174 あの二人がいるってバレバレです
ルカイヤが「偵察局」に「戦闘員養成教程」を導入してから、レーザーセイバー使いとレーザーブラスター使いは質量とも急速に増強された。
今回、惑星「ウィルツ」に赴くのはレーザーセーバー使いがアナベルを入れて五名、レーザーブラスター使いはサイボーグ化によりレーザーセーバー使いから転身したオキニィを入れた十名という陣容である。
但し、アナベルとオキニィ以外はいわゆる「初陣」であった。
「私は、前回は『地元警察』を信用して、痛い目みましたからね。今回はあてにしなくても、いける陣容です」
「まあ、ルカイヤさんが言うには『地元警察』に内通者を作れたのはルカイヤさんが作戦担当だったからで、他の『洗脳機関』にはそんなことが出来る者はいませんと言ってましたが」
「それにしても、ふふっ、ふふふふ」
不意に笑いだすアナベルにオキニィも笑い出す。
「あ、アナベルさんも気が付きました?」
「偵察局長は今回は私とオキニィさんの二人でやること、ピンチになっても旦那さんと坊っちゃんは救援に行かないから覚悟しておくようにって言ったけど……」
「近くの星系にあんなに強い気配を放つ航宙機が哨戒してたら、あの二人がいるってバレバレですよ」
「きっと私たちを育てたいけど、心配でって、どっかのお父さんみたいですね」
「ははは。『おとうさんは心配性』ですか?」
「でもね。こうも思うんです。私たちだけでやってみせて、偵察局長に『こんなことなら、旦那と坊っちゃんには他の仕事をやらせれとけばよかった』と思わせたいなって」
「そうですね。そうしましょう」