人々の顔は皆明るかった。

そう、明日は俺の大切な家族である妹のラストルと俺の15歳の誕生日だ。旧イストリア国では15歳が成人とされてるが、旧イストリア国を代表する一族であるキャメロット家の当主継承順位2位である俺と妹の成人する誕生日であるため大々的に誕生日パーティが開くそうだ。もちろん、その準備も大掛かりな物で前日の夜にも関わらず人の出入りが激しいという事だ。そして祝い事が皆好きなのか、それとも明日にご馳走が食べられるからか分からないが表情が明るいという訳だ。


正直に言うと、そこまで嬉しくない。確かに俺と妹を祝ってくれるのは感謝すべきことだろうし、実際、有難い事だが、来る客がどいつもこいつも表面でしか祝ってないのが丸わかりなのだ。キャメロット家の利益にあやかろうとしてヘコヘコしてる官僚やまるで親の仇かのような目付きでいつも睨んでくる他国の王族達がやってくるのさ。そんな政や小難しいことが分からないような歳だった頃はそりゃ嬉しくて前日はワクワクが止まらなかったさ。

ただ、妹が無邪気に楽しみにして笑ってくれてるだけで俺はそれで最高の誕生日だと思えてる。妹、妹、と言っているが俺はそんなに表面には出さないタイプだから余り心配しないでくれ。


「スピル様、浮かれない顔をされてますね。やはり他国の王族の方々はあまり好かれないのでしょうか。」


そう言って灰色の髭を生やした禿げた温厚そうで形にすると綺麗な球体を描くような体型の老人が俺の表情を読み取ったのか話しかけてきた。

この老人はいつも俺の世話を任されている執事のネル・ブランテだ。俺が物心着く前から俺の世話をしている。そのため、あまり表情の変わらない俺でも何の狂いもなく気持ちを読み取ってくるから、魔法を使えないネルだが、ある種、特殊な魔法使いとも思えてくる。


「でしたら参加を取り止めになっては如何でしょう?」

「いや、ラストルが楽しみにしてるからな。それに、そんな私情でこんな大掛かりなことを無駄には出来ないからな。家族のみんなも楽しそうにしているし。」

「左様ですか。これは要らぬ口を挟みましたな。」


俺は自分でも言うのはなんだが、かなりクールなタイプだと思っている。他人にも興味を示さず、圧倒的な合理主義。そんな俺でも絶対に譲れない物がある。それが家族だ。俺は家族が大好きだ。己の目的よりも家族の安全と幸せが第一だ。だから己の私情でそんなことはできない。


そう話をしていたら家族と喋りたい気持ちになった。


執事のネルに告げ、自分の部屋から出て、とてつもなく長い廊下を歩く。壁には歴代のキャメロット家当主の肖像画がある。こうして見るとキャメロット家の一族は老けるのがかなり遅い気がする。俺の父のグロウ・キャメロットは46歳だが、見た目的には30前後にしか見えない。肖像画が美化されているだけなのかもしれないが、父さんを見てると美化されているだけとは考えられないのだ。


肖像画を見ながら廊下を進んでいき、階段を上がると大きな扉があった。

ここが母さんと父さんの部屋だ。俺らの1つ上の改装をまるまると使った部屋なので扉もとてもでかい。


ノックして大きな扉を開けて部屋に入ると母のミスカが編み物をしていた。夏場なのに分厚いマフラーを縫っているようだ。夏場にマフラーを編むのは絶望的なセンスの持ち主だと思えてくるが、息子目線でもうちの母は絶対天然だと思う。この前もボール遊びと言って中級魔法のファイヤーボールを連発していた。

俺が部屋に入ったことに気づくと白く短い髪の毛を靡かせ、こっちを向いて微笑みながら言った。


「スピル、いらっしゃい。明日はあなたたちの誕生日だから手袋を編んでいるのよ。」


母さん...それマフラー.....そう思ったがいつもの天然なので最早口にすることは無い。馬鹿のような感じがするが、最高位の魔法学校で教授をしていたレベルに頭はよい。何故頭が良くてこんなに天然なのか、執事のネル同様に特殊な魔法なのかと思ってしまう。


「スピル、貴方は明日でこの国で一人前とされる15歳になるの。だから一人前の男としてラストルを守ってあげなさい。これはお母さんからのお願いね。」

「あぁ。」


この国では15歳が成人年齢となっているがキャメロット家は出家など無い為あまり関係の無い話だが、母に話されると気が引き締まる。妹、家族を俺がこれから守っていけるようにならないといけないと。

ただ、時間がだいぶ遅いので眠い。とにかく眠い。


「お休みを言いに来たんだ。」

「そう、おやすみなさい。愛しの子よ。」

「おやすみ。」


母と言葉を交わし部屋を出る。大きな扉を閉め、また長い廊下を歩こうとした時、父のグロウと兄のリカルドに会った。兄は3つ上で既に父と政に携わっている。父もキャメロット家の当主だけあって長けた知恵や能力を駆使して国を動かしている。俺は政には興味が無いからあまりその類の話はしなかったし、2人が政で忙しかったため関わりが薄くなりつつあった。


「スピル、もう寝るのかい?明日はお客さんの相手で会えるか分からないし、そろそろ日付も変わりそうだし先に誕生日を祝わせてもらうね。」

「そうか、スピルももう一人前か。お前は政には興味が無さそうだから何になるのかが楽しみだよ。」


兄に祝われ、父には期待をされる。俺はかなり幸せものだろうね。それと何になるかはまだ考えていないが、政とは違う形でこの家族を守り抜きたいとは思ってる。


それなりの会話を父と兄と重ねた後に別れる。そしてまた長い長い廊下を来た道と反対方向に歩いていく。後ろをネルが続く。家族に会うだけなのにネルが着いてくる必要性を感じないが、ネルも一応魔法こそ使えないが武術に長けているため護衛という名目だろう。そうして、またいろいろと考えている内に今度は妹のラストルの部屋に着く。

双子の兄弟とはいえ彼女も年頃の女の子なので突然入るのは嫌だろうから扉をノックして返事を待った。


「だーれ?」

「俺だ。スピルだ。」

「お兄ちゃん!入っていいよ!」


許可を得たので大きな扉を開け、中に入ると、妹のラストルは読書をしていた。妹は今読書にハマっているうようだ。妹は別に読書をするタイプではないので何時までそのブームが続くかと考えていると、


「お兄ちゃんなら私と双子だし別にノックしなくてもいいのに」


そう言ってラストルは頬を膨らまして不貞腐れる真似をした。彼女の後ろに立っている執事である女性が「はしたない事はしてはいけません。」と言いたげな顔をしていた。


「明日は俺とお前の誕生日だな。お互い成人するがこれからもいい家族でいような。」

「もちろんっ」

「いい夢みろよ。おやすみ。」


そう別れを告げ、大きな扉を開け、部屋を出ようとした途端、目の前に初級魔法の放電(スパーク)が流れた。とっさに上級魔法の魔法防御(マジックシールド)を発動させ、放電(スパーク)を無力化させると


「チッ」


と、ラストルが本性を表したかのような性格の悪そうな舌打ちをした。

そう、ラストルは非常に性格が悪い。少しの隙をついてイタズラをしかけてくる。魔法を使ってくるが初級魔法が多めなので直ぐに対応どきるが、その度にあの様な舌打ちをする。もう慣れた。


「おやすみ。」


そのまま扉を閉めた。


部屋に戻りベットで寝転がるとネルが俺に明日の日程を教えてくれた。


「明日は8:00からお客様が参られます。9:00にグロウ様がご挨拶されますのでその際は同席してください。ご挨拶された後はお客様と写真を撮っていただきます。そしてライザビルの王族の方と昼食を取っていただき、その後夕方までは自由時間です。夕方からは終日まで立食パーティに参加してもらう予定になっております。」


正直面倒だ。午前のくだりがいらない気がしてならない。確かに父の挨拶はあるべきだが、望んでもいない客人と仲良くしないといけないのが尚、気に食わない。


考えるだけでイライラしてくる。

とりあえず寝よう。

自己満プレイが何処まで続くかぜひ見守って欲しいです。。。

他の人のと比べて文章短いなぁ。頑張らないと。

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