第66話:それぞれの恋の過去と未来
「ところでさ、ソウタ」
「ん?」
「球技祭のフォークダンスのときのことなんだけど……」
そろそろ帰宅するというソウタに、気になっていた質問をぶつけてみた。
「ああ、部活が隣だからよく話すようになって……。タケルにも言っておけばよかったんだけど、ちょっと恥ずかしくてな」
照れくさそうに口を開き、名前を口にした。僕たちとは幼稚園の頃から一緒だった女子の名前だ。ソウタは迷った末にテニス部に入ったので、隣のコートで練習している女子テニス部の彼女と話す機会が増えたのだという。
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「俺さ、実はお前に遠慮してたんだよね」
「遠慮? なんでまた」
「ほら、昔からタケルと仲良かったじゃん。今でも好きなのかなって」
確かに昔はよく遊んだ。おままごとで夫婦役をしたこともある。しかし小学校に上がると同性の友達と遊ぶことも増え、クラス替えなどで離れたりするとほとんど接点が無くなっていった。実際、彼女と最後に話したのは小学校の卒業式だったような気がする。
「確かに昔は何となく好きだったけど、それは単に身近にいた女子だったからかな」
それは、おそらくソウタが彼女に抱いていた感情でもあるのだろう。しかし中学生になって、改めて今の自分同士で向き合うことで気が合うということもあるはずだ。
「そしたら、ハルキからお前と日々木さんのことを聞いたから、思い切って……な」
「そっか、おめでとう」
「まあ、まだダンスで手を繋いだくらいだけどな! お祭りデートみたいなのやってみたいなぁ。次は夏休みの花火大会か……」
神社のお祭りと同様に、花火大会も3年ぶりの開催となる。人混みの中で、フミさんの手を引いて歩くのを想像する。顔が熱くなってくる気がした。
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「じゃ、そろそろ帰るからな。……大事にしろよ」
「ソウタもね」
「また、いつでもいらっしゃい」
玄関先で見送る。母も台所仕事を止めて、顔を出してあいさつをした。
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「ねえ、ソウタくんと何話してたの?」
「ま、色々とね」
それだけ言うと、母は微笑んでキッチンへと戻っていった。
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「それにしても、男臭いゲームだよなぁ」
あらためて部屋に戻ってメタルマックスをプレイする。パーティメンバーは男2人に女1人だが、ロマンスの気配もない。レッドウルフとソルジャー女の絡みはあったが恋愛とは程遠い。少年と少女の淡い恋を描いたMOTHERとは大違いだ。
あとはビル爆破の男は理由は知らないが妻を追っているようだし、踊り子のナナに逃げられた男がユゲにいたり、「捨てられた男」が妙に印象的だ。シナリオライターはちょうど女性に振られたりでもしたのだろうか。
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さて、イーデンの南には、おそらく東京タワー方面に通じるであろう地下鉄跡があるが、まだ装備が不安なので後回しにする。イーデンで聞いた情報通りに、北にあるというソルの町に先に行くことにした。
巨大なビルがそびえ立つソルの町。ここでは賞金首とはちょっと違うようだが、下水道のワニ退治の報酬として戦車がもらえるという話だ。人間向けの装備を見直すいい機会だが、地下鉄跡に潜むという賞金首のムカデロンのを倒すために、先に戦車装備を整えたほうがいいかも知れない。
買いたいアイテムが多すぎるのだが、これは楽しい悩みでもある。MOTHERは早い段階で店で買えるものが揃ってしまい、中盤以降はお金の使い道がほとんど無くなってしまったのだから。
再びイーデンに戻る。地下鉄跡では壁を砲撃で壊して進もうとしたところに、さっそくムカデロンが登場。115ミリロングTでも、RDナパームでもほとんどダメージが出ない。マンモスタンクのときと同じようにレンタルタンク作戦を試そうとしてみたが、レンタ4号から6号は単体火力がどれもいまいちだ。
それでも6号の副砲のサンダーストームは、弾数無限の割に攻撃力が400もありSE並みに強い。試しにムカデロンに挑んでみると、1発あたり20くらいのダメージが出るものの、倒し切る前にパーツを壊されて撤退してしまう。そろそろ、戦車装備の買い時かも知れない。予算は15000ゴールド。少し考えてみよう。




