食人鬼のうぬぼれ
結論から言うと、ぼくは今めちゃくちゃ可愛かった。特徴のない顔をしていることも相まって、いつの間にか茶髪ショートボブになっている髪の毛も助けて、うっすらだけど存在感はあるメイクも重なって惚れそうだ。(自分だけど)華奢な体つきにミニスカポリスとか言う謎の組み合わせも性欲を奮い立たせる。(自分だけど)と、ここで疑問点。ぼくはここにくる前背広着てた気がする。というか、絶対着てた。という事を切口に問い詰めると、
「ああ、事故って落ちて地面に落下した後も俺結構意識あったんだよ。んで、お前気絶してるから仕方なく着せてやったんだよ。この短小が。衣装もお前のチビな身長に合うやつはそれしかなかったし、これなんだけどさ。あ、ちなみに丁度お前の着替え終わった後俺も気絶してたわ。」
まずなんで女装させたし、と聞いても面白そうだから、としか言われないだろうし、163センチを馬鹿にするな、と言っても175くらいある相手になにをいっても効かないだろうし、あと短小は聞き捨てならないがそれはいいとして。
なんで切口は気絶したんだ?この監獄の持ち主がやったのか?なんで?とかなんとか知っても余り意味のない事を考えていたら銃を持っている男が鉄格子の扉の前に立った。なんか銃持ってる人多くね?無地のTシャツに茶色の短パンというこれまたなんとも言えないファッションの男はしばらくこっちを見ていたが突然口を開く。
「おい。そっちの女。こい。」
そういって監獄の扉を開けた。
切口は服こそ黒ワンピースだが金髪を縦に伸ばす、という髪型だ。何をどういったってこいつは男だ。
となると僕をよんでるのか。幸い今は頭が冴えている。きっとこいつは看守で今から僕を犯すんじゃないかな。しかし全く、俺も男だってのに、まあ可愛いけどさ。
僕が扉から外に出ると看守は扉をしめ、鍵をかけた。切口は抵抗する気も外に出る気もないのか、はたまた僕に期待してるのか全く動かなかった。じゃあ、いっちょ頑張るかな。ミニスカポリスだけど。