表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チャージオン~光らせたい男と不器用な女のお話  作者: 水渕成分
第五章 要塞惑星

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

189/230

189 口の悪い人ってやあねぇ

 「さあて、あたしはまだまだ平気だが、うちの乗員が大変だ。そろそろ、撃墜してちょうだいよ」


 シラネのその言葉に応えるかのように、味方戦闘機が1機敵戦闘機を撃墜する。


 「よっしゃあ~、これで数的優位に立った~」


 その言葉どおり、味方戦闘機は敵戦闘機を追い詰め始め、遂には3機全てを撃墜した。


 翼を振って、おとりになったことへの感謝を示す味方戦闘機をシラネは怒鳴る。

 「どアホウっ! そんなことしてる暇があったら、敵の対空砲を完全に黙らせろっ!」


 「まあ、口の悪い方ってやあねぇ」

 旦那(だん)さんは隣の坊っちゃんに話しかける。


 思わず苦笑する坊っちゃん。


 「兄貴~、聞こえたぞ。後で覚えてろっ!」


 「記憶にございません」


 「てんめぇ~、ぶっ殺すっ!」


 (不思議だ。この兄妹といると恐怖や不安が消えて、何とかなるような気がしてきてしまう)

 アナベルはふとそんな気持ちになった。



 ◇◇◇



 そうは言っても敵の対空砲火を完全に沈黙させることは難しい。


 対空砲火をものともしない戦闘員。すなわち、旦那(だん)さん、坊っちゃん、シラネ、そして、ルカイヤの4名が先行して、空挺降下して、宙港を制圧する。


 輸送機は宙港制圧後、そこに着陸する。


 「これで行く」

 シラネの説明にアナベルが手を上げた。


 「ちょっと待って下さい。私も行きたいです」


 「!」

 シラネはアナベルの真っ直ぐな視線に目を向けた。

 「アナベルちゃん。本当に大丈夫か?」


 「はいっ」

 アナベルは直立不動のまま、力強く答えた。


 「よしっ、5人で行くっ」

 シラネの新宣言に今度はオキニィが手を上げた。


 「僕も行きたいです」


 「ふむ」

 シラネは少し考えた後、回答した。


 「オキニィの意欲は嬉しく思う。だが、対空砲火を完全に沈黙させることが出来ない以上、どうしても、優秀な操縦士は必要だ。あたしが空挺降下する以上、それはオキニィしかいない。すまんが頼む」


 「そうですか……」

 オキニィは見るからに意気消沈した。


 (全くアナベルちゃんに気があること、分かりやす過ぎなんだよな)

 シラネはすぐにオキニィに耳打ちした。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ