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令和の中学生がファミコンやってみた  作者: 矢木羽研


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第38話:人と鬼とお供たちの昔語り

 連休最後の日曜日。特に予定はないし、天気もあまり良くない。何よりも旅行などからまだ帰っていない友達も多いので、今日はおとなしく家で過ごすことにした。明日から中間テストが始まるが、宿題以外に勉強をする必要も特に感じられない。


 というわけで、ファミコンのスイッチを入れた。前回のパスワードを入力する。そういえばドラクエの時は日記でパスワードを交換しながらプレイをしたが、あれはDQ1というゲームがプレイ時間の大半を経験値・ゴールド稼ぎに取られるから成り立ったのであり、本来はだいぶ無理のあるプレイスタイルであると思った。なので、今回は普通に一人で遊ぼうと思う。


 フィールドマップに宝箱つづらが落ちていて、たくさんのおにぎりが手に入る。何かの罠というわけでもないようだ。「食べる」だけでなく「使う」ことで地面を転がし、「おむすびころりん」のイベントにつながるのは面白かった。


 花咲かの村についた。ここの犬(「花咲かじいさんのポチの血を引く犬」というのがちょっとややこしい)が最初の仲間のようだ。ボスの「銀の鬼」は、負けそうにはないのだが回復を多用するので倒しきれない。


 情報を集めてみると、占い師に現在のレベル(6段)ではまだ早いと言われた。ヒントも含めて丁寧に作ってあるという印象。実際、レベルを上げて武器を「飛鳥の刀」に買い替えたらあっさり倒してしまった。


 助けた犬に話しかけるだけでなく、きびだんごを使ってようやくお供にするというのも面白い。仲間といっても独立したキャラではなく、パラメータ強化と特技の使用が役割のようだ。一応、たまに攻撃してくれたりもするのだが。


 *


 ここでゲームを一休みして、母方の曾祖母が作って持たせてくれた柏餅を食べる。遊びに行くと、いつも帰りにはお菓子をお土産にくれたのを思い出す。おばあさんにきびだんごを持たせてもらった桃太郎も同じような気持ちなのだろうか。ゲームではたった1個だけで、基本的には店で買わないといけないんだけれど。


 **


「桃太郎、昔よく話してあげたっけねえ」


 夕食の席で、母に今は何のゲームをやっているかと聞かれたので答えると、そう返された。


「あれって、何かの絵本とかじゃなくて母さんのオリジナルだったの?」

「まあね。お母さんなりにいろいろアレンジしてみたやつなんだけど」


 確か、十二支とからめた話になっていた気がする。鬼は北東の鬼門から来る。つまり十二支では丑寅(うしとら)の方角、だから牛の角と虎の皮を持っている。その反対側は未申(ひつじさる)だけれど、羊は昔の日本にはいなかった。だから猿がお供のリーダーなんだ、と。そんな話を、節分の恵方巻きを食べながらしてくれた。


「ああ、昔の中国で偉いお坊さんを助けた猿の子孫って、孫悟空の子孫って意味だったのか!」

「よく覚えててくれたわね」


 他にも、猿蟹合戦で退治された猿の血筋も混じっていて、その償いのために力を貸すだとか、いろんな昔話をミックスしてあったような気がする。


「ねえ、桃太郎の犬って、花咲かじいさんの犬とは関係あったりするのかな?」

「さあ。それは考えたことなかったけど、それも面白いかも知れないわね」


 母と昔話について語り合う。民話というのは、こうして生まれたのかも知れない。

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