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7日目 透明

ついに退院

祥はすいに会いに行けるのか

「うん。明日には退院しても大丈夫ですよ。」

「そうですか!ありがとうございます。」

「いえいえ。お母様、これから退院の手続きについて説明があります。」

「わかりました。

祥君はお部屋戻ってる?」


「うん、そうする。」






白い廊下を歩いていく



___昨日のあれは夢じゃない



閉ざしてしまっていた記憶だ






でも今思えば、本当はずっと開きかけていたんだろうか



すいの由来

散策

神社

大学


そして___約束





それにすいも


『私は_すい_』

『前前者だといいね。』

『願い事は話さない方が叶いやすいよ。』

『クロ。』

『賢いのになんで忘れちゃうの?』

『君は優しいね。』




___何やってんだ、俺。






部屋に戻り、軽く部屋を片付ける

すると、説明が終わったらしい祖母が入ってきた。



「ただいま。」

「おかえり。」

「......ねぇ祥君。」

「なに?」

「あなた___雰囲気が変わったわね。」

「...なに、急に?」



なんだか少し前にもあったような会話




「なんだろう。凄くね、優しい。

柔らかい、そんな感じがする。」


「それ憩の人達にも言われた。

......俺、そんなに暗かった?」


「そうねぇ。今私がこんな事言うのはダメだけど、でもやっぱり静かな子だったあなたは。」


「............。」


「本当はね、3日4日前くらいに電話くれたじゃない?あの時から感じてたの。」


「あーあったね。」





それはすいと最初に散策した日だ。

バイト終わりに少しだけ電話したんだ。



「なにかいい出会いがあったのかしら。」


「............。」




「それとも...恋かしら?」


「......は?」



「あっごめんなさい。

あなたが今辛い時に...。」





気まずくなったのか、祖母はそそくさと辺りを掃除し始めた。








___恋?



そんな資格、俺にはない___






今はただただ


すいに会いたい





すいは


俺とまだ会ってくれるだろうか





自信が無い___








『待ってるね。』

『待ってたよ。』

『また、明日ね!』






そうだ


すいはいつも___









「退院おめでとうございます。」

「ありがとうございます。お世話になりました。」

「お世話になりました。」



病院の人に見送られながら、祖母とバスに乗る

目的地は俺のアパートの次に憩


でも

その前に




ポーン


「祥君?」

「ごめんばあちゃん。

さき行っててくれる?これ、鍵。」

「......わかったわ。」



母親の勘というものは凄いな








タッタッタッタッ




「ハァ...ハァ...ハァ...!」








♪例えば君が傷ついてくじけそうになった時は


♫必ず僕がそばにいて ささえてあげるよ

 そのかたを


♪♪世界中の希望のせて この地球はまわってる


.•♬ 今 未来の扉をあけるとき

   悲しみや苦しみが


♬.*゜ いつの日か喜びに変わるだろう







歌が聞こえてくる


すいが好きだった





あの頃もずっと歌ってた歌









「...待ってたよ。」


「うん、」




「もー遅いよ。

3日だよ!3日!!」


「ごめん。」




「悲しかったなー。ねぇ?クロ。」


「みゃああ。」


「ごめんな。」







「クロって長生きだよね。」

「あぁ、もう15.6歳だっけ?」

「そうそう。まさに美魔女ネコ。」

「......。」

「あれ?ウケなかった。」



「すい、本当にごめんなさい。」

「なにー急に?」

「俺を庇って、すいはこんなにはやくに死んだに、俺はつい最近まで命の恩人のことを忘れてた。」

「君は小さかったし。仕方ないよ。

それに...私の方こそごめん。」

「え?」

「まだ小さい君に酷いものを見せた。

そりゃ記憶飛ぶくらいトラウマになって当然だ。」

「......。」




「なんで出てきてくれたの?」

「んー?君が約束守ってるかなって思って。」

「...どうだった?」

「ちゃんと学校行って、アルバイトもして、賢くて、優しい人になってた。完璧だね。」



「よかった。


        ___これでずっと一緒?」





「......んーどうかな?」

「......。学校、

ちゃんと卒業する

もっと賢くなるし

良いとこ就職して

ずっと相手を思いやれるようになる



...だからっ 「祥、








私死んでるんだよ?......忘れたの?」








「...ヒック...フッ...グッ。」


「もー泣くなよー。

本当に泣き虫だね、昔から。」







「ね?約束しよ?次の約束。」


「ヒック...え?」


「そうだねぇ。

次は君が心から「幸せだよ!」って瞬間で私に報告しに来て。」


「なにそれ。」


「だって君がちゃんと幸せでいてくれないと、私死んだ甲斐ないでしょ?」


「なんだよ死んだ甲斐って。縁起でもない。」






「もし嘘ついたり、老衰ぎりぎりまでかかるのもダメだよ。

そんな事したら化けてでるから。」


「化けてでも、会いに来てくれる方が嬉しいんだけど?」






「...わかった。約束。」

「よし!じゃあはい!」

「なに?」

「指切り。」

「できるの?」

「できるできる!」






スーッ


「!...すい、からだが!」


「祥が前の約束を守ってくれた。

次の約束もしてくれた。

なにより、こんなに大きくなった。


           もう充分___。」




「もう行くの?」

「行くよ。大丈夫!

透明になるだけだから!」

「半透明がいい。」

「わがままだなぁ。



          ___待ってるよ。」



「うん。」








すいはずるい




嘘はともかく


老衰もだめなら


事故も病気も出来ない





すいに会いに行く道が


1番遠回りになった約束








「待ってて___すい。」









•*¨*•.¸¸♬︎  I believe in future


            信じてる


2人の中に恋はあったのでしょうか?



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