私を飼ってくれませんか?
僕の名前は、『廣﨑 幸喜』37歳、真面目なサラリーマンだった!
結婚もせず恋愛もせず、彼女も好きな人もいない!!!
コツコツと貯金を貯める事が趣味で、その為に働いてきたんだ!
・・・だけど?
お母さんが、認知症になり僕が母親の面倒をみる事になった、、、!
しょうがないのか? 僕は長男だし!
それに、母親の面倒をみるのは当たり前の事なのかもしれない!!!
僕が小学三年生の時に、お父さんは病気で亡くなっているしね!
お母さんが、女手一つで僕を育ててくれたから!
それもこれも、僕が今こうしてあるのは、お母さんのおかげだ、、、!!!
親孝行だと思って、僕はお母さんの面倒をみようと思ったのだけど、、、?
介護は? 想像以上に、大変だと感じたんだ、、、!
▽
僕は、仕事を辞めて実家で本格的に母親の面倒をみる事にしたんだよ!
【認知症】という病気は、、、?
どんどん記憶が失われていく病気だし!
何も覚えてない! 何度も同じことを話したり、僕が見てなければ
何度でも、お昼ご飯だと言って食べ続けるんだよ。
先、話した事さえ覚えてないんだから、、、。
『お母さん!先、その話したよ!』と僕が言うと、、、?
いきなり、キレて怒鳴り散らしたり暴力的になるんだ、、、!!!
あんなに、穏やかで優しい母親が鬼の形相で怒鳴る姿を見たら、、、?
僕は、急に涙が出てきてさ。
胸がキューッと痛くなったよ。
・・・本当に、僕はこのまま母親の面倒をみていけるのかな、、、?
▼
そんなある日、僕がスーパーに3日分の食材を買いに行った帰りに、、、。
20代前半ぐらいの女の子が、思い詰めた顔でフラフラしながら僕の前を
歩いててさ! 僕と通り過ぎる時に、僕の肩に彼女がぶつかって、、、。
『大丈夫ですか?』
『・・・・・・』
『しっかりしてください!』
『・・・・・・』
・・・そのまま、彼女は倒れてしまって僕は彼女を近くの病院に連れて行った
んだけど、、、?
『先生! 彼女は大丈夫なんですか?』
『まあ~貧血ですね! それと疲れが溜まっているみたいですよ!』
『・・・そうですか!』
『旦那さんですか? 奥さんの事、もっと大事にしてあげてください!』
『・・・い.いや? 僕は、そういうんじゃないんですけど、、、?』
『・・・・・・』
『もう、大丈夫ですよ! お大事に、、、!』
『・・・ははい、』
*
病院で、彼女と別れる時、、、。
『じゃあ、僕はここで!』
『・・・ちょっと待ってください! ・・・あのう、私を飼ってくれませんか?』
『えぇ!?』
『私! 何でもしますからお願いします! 私を貴方のところに置いてください!』
『・・・あぁ、本当に何でもしてくれるのかな?』
『えぇ!?』
『実は、、、? 僕は母親が認知症で、今一人で母親の面倒をみてて大変なんだ!
正直、介護疲れになりそうなんだ、、、! もし、、、? それでも良ければ!
僕の方が、君に家に来てほしいぐらいだよ!』
『・・・そうなんですか? 私でよければ! 是非!!!』
『ありがとう、じゃあ、荷物1つ持ってくれるかな?』
『もちろん!』
▽
僕は、彼女を飼う? いや、僕の家で一緒に母親の面倒をみてくれる彼女と
して生活することしたんだよ!
『お母さん! 今日は、朝トイレした?』
『・・・したよ!』
『取り敢えず、トイレに私と一緒に行きましょう!』
『・・・えぇ!』
*
彼女の名前は、“美咲さん”と言うらしい!
美咲さんは、まるで、、、元から僕たちの家族のように接してくれてね!
母親の事もしっかり面倒みてくれて、僕の理想の奥さんって感じの女の子
なんだよ!
もし、、、?
美咲さんが、僕の本当の奥さんだったらいいなって思うようになったんだ!
・・・でも、美咲さんは自分の話をしたがらないから、、、?
僕は、何も美咲さんの事を知らないんだ!
ただ、この生活がずっと続いてくれれば僕はいいと思っていたのだけど、、、?
*
そして、、、!
1年ほど経った今日、、、。
僕が朝、目を覚ますと、、、?
テーブルに、母親が座って朝ご飯を食べていたんだ、、、!
『おーい! 美咲さん! 何処にいるんだい?』
・・・母親が僕に何も言わず、白い紙を僕に手渡してきた!
『お母さん! これ何?』
僕は、その紙を開くと、、、?
美咲さんの字でこう書かれていたんだよ!
『今までありがとう! 幸喜さん、ごめんね! 勝手に私は今日、この家を
出ていく事に決めました! これ以上は、私のワガママでココにいる事はで
きません!!! ココにいた1年間は、とっても幸せでした。本当にありが
とう! ワガママな私を許してください! さようなら、美咲。』
『えぇ!? 出て行ってしまったのか、、、!?』
・・・また、僕は認知症の母親と二人きりの生活が始まったんだ。
でも? どうして、、、美咲さんは、出て行ってしまったのかな?
最後までお読みいただきありがとうございます。