表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方氷精異聞  作者: ゆっくりキラセス
序章
7/19

【幻想入り】 

「……霧?」


 蓮子とメリーの背後にあった森に俺は凝視する。


 その森は確かに霧がかかっていて、そして秋の涼しさではなく、まさに冬のような『冷気』を、離れた位置にいたはずの俺にも感じれるほど漏れていた。


「…なんか、ありそうね!」


 蓮子が目を輝かせていたが、その時の俺にはその言葉は耳に届かなかった。




 俺の目には、『いるはずのない少女』の影が見えたからだ。


「……なんで、いるんだよ」


「え?」


「あ、ネツさん!!」


 二人の声など聞こえず、俺は森の奥、遥か遠くで特徴的な『氷の羽』を生やした少女のもとに走る。


 すると、その少女は俺に気づいたのか、どこかへ走り去っていく。


「ちょっと、待ってってば!」


 不意に肩を掴まれ俺は止まり振り返ると、息を切らした二人がいた。


「ねえ今のあなた、すごくらしくないわよ!」


「ネツさん、今日はもう引き返しましょう。目的はもう果たしているんですから。」


「……なんだよお前ら」


 そんな二人に、俺は自分でも驚くほどの怒気をはらんだ言葉を向ける。


「…お前らがどう思おうが、俺を止める資格あるのかよ?」


「ある! あなたは私のクラブの部員だから」


「それはお前らが勝手に決めたんだろが! ……いいから離せ。」


 俺は思いっきり腕を振ってほどき、その霧の奥に走る。




 らしくないな、本当に。本当はあの部活が、あの二人が嫌いではなかったはずなのに。




「……どこだ! いるんだよな!!」


 霧が濃くなる森で俺は叫んだ。


 どうしても、いるんじゃないかって気持ちが拭えず、俺はただただ走り続けて、そして––––




『あの少女』の背を、俺は見つけることができた。


 俺はただひたすら走り、そしてその肩に触れようとして、




 俺の手が凍っていく感覚とともに、その少女は振り返る。






「来ないで––––」




 涙流す少女と俺の間に、大きな【捻れた空間】が飲み込んだ。


 少女の背後で黒フードは、ニヤついていた。






「ネツさん!」「ネツ!!」








 秘封倶楽部は、【幻想入り】した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ