表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/22

神様、初めての人間世界!

神と共に帝国へ行くことになった俺たちは、この時すでに波瀾万丈の予感しかしなかった。


「帝国に行く前に念を押すけど、くれぐれも人間を虫けらのように扱わないように。それとあくまで俺たちは仲間、これからは友人として接するので神様も・・・違った、彼方もそのつもりで!」


(あぁ、問題ない)


「あー、もう!その言葉使いがすでに問題なんだよ。もうちょっと、こう、普通の言い方とか出来ないわけ?

直音も何とか言ってくれよ(笑)」


「お二人とも、この先は何が起こるか分かりません。特に彼方さんの正体がバレないように注意しないと・・・」


(人間どもは神の存在など信じまい。お前たちと同郷の人間と言うことで問題なかろう)


「それなら、彼方と俺は遠縁で、初めて帝都見物に来た田舎者。こんな設定でひとまずは問題ないはず(笑)」


「大将さん、どうして問題ないのですか?」

「田舎者は疎いと相場は決まってるから、彼方のおかしな言動も説明しやすいだろ?」


「そんなに上手くいきますかね?大将さん!」

「うーん。まさに、神頼みかな(笑)」


◇◆◇◆


打ち合わせも程々に、俺たちは神の瞬間移動で帝国に戻った。


「彼方、帝国へようこそ!感想は?それで、先ずはどこに向かう?」


(負の感情に満ちてるな。先ずは普通の人間が見たい)


「うーん、俺たち普通の人間じゃないのかい?まあいいや、取り敢えず帝都に行ってみよう。あそこなら普通の人間、普通じゃない人間と色々いるから一石二鳥だ。それと、ここで転移でもして人目につくと面倒だ。時間は掛かるかもしれないが歩いて向かおう」


「大将さん、その前に寄り道しても良いですか?」

「近いのかい?」

「ここからなら歩いてすぐです」


俺たちは直音の寄り道に付き合うことにした。


◇◆◇◆


「着きました、ここです」


寄り道の行き先がこんな町外れの荒れ地だったとは驚きだ。それより、直音の様子がおかしい。何やら虚ろな表情だ。何かにとりつかれでもしたのか?


「ここが直音の目的地かい?」

ただ目の前に大きめの石が転がるだけで、他には何もなかった。


「ずっと来れなかったのです・・両親と妹の元に」


涙を浮かべた直音に俺は掛ける言葉が見つからなかった。きっと、あの石は両親たちの墓標だろう。


(さぞ、無念であろうな。私からの手向けだ)


神の奇跡で、立派な墓石と鮮やかな花で飾られた霊廟に生まれ変わった。


「彼方さん、こんな立派なお墓をありがとうございます。神様にお墓を授かるなんて、天国の両親もきっと喜んでます」


(人間が入れぬよう結界も施した。安心しろ)


直音は墓前で泣きながら、そして囁いた。


「さようなら、みんな。いつかまた会うその日まで」


神が帝国で最初に見たものは直音の両親たちの墓標だった。


そして知ることになる、帝国の深き闇を。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ