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175 前回は前回 今回は今回

 アナベルとオキニィ一行を乗せた輸送機は惑星「ウィルツ」にゆっくりと着陸した。


 「地元警察」は恐る恐るアナベルとオキニィを出迎えた。


 何しろ前回は内部に「洗脳機関」への内通者がいて、負傷させた二人が来たのである。


 「あ、いや、前回は大変ご迷惑をおかけして……」

 口ごもるように話す警察署長にアナベルは笑顔で対応する。


 「お気になさらないでください。前回は前回。今回は今回ですから」


 「……」

 その言葉に警察署長は更に恐縮してしまったようで、次の言葉が出てこない。

 アナベルは笑顔で続ける。


 「時間が惜しいです。『洗脳機関』の活動状況をご教示いただけませんか?」


 警察署長は具体的な仕事の方に話の舵が切られたことに、少し安堵し、再び、口を開いた。

 「はっ、はい。今回、『偵察機関』の活動らしきものが認められたのは、市街地から西南西50kmほど離れた森林内です」


 「随分と今回は市街地から離れたところに設営したんですね。悩んでいる市民を勧誘して、洗脳するという趣旨からすると違うようですが……」


 「市街地に拠点設営すると、勧誘はしやすいですが、治安機関からも見つけられやすいということを懸念したものかと思われます」


 (確かにそうです。今までの事例から考えると、警察署長の推測は当たっているでしょう)


 「その拠点に行く街道は整備されているのですか?」


 「途中までは幹線道路が通っているのですが、拠点までは5kmほど車両1台がやっと通れる道しかありません」


 (ふうむ。今回は防衛重視で来ましたか、でも……)


 「それでは、拠点への物資の搬入も不便でしょうに」


 「それが、深夜、垂直離着陸航宙機らしきものが発着しているのが、幹線道路をたまたま通った車両から目撃されています」


 「!」

 (多分、「銀河連邦」製の「フォージャー」ですね。繋がりました)


 「他に市民から家族が帰って来ない等の通報は?」


 「それはお恥ずかしい話ですが、かなりの件数来ています。それで、『星間警察』を通じて、『偵察局』にお願いした次第で……」


 「よい判断だと思います。更に市民をテロリズムに巻き込まないようにするのは重要なことです」


 (ピースは揃いました。「洗脳機関」の仕業に間違いないでしょう。さて……)


  

  



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