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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第三章 水の惑星Ⅰ

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71 トーシローだな

 個室からは老若男女数多くの人は全て救出された。


 既に狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)化してしまった者は、連れ出されてしまっていたようで、一行を攻撃する者はなく、みな救出を喜んでいた。


 だが、その中にエウフロシネの姿はなかった。


 狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)化してしまった者や正規兵になった者は、更に奥の部屋に連れて行かれると聞かされ、エウフェミアの心は曇った。


 「いや……」

 シナンは話した。


 「エウフェミアちゃんの妹さんの場合、敵からすると『大事な人質』だ。そういった意味で奥の部屋に連れて行かれた可能性が大きいと思う」


 「そうですね」

 エウフェミアは(うなず)いた。

 

 奥には「学術研究惑星」の施設と同様、分厚い鉄扉が待ち構えていた。



 ◇◇◇



 シナンとラティーファは(うなず)き合った。


 シナンはレーザーガンの出力を最弱よりやや強く調整すると、ドアノブを狙って撃った。


 ドアノブの周辺に小さな穴が開き、ラティーファはゆっくりと扉を開いた。


 扉の先には右手にレーザーセイバーを下げた黒づくめの敵の指揮官(コマンダー)が一人待ち構えていた。



 ◇◇◇



 「星間警察職員」と「偵察局員」は一斉に射撃する。


 敵の指揮官(コマンダー)がレーザーセイバーを一閃すると、銃弾はたちどころに蒸発する。


 坊っちゃんはレーザーブラスターを放つが、回避される。


 (やはり、何か隙を作らないと駄目か)

 坊っちゃんは、内心(うな)った。


 「どうした?」

 敵の指揮官(コマンダー)が冷たい声を発する。


 「レーザーセイバーを持っている奴がいるんじゃないのか? 出てこないのか」


 ラティーファとアナベルは顔を見合わせる。


 だが、やがて、ラティーファは、意を決したかのように前に向かい歩き出す。


 「あ」

 アナベルは小さい声を発した。


 ラティーファは、敵の指揮官(コマンダー)と相対すると、レーザーセイバーを中段に構える。



 ◇◇◇



 「素人(トーシロー)だな」

 敵の指揮官(コマンダー)の口調は冷たいままだ。


 「お望み通り相手してやるわ。但し……」

 ラティーファのレーザーセイバーを握る手に力が入る。


 「エウフロシネちゃんを返して貰わないとね」


 「エウフロシネ?あの『人質』のガキか。返してほしいってんなら、この奥にいるから行ってみろ。但し……」


 「取り戻せるって言うんならな。まあ、取り戻したいと言ったところで、もう、狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)になっちまっているかもしれんがな」

 

 敵の指揮官(コマンダー)は冷笑する。


 エウフェミアは体から血の気が失せて行くのを感じた。




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