194 ふっ 戦えるのは私だけですね
そして、アナベルの背筋に寒気が走った。
後方から強い者の気配を感じたのだ。
(まさか? 挟撃?)
ペア2つは前方の「狂信的暗殺者」の大群に釘付けにされている。
(ふっ、戦えるのは私だけですね)
アナベルはレーザーセイバーを握り直した。
◇◇◇
後方から迫る強い影は3つ。仮面を装着しており、素顔は見えない。
1つが先行し、急速に接近してくる。
残りの2つは距離をとって、ゆっくりと接近して来る。
(恐らく…… 急速に近づくのはレーザーセイバー使い。後ろの2つはレーザーブラスター使いか、もしくは他の銃器、火砲を使う……)
アナベルは敵の動きを読む。
(最強レベルではないですが、そこそこ強い。あたしと同レベルといったところですね)
(一対三。後方の狙撃を回避しながら、ほぼ同等能力を持つレーザーセイバー使いを倒す。ふっ、やるしかないですね)
◇◇◇
アナベルは自分の体を守るように縦にレーザーセイバーを構える。
そこへ急速に接近した黒い影がレーザーセイバーの斬撃を加える。
八方へ光が飛び散る。
斬撃をしっかりと受け止めたアナベルに間髪を置かず、二撃三撃が襲う。
アナベルはそれをも受け止める。うっすらと汗が滲む。
後方の二人は静観している。銃撃する意図はないようだ。
◇◇◇
不意に相手がレーザーセイバーを右手の斜め下に下げる。
「アナベルさん。強くなりましたね」
相手のレーザーセイバー使いは自らの仮面を取り外す。
「ラティーファさん。何ですかもうっ、いきなりっ、焦るじゃないですか」




