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騎士になりたい男

アスダム王国は三重の城壁に囲まれた城塞都市である。中心から王族、貴族、平民と居住地が異なっている。それ以外の身分、例えば冒険者や傭兵等は都市の外周部分に住むしかない。しかし割りと安全に暮らせている。



不健康そうな顔つきの男が疲れたように座ってる。


彼はオーランドという。二十八歳。くすんだ髪と瞳は茶色である。


ろくに情報を調べずに騎士になりたいという思いだけで農村から出てきたので途方に暮れていた。


城塞都市に入るには、第一の城壁で税金を払わなければならない。具体的には銀貨三枚である。


日雇いの賃金が銅貨十枚。銀貨一枚で銅貨百枚だから一ヶ月働けば銀貨三枚は貯まる。勿論食費などに消えていくため半年位は働きづめることになるが…


オーランドは『ステータス』と念じ、自分について確認してみる。


ステータス

名前 オーランド

職業 農夫Lv5 冒険者Lv1

装備 錆びた剣

スキル 『ステータス』

道具 無し


先日冒険者ギルドで『冒険者』になったオーランドは、スキル『ステータス』を使えるようになっていた。これは自分の能力を確認出来るスキルである。


とりあえずギルドで依頼を受けて金を稼ぐことにしよう。



「いらっしゃいませ~」


「どーも」


ギルドの受付嬢がオーランドを迎える。営業用の笑顔を浮かべていた。店内には何とも言えない音楽が流れている。『吟遊詩人』でもいるのだろうか。


「何かいい仕事ある?」


「そーですね……

ちなみに冒険者Lvはいくらですか?」


「1だけど。」


「それなら薬草摘みがおすすめですよ。」


「じゃあそれで。それと、ついでに聞いてもいいかな。」


「何でしょうか。」


「『騎士』になるにはどうしたらいい?」


「それなら、この『騎士解説本』はどうでしょうか!」


受付嬢は紙の束を取り出して言った。どうやらこれが本らしい。


「あ、俺は字が読めないんで…いいです…」


しかも何だか高そうだしな…


「ちっ、無学者め…」


くそ。コイツムカつくな。



ぷちぷちぷちぷち


薬草と思わしき植物をむしって袋に入れていく。数打ちゃ当たるはずだ。


――

―――


「雑草ですね。」


「…そうですか」


「『薬草辞典』いります?」


「…はい。」










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