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第十九話 怪しい黒タイツ

「あれからリンゼ。いや、黒タイツ達か? 様子はどうだ?」

「特に不穏な動きはありません。リンゼちゃんもまったくの誤解だって言い続けています。僕も、何かの間違いだと思って今も調査中です」


 あれから数日。

 まだ黒タイツの謎は解明されていない。リンゼやリンゼに従う黒タイツ達は、何も知らないと言い切っているらしい。


「でも、リンゼちゃんは何もやってないって言ってるんだよね?」

「うん。だけど、目撃したメイドも嘘をつくような子じゃないから……」

「黒タイツね……そういえば、俺も見たぞ」

「え? 本当かジョン」


 ジョンの一言に、俺達は足を止める。


「ああ。お前達が釣りに言っていた時だったか。いつものように母さんにこき使われていた帰りに見かけたんだよ。明らかに変な連中だったから、気づかれないように追跡したんだ。そしたら……」


 ん? なんだ、ジョンの様子が。


「竜牙。俺の目が曇ってなかったら、あれは【】の連中だった」

「……それは本当か?」


 一気に空気が変わったことに、誰もが気づく。

 

「竜牙さん。その五悪琉怒というのは?」

「そうか。エステルは知らないよな……五悪琉怒って言うのは、俺がまだ【威那頭魔】を作って間もない頃の話だ。普通にボランティア感覚で活動をしていたんだが、てめぇらみたいなのが不良だと? っていちゃもんつけてきたんだよ」

「まあ、やってることはただのゴミ拾いとかそういうのだったからな。当たり前っちゃ当たり前の反応だよな」


 くっくっくと笑うジョンに俺も反論はできない。確かに、不良のやるようなことじゃないよな。ただ正義の味方よりも不良をやっていたほうが相手からも目立つと思ったんだ。

 それに、不良ってかっこいいなぁって個人的には思ってた時代だし。

 若気のなんとかってやつで……今でも十分若いけど。


「ま、まあそれでいきなり殴ってきたから俺達も総力戦で五悪琉怒に挑み、撃退したわけだ」

「あの頃から竜牙の強さは別格だったからな」

「その時、わたしも居たからよく覚えてるよ! 相手の頭の攻撃を一度も食らわずに倒しちゃったんだよねぇ」

「うちも覚えてるっす! あの時、兄さんは冷静を装っていたけどめっちゃ動揺してたっす!!」

「仕方ないだろ。いきなりの襲撃だったんだから」


 今でも覚えている。俺やジョン、大地や数人の仲間は怪我を負わなかったけど、他の仲間達は結構大怪我を負っていたからな……。

 かなり喧嘩慣れしていた。

 最初から、いきなり中ボスクラスの相手が出てきたようなものだった。


「五悪琉怒は確か俺達が何度も倒して、解散させたはずだが」


 こりもせず、なにかしらのいちゃもんをつけては俺達に挑んできて、毎回のように返り討ちに。それが十数回ほど続くと、下っ端達ももうだめだ! と自主的に不良グループを辞めていき、五悪琉怒は総崩れしていったんだ。


「ああ。だが、あいつらは明らかに五悪琉怒の連中だった。首下に金狼の刺青があったからな、間違いない」

「……どういうつもりなんだ、いったい」

「もしかして、リンゼちゃんがお兄ちゃんの知り合いだから?」

「その可能性は低い思うっす。だって、兄貴とは数えれるほどの会話をした程度の仲っすよ?」


 ミリアの言うようにリンゼとはそこまで深い関係ではない。

 それに、もし俺への恨みを持ってやってることなら、ジョンや大地のような元威那頭魔のメンバーに仕掛けるはずだ。


「俺もなにかあると思ってとっ捕まえようと思ったんだが、タイミング悪くお母様が登場してな。どこに言ってたの! って怒られてる間に逃げられちまった」


 申し訳なさそうな表情を作るジョンだが、俺はあまり気にしていないと伝える。


「だが、もし今回の件に五悪琉怒の連中が関わっているんだとしたら……」

「俺達も無関係じゃないってことになるな」


 けど、なんで今になって連中が?

 今までは、全然そんな素振りを見せていなかったのに。それとも、元々五悪琉怒が解散してから、リンゼのところで働いていた?

 そして、何度もリンゼにこき使われ、エステルにも負けるから、その腹いせに?


「……エステル。今回の騒動。俺も協力してもいいか?」

「はい。こちらも、そうしていただけると助かります。では、さっそくですが五悪琉怒についてもう少し情報を提供していただけないでしょうか?」

「わかった。けど、三年前の情報だからな。今のあいつらが、三年前と同じとは限らない。それでもいいか?」

「それでも。少しでも、リンゼちゃんの助けになるのなら」


 本当に優しいな、エステルは。

 そういうことなら、俺も全面的に協力しよう。エステルの友達を助けるために。


(まさかとは思うけど、あいつも関わってるんじゃないよな……)


 五悪琉怒の頭であるかねしろあつ

 あいつは、三年前に俺達に何度も負けた腹いせに、傷害事件を犯して警察に捕まった。しかも、初犯ではない。数にして十数人。うち、二人を殺している。

 さすがに、あいつが釈放されていることはないだろうけど……それでも、五悪琉怒の連中は篤夜の影響もあってか性格の荒い連中が多かった。

 油断はしないほうがいいな……。

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