第55話:戦争と平和と拳での語らい
「戦車って、今の戦争でも現役なんだなぁ」
休み時間、社会の資料集を友達と見ていた。かつて海の主力であった「戦艦」というのは現在では使われていないようだが、「戦車」については第一次世界大戦から現在に至るまで、陸上戦闘の主力であるようだ。
「攻撃力と耐久力、それに機動力も兼ね備えてるからね」
「いくら航空機が発達しても、戦争の基本は地上戦だからな」
そう答えるのはソラとソウタである。僕は軍事には詳しくないが、なんとなく戦闘機やミサイルの発展とともに時代遅れになっていった印象があった。しかし連日の戦争を巡る報道では、戦車の提供が重要な論点になっているらしいのは理解できる。
「無人ドローンだのハッキングだののサイバー戦争だって言うけど、一皮むけば泥沼の塹壕戦だもんな。100年前から変わらないや」
最後にハルキが上手にまとめる。40年前のファミコンで遊んでいても思うのだが、過去というのは遠いようで近いのかも知れない。
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そんなことを思い出しながら、僕は砂漠で戦車を乗り回している。もちろん、MOTHERのゲームの中での話だ。砂漠を探索していたらオアシスで遊覧飛行を営む謎の老人がいて、何度も乗って半券を集めたら戦車に乗せてくれたのだ。
しかし、せっかく戦車に乗ったのに敵が出てこない。また、砂漠を出ることもできず、それどころかコマンドを開くことすらできない。せっかく、怪しげなサボテンを見つけたというのに。とりあえずこの戦車に乗って何らかのイベントを起こすまで戻ることもできないようだ(それにしても、この戦車は誰が運転しているのだろうか。アメリカなら小中学生でも車の運転くらいできて当たり前なのだろうか)。
飛行機から見えたも遺跡地帯へ行ってみると巨大なロボットとの戦闘になった。通常攻撃が戦車砲発射になるのがかっこいい。しかも、敵の攻撃は戦車の装甲が跳ね返してしまう。簡単に勝てたが、戦車が壊れてしまった。まあ、こうしないとイベントが進まないのだろう。
中を探索。敵はいない。猿がたくさん。無駄に広い。PP回復のサイパワーストーンがたくさん拾えてうれしい。外に出て、戦車のことをおじいさんに報告しに行こうとしたが消えていた。もしかして昔の兵士の亡霊か何かだったのだろうか。
怪しいサボテンから5つ目のメロディを入手。人形、動物、幽霊に続き、植物までも力を貸してくれるようだ。
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イースターから東を目指す。入り組んだ地形の湿地帯。敵も野生動物が強い。パラライシスで動きを止めながら戦うのがコツだろうか。
なぜか、一人でここまで来ているピッピと再開。仲間にはなってくれなくて残念。そして家の前のゴミ箱にはソラの父がいた。なにこれ、不倫? ストーカー?? 前に電話で聞かれたプレイヤー名の再入力が可能。これはエンディングで出てくるやつだな。
名字と名前のどちらを先にするか迷ったが、タイトル画面に「SHIGESATO ITOI」と出てくるので、それに合わせて名前を先に入れることにした。この時代はそれが普通だったみたいだから。
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ようやくバレンタインに到達。これでテレポートのリストは全部埋まったかな。レベルは25・24・22。思えば、序盤でピッピを救出するところと、ダンカン工場攻略に向けて装備品を揃えるところ以外では、稼ぎ目的の戦闘というものを行わずにスムーズにここまで来れた気がする。
これは今までにプレイしたファミコンのRPGとの大きな違いだと言える。新しい年代ほど容量に余裕があるのでイベントが充実し、経験値稼ぎによってプレイ時間を水増しさせなくても充実したゲーム体験を味わわせられるようになっていったのだろう。初代ドラゴンクエストからわずか3年で、ファミコンのRPGはここまで進化した。
町を探索する。ブラブラ団に話しかけると襲われたりして治安が悪い。デパートでは、ナイフ系の武器やライブチケットといった見慣れないアイテムが。とりあえず買ってみる(すでに使い切れないくらいお金が溜まってるし)。ライブハウスの入口には飛行機乗りの老人がいて、戦車の修理費を請求された。なぜここにいるのかは不明だが、どうやら幽霊などではないようだ。これも安かったので素直に払う。
飛び入りでライブを披露することに。それにしても飛行機や戦車のときにも思ったが、一つのシーン専用(と思われる)BGMが多くて豪華だなぁ。後で調べてみたら、ボーカル入りのサウンドトラックも発売されていたという話で、それだけ音楽に力を入れていたタイトルであることを改めて実感。
演奏が終わるとブラブラ団のボスが因縁を付けてきたので戦闘に。通常攻撃しか行えず、お互いにダメージも出ない。そして数ターンで和解し、パーティに加入した。こいつが4人目の仲間として登録したボブだった。ここでソラが「戦いに向いてないから休んでろ」というよくわからない理由で離脱させられてしまう。
おそらくゲームも終盤に差し掛かっているとは思うのだが、あまりの急展開に戸惑う。ピッピが仲間にならなかったことも踏まえると、このゲームは3人パーティが基本なのだろうか。しかしソラとは最後まで冒険したかったなぁ。




