229 最終章エピローグ
「でも、やっぱり医師の再診断で以前のように戦場で一騎打ちするのは無理な身体になったというので、この惑星で『肉食魚』狩りをして、生活していくことになったの」
「旦那さんが戦場で戦えなくなったと聞いて、パウリーネ偵察局長は痛々しい程、落胆していましたよ」
「唯一のライバルと認めていたからね。でも、あたしはホッとした。『肉食魚』狩りも危険と言えば、危険だけど、戦場の命のやりとりを思えばね」
「そういえば……あっ」
話していたアナベルの眼にレーザーセイバーと魚を入れたビニール袋を持った旦那さんが帰って来る姿が映った。
「あっ、お父さんが帰って来た」
「何か魚持ってるよ」
「お父さん、お父さん」
三つ子の娘が旦那さんに駆け寄って行く。
「お父さん、おかえりー」
「あ、ただいま。ダコリ、イキツ、タチキ」
「また、お父さん、あたしたちの名前間違えてるよ。タゴリ、タギツ、イチキだよー」
「あっ、そうだっけ」
三つ子たちは大笑いした。
「旦那さん、お久しぶりです」
アナベルは挨拶した。
オキニィは黙って頭を下げた。
「お久しぶり。えーと」
旦那さんは頭を搔いて言った。
「誰だっけ?」
アナベルとオキニィはずっこけた。
ラティーファは爆笑した。
「こういう人なんだよ。旦那さんは」
チャージオン 完
砂礫零様からいただいたFAです。三つ子の娘の五年後。ありがとうございました。
 




