第74話:赤狼の咆哮と逃れ得ぬ運命
「ここがラスボスの本拠地なのかな。バッド・バルデスって名前は聞いたけど」
ヘルゲートを守るロボポリスは強敵だったが、ダストフランケンすら撃破したパーティの敵ではなかった。BSコントローラーでも見られる、山に囲まれた巨大な人工物。砲撃の嵐を抜けてたどり着いた基地の扉は硬く閉ざされていた。ロックハッカーも通用しない。
しばらくうろうろしたり、パラメータを確認したりする。戦歴データの空欄は、未だに情報すら無いミスターカミカゼ、後回しにすると決めたゴメス、そしてラスボスらしきバッド・バルデスで全てだと思われる。
建物をぐるりと回っても入れる場所はない。裏の扉もやはり固く閉ざされていた。ここで過去のボス戦を思い出す。ムカデロンと戦う時、ひびの入った壁を砲撃して道を作らなかったか……? 入口近くにひび割れを発見。調べてみると、見事に砲撃で風穴を開けることに成功した。
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内部は人骨が散らばる不気味な空間。しかしコンピュータやエレベーターは生きている。4つのパスワードを集めて中央のロックを外すのがひとまずの目的のようだ。敵は強いが、勝てないほどではない。各階のコンピュータやメモ帳からパスワードを集めていく。
この基地はどうやら敵のアジトとは少し違うようだ。地球環境保護のために設立されたもので、各フロアには実験の痕跡が見える。生態系シミュレータらしき物体には絶滅の文字。地球のために作られたスーパーコンピュータ「ノア」が、人類に牙を剥いた……。生存者はもはや誰一人としていないようだった。
外に向かって設置されている大砲に近づくと戦闘発生。懐かしのビックキャノンではないか。強さは変わっていないようで、今の実力では簡単に破壊可能。全て壊せば、外の砲撃が止まるようだ。4つ目のレンズである太陽のレンズを見つけたことだし、一度引き換えして出直すことにする。
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さらに強化されたレーザーバズーカを携えて、ヘルゲートの向こう側を探索。マップの北西の隅にある洞窟では大量のバズーカドッグが襲ってくる。それなりに強いが経験値がおいしく、レベルががんがん上っていく。
そして、バルデスとやらのアジトはここのようだった。ウルフの恋人であるニーナの無事を確認! やはりゴメスのイベントを後回しにしておいて正解だったかも知れない。これでウルフ生存の可能性が出てきた。
バルデスと対面するには戦車から降りる必要があるようなので、一旦引き返してレンタルタンクで突入する(これなら全滅しても戦車を回収しなくていい。バズーカドッグの経験値を無駄にしたくないからね)。世界最強を名乗るバッド・バルデス、強いことは強いのだろうが所詮は人間、さほど苦労もせずに、イングリのレーザーバズーカで仕留める。
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今の段階ではニーナと会話してもイベントが進まないようだ。先にゴメスを始末する必要があるのかも知れない。改めて奴のアジトに乗り込むと、相変わらず猿芝居に引っかかってウルフが死亡する。そもそも主人公が話しかけられないので、伝えるタイミングすらないようだ。
僕はたまらず、インターネットで「メタルマックス ウルフ 生存」と検索してみることにした。どうやらイベントの順番を変えても彼の運命は変えられないらしい。イベント自体を起こさないままにすることはできるようだが……。
僕はゲームをコンプリートするために、運命の歯車を動かすことを選んだ。そして、理不尽なイベントに対する怒りの鉄槌をゴメスに振り下ろした。この世界では強くなければ生きられないが、強さだけでは手に入らないものだって、いくらでもあるのだろう。




