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チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第三章 水の惑星Ⅰ

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60 俺には、絶対当たんないの

 「ぬぉっ」


 さすがの荒くれ海の男たちも初めて見る狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)に衝撃を受ける。


 だが、坊っちゃんが冷静に指示を出す。

 「みなさん。あわてないで。あいつらの頭を狙ってください」


 そう言うと、坊っちゃんは、瞬く間の早撃ちで、一気に四人の狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)を倒して見せる。


 「うおおおおおおおーっ!」

 荒くれ海の男たちは大歓声を上げる。


 「おめえらっ、見たかっ! 坊っちゃんのやったようにやるんだっ!」

 ティモンの号令に、荒くれ海の男たちは射撃を開始する。



 ◇◇◇



 荒くれ海の男たちの猛烈な射撃に、先鋒の狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)は崩れかかる。


 敵は後方にいる正規兵の部隊が前進させ、射撃を開始させる。


 もちろん、前方に位置する狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)弾丸(たま)が当たることは全く問題にしていない。


 むしろ、後方からの射撃で、腕や足が吹き飛んでも、前進を止めない狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)を見せつけて、相手方に恐怖感を与えることを狙う。


 そして、それは一定の効果があった。



 ◇◇◇



 「うぉっ!」

 「なっ、なんなんだ? あいつら」


 前進を止めない狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)に気圧され、荒くれ海の男たちの射撃が止まる。


 崩れかかった狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)の部隊は立て直しに成功する。


 しかし、それは長く続かない。


 「みなさん、あれはこけおどしですっ! 痛覚がないだけですっ! 腕や足がなくなったからと言って、戦闘力が増す訳じゃあないっ!」

 そう叫びながらの早撃ちで、坊っちゃんは更に四人を倒す。

 

 「おめえらっ、聞いたなっ! 坊っちゃんは他の惑星(ほし)でも、あいつらを退治されたそうだっ! ひるまず、頭を狙えっ!」

 ティモンの檄に、荒くれ海の男たちの士気も上がる。


 「おおりゃあぁぁ~っ!」

 「だああああああ~っ!」


 「うおおおおっ、こいつぁ、負けてらんねぇぜぃっ」

 旦那(だん)さんが、レーザーセイバー片手に前に飛び出す。



 ◇◇◇



 「うぉーいっ、旦那(だん)さん、そこにいたんじゃ俺らが撃った弾丸(たま)が当たるぜい」

 荒くれ海の男たちは、心配して声をかける。


 「だいじょーぶっ!」

 旦那(だん)さんは、荒くれ海の男たちに背を向けたまま、左手でVサインをして見せる。


 「俺には、味方の弾丸(たま)は絶対当たんないの。試しに、そのまま敵の頭狙って撃ってみ」


 「いいのかよ。本当に」

 荒くれ海の男たちに、言われるままに、射撃する。


 すると、弾丸(たま)は不思議と旦那(だん)さんを避けて飛び、敵には命中する。


 「おおっ、すげぇっ、本当だぜっ!」

 「よーしっ! 撃て撃て撃ちまくれっ!」

 荒くれ海の男たちの士気は、更に上がる。


 実際には、旦那(だん)さんは高速で回避運動を行っているのだが、素人目には弾丸(たま)の方が避けて飛んでいるように見える。


 更に旦那(だん)さんは、レーザーセイバーを旋回し始める。


 味方の撃った弾丸(たま)は敵に届くが、敵の撃った弾丸(たま)旦那(だん)さんが蒸発させる。


 一方的なアウトレンジ攻撃に、敵の先鋒狂信的(ファナティカリー)暗殺者(アサシン)は潰滅。

敵の第二陣正規兵部隊もじわじわと後退する。


 「そろそろ、出ねばならぬな」

 船内に待機していた敵の指揮官(コマンダー)は座席を立った。





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