第一話
「うん! 素晴らしいこの虹色の麦酒味もいい!」
淡い金色の髪 淡い青の瞳 トーガで片腕がないのを隠した青年が嬉しそうに言う
「だね!見た目も最高!綺麗 リアン兄さん」
こちらは愛らしい天使のような美しい少女
金のウエーブを描く髪に青と金に近い琥珀の瞳
「リアンも俺のエイルも酒が強いからな・・ハハっ・・楽しんでくれ」
長い耳に黒髪で黄金と赤の瞳の少年がやれやれという表情で言う
ちなみに黒髪は短め、眼つきは少々鋭い
「違う世界のアーシュ殿は酒が弱いからな~」
「まあ、こちらの世界のアーシュ殿も酒はダメだが ふふっはは
私にも御代わりの虹色麦酒を頼む ふふっ」
楽し気に笑う 長い耳に くせ毛の長い黒髪の女性 瞳は赤い宝石
「ヴァルジニテ様もご機嫌ですね」
「ハハハッ うまいからな!もう一人のアーシュ殿
店主!他にも違う酒があるなら頼みたい!あるか? 宜しくな」
一つの大きなテーブルを囲んで この世界では見慣れない種族の者達が
食事に酒を楽しんでいた。
「いや、店主に店員のエルフ殿 私の見た目は少年の姿で子供に見えるが・・」
軽く睨みつつ 一人の少年?
「実際は大人だ 素直に虹色麦酒を出してほしい
…嫌なら実力行使に出るぞ」
長い耳に赤い瞳 肩程の黒髪を赤い布で縛った少年が
右手から炎を出しながら 店の者たちに睨みつけて脅しをかけている
「あ、アジェンダ様の言う事は本当なんです お願いしますね うふ」
「わかりました」店の者が不安そうに酒を出す
「私のアリサ有難う」嬉しそうに酒を片手に笑顔 少年姿のアジェンダ
「いいえ よかったですアジェンダ様 うふ」黒猫耳の美少女アリサ
「このスライムを蜂蜜に漬けたもの
美味しいねええ♡ うふふ ねえリリーシュちゃん♪」
黒猫耳の美少女アリサが笑う
「だね!アリサちゃん!金色で綺麗」
水色の髪で耳はエラで手にウロコが少々ついた美少女も嬉しそう
「アジェンダ様 皆さまも食べてください」アリサ達が差し出す
「有難う頂こう」「うむ、いける美味しい」
◆ ◆ ◆
「へい!クリスタル冷酒です それとブルタンの実の果実酒
ベルタの乳酒 それに葡萄酒、ウイスキー、ブランデー
後、おつまみにポテト ウインナー チーズに干し果実です。」
「後、料理のパエリアにパスタですね
お菓子料理や他の料理は後、少しお待ちください アリラ 持っていって」
「はあい」エルフの店員アリラが運ぶ
「クリスタル冷酒は水晶の中で作られる とても強い酒です
ブルタンの実のお酒もとても強いですから 気をつけてください」
「はいはい」嬉しそうに酒飲み組は笑う
「で・・本当に金の代わりに金塊や宝石で支払いはいいのか?」
アーシュと呼ばれた少年が 袋の金塊や宝石を見せながら言う
「ええ!それだけの金塊や宝石 大きな屋敷が幾つか買えますよ
その中の一部でいいですから」
引きつり笑顔で店主が言い
エルフの店員たちはうん、うんと大きく何度も首を縦に振る。
強い酒で倒れる者も多いのだが 平気な素振りで酒飲み組は御代わりを
沢山飲んでいる 例の少年アジェンダも・・
「他の料理だが 何か珍しい料理はないのか?」鋭い眼光のアーシュが聞く
短いめの髪が揺れる
「え・・在りますけど 異国の方々にはちょっと」
「どんな料理だ?」
「いわゆるモンスター料理です 味はいいですが
見た目がエグイですよ ちょっと見てみます?」
「ああ」興味深げに厨房にアーシュ、リリーシュ、アリサが行く
鍋の中のモンスター料理
大蛇の塩焼きに エグイ感じの煮込み 大目玉モンスターの煮込み
オーガやオークの香草ミルクシチュー
ガーゴイルの煮込み 巨大かたつむりの蒸し煮 お化けカボチャのパイ
巨大ありんこの炒めたもの 大ナメクジの塩辛・・・その他もろもろ
「うん 美味そうだ 頂こう」
黒髪の少年アーシュにあっさりと言われる
「うんうん 珍しくて美味しそう」
「だね うんうん」
二人の美少女も同じく
「あの・・本当に大丈夫ですか?」
エルフの店員が心配そうに言う
「うん 戦場でトカゲとかエグイものは
食べなれてる・・残りの者たちも同じだ」
「私の場合 アラシャお父様に引き取られる前は
貧民だったから 食べ物によく困ってトカゲとかも食べて
慣れてます くすくすっ」アリサという黒猫耳の美少女
「はいはあい!私の場合はあ
砂漠の不毛の地が故郷で 急激に文化とか進歩するまで
物がない村に住んでて 大抵のものは食べてましたサバイバル生活です うふ」
リリーシュという人魚娘
「俺のエイル(金髪の美少女)にはサバイバルも野戦の経験もないが
この手のものは好きだからな」
「はあ・・」店主が脱力していた。
モンスター料理が並べられる
皆歓声をあげて 嬉しそうに食べている
他サイトあり