第二十三話 この先には
そんなこんなで、ちょっと早いですが完結です。
なんか前作も病室で終わったような気がしますが……。
あっ、それとなんだか夏風邪を引いたっぽいんで、数日ほど執筆活動をお休みします。
皆さんも夏風邪や熱中症などにはお気をつけください。では、また後程!
「よう、竜牙。大人しくしてるか?」
「ああ。大人しくしてるよ。けど、入院ってのは大げさ過ぎないか? 別にどこも折れちゃいないし、打撲と切り傷ばかりなんだが」
不良グループ【五悪琉怒】の元頭金城篤夜の弟である翔汰の罠により、意識を失うほどの怪我を負った俺だったが、入院するほどではない。
俺も思っていたより丈夫だったのか、俺をボコボコにしてくれた黒タイツ達が手加減をしてくれていたのかはわからないが、打撲ばかり。
現在は、入院生活二日目だ。
「大事をとってってやつだ」
「それで、どうなったんだ?」
「ああ。そうだな」
ジョンが来たということは、翔汰や他の五悪琉怒メンバーの処分が決まったってことか。
「翔汰も五悪琉怒のメンバー達も、殺人を犯したわけじゃないからそこまで重い罰は受けないことになったが……まあ、しばらくは警察の世話になることになるだろうな」
「そっか……リンゼは?」
「そっちのほうは、厳重注意で済んだみたいだ。エステルのほうが色々と根回ししたおかげだな」
「さすがエステルだな。で、そのエステルは? ゆあやミリアも」
てっきり四人とも見舞いにきたかと思っていたんだが……。
「三人なら、今日は来ないぞ。お前、明日で退院だろ? その祝いの準備をしてるんだ」
「退院祝いって……そんなに長く入院してたわけじゃないぞ? 大げさだな」
「まあまあ。三人の気持ちを素直に受け取ってやれよ、竜牙。それに、退院祝いだけじゃない。今回のことについての謝礼とお礼も兼ねているんだってよ」
そういう、ことか。だったら、まあ仕方ないか。
俺のために頑張ってくれているのに、それを受け取らないのは、男としてやっちゃいけないことだ。
「それに、サプライズもあるんだってよ」
「へえ。どんなサプライズなんだろうな」
「さあな。お嬢様のやることだ。相当スペシャルなサプライズなんじゃないか?」
俺達のように、普通に暮らしている者達に予想できないってことか。
入院中は、ランニングも筋トレもできなかったからな。
エステルのことだ。もしかすると、また特訓でも計画しているんじゃないだろうか?
「……それで、だ」
「ん?」
さっきまで笑いながら話していたジョンが急に深刻な表情へと変化する。
「今回のことで、お前のことを広まった」
「それって」
「ああ。全盛期にお前と喧嘩をしていた不良達に。あの【威那頭魔】の竜牙が復活したってな。いったい誰が広めたのか……」
全然復活してないなんだけどな。まったく、本当に誰だよそんなデマを広めたのは。
「これから大変になるぞ?」
「俺のところに、不良どもが集まってくるってことか。めんどくさいな……」
「はははは! 確かにめんどくさいな。けど、大丈夫だ。頼れる護衛が居ることだし」
それって、ゆあやエステル、ミリアの三人のことじゃないだろうな?
「護衛ばかりに頼るってのもな」
「お? なんだなんだ。まさか、お前自らやるってのか?」
「なんだよ、そのできるのか? みたいな顔は」
事実ではあるけど。今の俺にまだ現役な不良達と戦えるか。
……だから。
「頑張って強くなるさ。もう入院はごめんだからな」
「おう、頑張れよ。頭」
「そういうことなら、僕も協力は惜しみません」
「エステル!?」
今日来ないはずのエステルが、突然病室へと入ってきた。いや、エステルだけじゃない。
「くー! お兄ちゃんがまた悪い不良達と戦うんだね! 私、燃えてきちゃった!!」
ゆあも、その場でシャドーをし。
「兄貴が復活するなら、うちにも、当然兄さんも協力するっすよ。かー! テンション上がってきたっす!! ハッ!? 病院だったっす……口チャック口チャック」
ミリアも来ていた。
「お前ら……なんでここに」
「準備が思っていたより早く終わったので、お見舞いに来たんです。そうしたら嬉しい言葉が聞こえてきたので」
「お兄ちゃん! 退院したら、さっそく特訓だよ! 特訓!!」
「ちょ、ちょっと待てって。さすがに退院してすぐは」
「そうっすよ。とりあえずは退院祝いパーティーが終わってからにするっす」
それでも明後日なんだが。
「落ち着けってお前ら。今のお前らの特訓なんて一斉に受けたら、また入院だぞ?」
さすがジョン。俺のことをよくわかってる。
「そうですね。では、一人一日ということで。まずは僕から」
い、一日一人って……。
「ううん、私からだよ!」
「うちからっす!!」
「大人気だなー、竜牙。まあ、死ぬんじゃないぞ」
おーい、今度はフォローに入ってくれないのか? これは、退院してから忙しい毎日になりそうだな……けど、そういう毎日も悪くない。
昔に戻ったみたいで、楽しくなりそうだな。




