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令和の中学生がファミコンやってみた  作者: 矢木羽研


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第65話:ハンター稼業は耳栓と共に

「ほら、やっぱりモンハンといえば耳栓なんだよ」


 頭防具である「耳栓」を装備したパーティが、ユゲの町に巣食うワルゲリョ子分どもが放つ催眠音波をことごとく無効化し、あっさりと蹴散らしたのを見届けるとソウタが得意げにそう言った。


 ***


「お、耳栓売ってるじゃん、めちゃ安いし、買っておけば?」


 放課後、部活が休みだということで久しぶりにうちに上がり込んだソウタは、イル・ミグラの町の人間装備屋のラインナップを見てそう言った。


「安すぎて不安なんだけど、効果あるのかな」


 同じ店で売っている他の防具が数百ゴールドなのに対し、耳栓はわずか5ゴールド。不安になるような値段設定だ。


「ま、この値段なら使い捨てでも儲けもんだろ」


 実際、このゲームには使い捨ての防具がある。プロテクターといわれる「P」アイコンの防具がそれで、安価な割に強力であるが一定のダメージを受けると壊れてしまうのだ。実際のところ、本作の「耳栓」はプロテクターではなく通常の頭防具の扱いであり、壊れる気配はない。


 *


 さて、『メタルマックス』において主人公は「モンスターハンター」という職業(?)に就いている。しかしソウタの言う「モンハン」とは、カプコン社によるゲームソフトの『モンスターハンター』シリーズのことを指している。


 同シリーズのファンである彼は、メタルマックスの主人公が「モンスターハンター」であると伝えた時、カプコンの『モンハン』シリーズの源流ではないかと思って興味を持った。実のところはメーカーもゲーム内容も全くの無関係のようである。


 その『モンハン』シリーズにおいて、「耳栓」とはスキル系統の名前である。これを発動させていると、モンスターが大声で吠えても(いわゆる「咆哮(ほうこう)」)影響を受けずに行動できる。シリーズ定番の要素らしく、このゲーム自体をほとんどやったことのない僕でも名前くらいは聞いたことがあるほどだ。


 *


「モンハンシリーズ、ファミコン時代からありそうな気がしてたんだけど意外と新しいんだよな」


 カプコンは歴史のあるゲームメーカーであり、ファミコン時代から何本もソフトを出している(うちにも『魔界村』や『ロックマン』がある)。しかし『モンスターハンター』は2004年に、プレイステーション2ソフトとして第一作が発売されたようだ。僕から見れば生まれる前の時代だが、テレビゲーム全体から見ればかなり新しい。


 メタルマックスがそうであるように「モンスターハンター」という用語や概念は、それよりずっと以前からあるにも関わらず、なぜかゲームソフトのタイトルとしてはそれまで存在していなかったらしい。


 *


 ワルゲリョ子分を蹴散らした一行は、渡し場でワルゲリョ本人も撃破。そのまま船に乗って対岸に渡る。大親分(?)であるゴメスは滝の近くにいるようだ。さすがに直接乗り込もうとは思わないが、他に行き先のあてがあるわけでもない。


「滝って言うからには川沿いに進めば良いんだろうけど、ここで途切れてるな」


 とりあえず渡し場から川沿いに西を目指したが、すぐに裂け目で途切れた。そこから東に向かうと、大草原のど真ん中に放り出される。画面全体が黄緑色のパターンで埋め尽くされるという、見下ろし視点ならではの表現が圧巻。


「そういや、地図とかないの?」

「少なくとも、まだ無いかな」


 『ファイナルファンタジー1』では、地図を表示するコマンドがあった。『MOTHER』ではアイテムとしての地図があった(地形が見えないので役に立たなかったけど)。ファミコン時代のRPGでも地図というのは決して珍しいものではないようだ。まして、1991年発売の本作にはきっとあるはずだと思うのだが、今のところは地図の話は聞いていない。


 とりあえず東に進むと山にぶつかったので、そこから細い道沿いに奥に入っていくと舗装された道路が見えてきた。その先にあるのは廃線路の上にある町。中に入ってみると、電車をそのまま家にして人々が住み着いている。その名もイーデンの町だ。


「イーデン? 聞いたことあるような、ないような……」

「江ノ電みたいなもんかな? いい……飯岡電鉄とか? 聞いたこと無いけど」


 小学生の頃、鉄道が友達の間でちょっとしたブームになり、ソウタと一緒になって日本全国の鉄道会社の名前を調べたりしたことがあるが、「いい電」などという路線は聞いたことがない。


 それはさておき、このイーデンの町では興味深い情報を聞いた。なんと、この町の南には「東京タワー」があるという話だ。

注:


『モンスターハンター』


 それ以前にも副題などで使われていた例はあるが、少なくとも日本国内向けの商用ゲームソフトのタイトルそのものとして使用したのはカプコンが初である。当時のスタッフによる「まさかそのまま商標登録が通るとは思わなかった」という趣旨のコメントを見た覚えがある。

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