現在にも伝わる英雄の話
これは、ある国の英雄の話.......
F256年
〜イストリア国内〜
このイストリアでは、ここ数年で劇的な近代化が進み、空には鳥だけが飛んでいたのが、人や乗り物、そして人工物が行き交いするようになった。周りから鳥や虫の鳴き声だけでなく、機械音や人の話す声が煩雑して聞こえてくる。そんな近代化の進んだ周りと比べて比較的大きな一軒家から声が聞こえてきた。
「おじいちゃん!なにかお話を聞かせて!」
一軒家のリビングにある近未来的なソファに座る髭が長く右目に明らかに何かで抉られたであろう傷跡のついた銀髪の老人に茶髪の少年が無邪気な目をして話しかけた。
「そうだね。今日は実際にあった【キャメロット家】の話でもしようか。キャメロット家といえば今のイストリア国の長のスピル、彼もキャメロット家の一族だよ。」
そう言って老人は当時の面影を残していない近未来的に発展したイストリアをぼんやりと眺めた。
「それは儂がまだ何事にも興味があった育ち盛りの頃、当時はこんなにもイストリアは発展していなかったよ。」
老人は懐かしみながら語り続ける。
【FamilyGuardian】
このイストリア国には古より続く高貴な一族が居た。キャメロット家だ。キャメロット家は普通の人間とは異なり、老化がとても遅く、身体能力がとても優れていた。また、圧倒的な頭脳と類まれなる才能を持っており、一族はその優れた能力を持っていたため、この国の王の様な存在を担ってきた。
儂がまだまだ若かった頃、当時のキャメロット家の当主はグロウ・キャメロット、彼が首都のアルタイルの街中で心理学の講義をしているのを日雇い労働をしている時に見たことあるが、彼は、暖かい海をそのまま写したかのような淡い青のロングの髪に、サファイアの様に可憐な目をした姿をしていて、さすがはキャメロット家の一族だと思ったよ。そして彼の講義は凄かったね。学の全然ない儂でも聞き入ってしまうくらいのタメになるような講義だったよ。
奥さんのミスカは外家の人でキャメロットの血を引いていないがサラリとした白髪のショート姿で何処かの王女様では無いかと思うくらいとても美人だったね。旦那のグロウと一緒に居るのを見る度に目を奪われていたね。彼女はほんとに美しかった。
その夫婦には3人の子供が居たのさ。
長男のリカルド・キャメロット、エメラルドグリーンの目と髪ではあったがお父さんそっくりだったよ。とても礼儀正しく優しい人だったよ。当時、庶民で泥まみれになりながら働いていた儂にも分け隔てなく挨拶をして、困ってることは無いかと親切にしてくれて、将来キャメロット家の当主になる。そんな器の青年だと思ったね。彼は若くして父のグロウに才能を買われて政の手伝いをしていたよ。その姿をよく見かけたね。
そして長女で双子の妹のラストル・キャメロット、彼女もさすがはキャメロット家の一族だけあって紫のショートの髪をした妖艶な子だったよ。彼女はちょっと内気な性格ではあったけど慣れてくると小悪魔のような性格も出てきて、よく初級魔法を隙を着いて撃ってくるイタズラをされたもんだよ。その度にシメシメとした顔でこっちを見てくるのさ。
最後に次男で双子の兄のスピル・キャメロット、彼が今のキャメロット家の当主でもあり、イストリアの長だ。彼と出会った時はボロボロの姿で分からなかったが、灰色の髪の毛に青と赤の目で彼もまたキャメロット家特有の出で立ちだったね。
なんで次男のスピルがキャメロット家を継いでいるのかって?特に家族仲が悪いわけではなかったさ。
まぁ、今のイストリアの長、スピル・キャメロット、彼がこのお話のメインさ。
この世界には魔法が使える者が居るのはもちろん知っているよね。生活に欠かせないものを魔法で作ってたりもするし、人工物や狩り、戦争、悪事、何から何まで今じゃ魔法が利用されてるさ。キャメロット家の一族の魔法はとても特殊な魔法が多かったね。スピルの魔法は上位魔法とは比にならない位に強力だな魔法を使っていたね。
まぁ強力、それ故にキャメロット家を妬む者も多かった。例えば、魔法の深淵を見ようとするものは深淵に1番近いであろうキャメロット家の一族が邪魔な存在である。他にも特殊な魔法を欲っして誘拐、殺人を平気で行う悪人どもがキャメロット家を例に漏らすことなく狙っていたさ。
そんなある日、キャメロット家同様に特殊な魔法を使えることの出来る複数人組がキャメロット家を襲撃したのさ。双子のスピルとラストルの誕生日パーティをやっていた最中の出来事だったみたいだね。
妹のラストルがケーキのロウソクの火を消すと同時に煙幕が撒かれ、煙幕が切れると同時に大爆発が起きた。キャメロット家の一族の城は今のイストリアの中心部にあったが、かなり離れた位置にいた儂にも爆音が聞こえたくらいだ。
そしてその日で、当時の当主であるグロウ・キャメロット、そして母、長男のリカルド、妹のラストルが消息不明になったのさ。
そこからがスピル・キャメロットと言う男の1ページが始まったね。
あ、こんな感じで頑張りますが、評価されないと思ってるんで、ほぼほぼ自己満で書いてます。。。