黒多めの彼女
喪失感で自殺したくなるがそれを抑え、帰ろうとした時。僕がいた食堂が暗くなる。
「ちょ...なんだよ..計画停電?」
思わずアホな事を言ってしまったが状況を整理する。何かが割れる音がしたからきっとシャンデリアが割れたのだろう。落ち着いだが体は動かない。立ち尽くしてしまう。めちゃくちゃビビってる。ようやく動けそうになった瞬間僕の両頬に切り込みが入り血が吹き出る。突然の事に驚いたけど、今度は反射的におのを振り回しながら振り向く、という事に成功する。手応えはない。状況を整理したかったが、今度は腹を思い切り押されて後ろに倒れ込んでしまう。
「げっふぉ..おいやめろよ!」
さっきのは絶対誰かがやったな。そう確信できたから思わず叫んでしまう。反応はない、代わりに青白い光が目の前に灯る。懐中電灯の様だ。それを持っていたのは1人の女性、背が高く長い黒髪をたなびかせている。黒いワンピースをきてその上からタクティカルベストを着ている。どっちも黒だからわかりづらいが異様な格好だ。しかしもっと異様なのは左手で懐中電灯を持って、右手には大きめなサバイバルナイフをもって僕に向けている。そして僕に喋りかける。
「手をあげろ。あと口の聞き方にきをつけろ。」
いやお前が蹴った腹が痛すぎて手が上がらねえっての。