表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第三章 水の惑星Ⅰ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/230

89 リア充爆発しろ です

 「シナンさん」


 シナンが振り向くと、そこには笑顔のエウフェミアが立っていた。


 「ごめん。エウフェミアちゃん。ちょっと、今の僕、ダウナー系かも」


 「ラティーファさんのこと。結構、本気で好きだったんですか?」


 「まあね。初恋だったんだ。でも、ああまで、見せつけられると、さすがの僕も轟沈ですぅー」


 「そうかぁ、じゃあ、あたしもワンチャンありかな?」


 「へ?」

 思わずエウフェミアの顔を見つめるシナン。


 「ラティーファさんは大事な友達だし、彼女がシナンさん選ぶなら、仕方ないかなと思ってたんです。でも、そうじゃないなら・・・」



 ◇◇◇



 「!」


 「あたしにもチャンスありますよね? 特定の彼女いないんでしょ?」


 「う、うん」

 シナンは圧倒された。典型的な攻めるに強く、守るに弱いタイプだったようだ。


 「良かったっ~。あたし、もうすぐ二十歳になるんですよ。誕生祝においしいお酒が飲める店、連れてって貰えませんか?後、勉強も教えて下さい」


 「う、うん」

 シナンはエウフェミアに手を引かれ、歩いて行った。



 ◇◇◇



 「あれ?」

 アナベルは思わず周りを見回した。


 ふと気が付けば、誰もいない。


 「ん? ん? ん?」

 よく見たら、司会者席のシラネが書類を片付けていたが、あれは既婚者だ。しかも新婚だ。


 (ああっ、畜生。こんな時は何て言うんでしたっけ。そうそう、「どいつもこいつもいちゃつきやがって」です。あ、もう一つありました。「リア充爆発しろ」です)



 ◇◇◇



 「学術研究惑星」にある「星間警察」の支部は慌ただしかった。


 明日には同じ星系の「副都心惑星」で「偵察局」との「洗脳機関」合同対策会議が開催される。


 「偵察局」サイドからは「ビル・エル・ハルマート」と「アクア3(スリー)」での事例が情報提供される。


 それに対し、「星間警察」サイドは「学術研究惑星」での事例が情報提供されることになっている。


 この場合、最大のポイントとなり得るのは、逮捕した「洗脳機関」の幹部三名の供述だ。


 当初、三名は供述を頑なに拒んだ。


 あれだけの数の廃人を出しただけで、極刑は免れにくい。


 百歩譲って極刑を免れたとしても、「洗脳機関」の刺客に狙われる身となる。


 「星間警察職員」は二つの条件を挙げ、根気よく説得を続けた。


 一つ目は「司法取引」による極刑の回避。


 二つ目は「星間警察」の護衛による身の安全の保障である。


 ここへ来て、ようやく「洗脳機関」の幹部も態度を軟化させてきた。


 「もう一歩だ」と言えるところまで来たのである。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ