バイクに乗ってるOLが
西納美織は大阪の生地問屋で働くOLだ。
会社は御堂筋線の本町ある。御堂筋からちょっと入ったところにある自社ビルだ。
その近くに駐輪場があったので、思い切ってバイクで通っている。
CBRというレプリカタイプの古いバイクだ。
美織は高校を卒業してすぐに生地問屋、パルスに入社した。
パルスは国内外で生地を扱う大手企業ともいえる会社だ。
美織はそこで国内の物流を担当する部署にいる。
ポジションは一応、主任だ。
家は大阪市内の住吉区帝塚山。
帝塚山は高級住宅街だが美織の家は普通だ。
その実家に両親と弟と暮らしている。
両親からは早く結婚しろと言われているが、
もう28になってしまった。
コミュニケーション力はあるが、
彼氏はなかなかできない。
ビジュアル的には普通だと意識している。
趣味は特にない。
毎日、家と会社の往復だ。
たまに友達と飲むぐらいだ。
今日も友達の直美と心斎橋で飲んでいた。
お酒を飲む日はバイクを本町の駐輪場に停めたままで
帰りは電車だ。
直美はパソコン雑誌の編集をしていた、
出版社はほとんど東京だが
営業が東京で編集が大阪という出版社がたまにあった。
「あ、美織、このソフトいる? 先方からもらったんだけど。音楽ソフト。いらんからあげるわ。暇やろ。使ってみ」
「うーん、暇やし使ってみようかな。説明書読むの面倒臭そう」
「こんなん読まんでもええねん。適当や適当」
「適当で作られるかなぁ」
美織は音楽ソフト、スプラッシュを手に入れた