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プロローグ『最後の希望』
「……まあ、こんなもんか」
そいつは無表情にそういうと、『カケラ』を握りつぶす。
「……あと何回、俺はアイツとあの子を見殺せばいい? あと何十、何百アイツらを守れない世界を見続ければいい?」
俺は拳銃を手に、何度目の問いをこぼす。
ふと、今までにない空色の輝きを放つ何かを感じる。俺は即座に走り、そのカケラに触れて驚く。
「今までのどの『世界線』にもなかった、この光はまさか……まだ希望はあるのか?」
それが問いと捉えられたのかわからないが、それはさらに青に、白に、黒に、紫に、そして赤に色を変えて再び空色に戻った。
「……かけるか、もう一度。」
俺はそのカケラに願いをのせる。
「…惨劇を終わらせてくれ、『ネツ』。彼女を、『チルノ』を今度こそ。」
その光は俺の思いを受けて、世界を包んでいったのだった……………。