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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第四章 水の惑星Ⅱ

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92 もう弱いやつと戦うの うんざりなの

 パウリーネは、そんなルカイヤに気付くこともなく、もう、次の画面を見ていた。

 「なになに、『通称坊っちゃん、正式名称不明』。『ビル・エル・ハルマート』と『アクア3(スリー)』で0.5ずつ。合計一名か。あ、レーザーブラスター使いか。あんまり興味ないな~。あたし、ショタじゃないし……」


 「……」


 「やっぱ、相手はレーザーセイバー使いじゃないとね。どれどれ、『ラティーファ・ラフマーン』? あれ? この()、なんか雰囲気がルカイヤちゃんに似ているね」


 「!」


 「あ、『ビル・エル・ハルマート』出身じゃん。ルカイヤちゃんと同郷だよ。知ってる子?」


 ルカイヤは冷静を装って答える。

 「さあ、私は『ビル・エル・ハルマート』は大空襲の後六歳で離れた身なので、詳しいことは分からないんですよ」


 「ふーん」

 パウリーネはもう関心を失ったようだった。


 だが、ルカイヤの風貌は明らかに『ビル・エル・ハルマート』出身者のそれだ。


 褐色の肌、パウリーネの金髪と対をなすような銀髪。


 ラティーファとの最大の相違点は、ラティーファが170超えのモデル体型なのに対し、ルカイヤは150あるかどうかの身長しかない。


 しかし、体つきは筋肉質で、非常に俊敏だ。


 そうでなければ、パウリーネの秘書は務まらない。



 ◇◇◇



 データの確認を終えたパウリーネはルカイヤに告げた。


 「やっぱさ~。この『旦那(だん)さん』て奴がいい。段取りつけて」


 「それは先程も申し上げましたが、本部が決めることです」


 「そこを何とかするのが、『敏腕美人秘書』の真価発揮じゃーん」


 「お言葉ですが、私のことを『敏腕美人秘書』と呼ぶのはパウリーネ様だけです。今までも、パウリーネ様の要望実現に尽力してきたおかげで、私は本部からは『ゴリ押し秘書』と呼ばれています」


 「おねがーい、ルカイヤちゃんっ。この通りっ、もう弱い奴と戦うのうんざりなの」


 パウリーネはおもむろに背のレーザーセイバーを抜刀した。


 それは一ルクスの光も発してない。


 「ふうっ」

 ルカイヤは小さな溜息をつくと、おもむろに入力を再開した。


 「何とかやってみますが、あまり、期待しないで下さいよ」


 「さーすが、ルカイヤちゃん。愛してるーっ、結婚しようねー」


 ルカイヤは黙って下を向いた。



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