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第二十五話 緊急会議

「やっべ、サースとも連絡取れなくなってんじゃーん……」


「奴は【四死獣禄】最強。面汚しは我等よ……」


 最強の守護者であるサースから反応が無くなってから、数日が経過していた。

【四死獣禄】の残りのメンバーであるウェスとノイスが、いつもの脳内会議室で会話を行っていた。


「……いや、サースの魔力反応自体が消失したわけではねぇだろ?

 まだ戦っている最中なんだよ……多分」


 震えた声音でウェスが言う。どちらかと言うと、そうであって欲しいという気持ちが込められている。


「それにしては、サースの魔力の動きが小さすぎる。

 それに、ここまで手こずっているならあのプライドの高いサースとはいえ、

 魔王様に害を為す前に、我らに協力を求めて倒そうと呼びかけてくることだろう。

 それをしない、もしくはできない状況にまで追い込まれている、ということだ」


 絶望を滲ませた声。サースが深く溜息を吐いた。


「……何が【四死獣禄】だ、2人しかいねぇじゃねぇか」


 頭を抱えるウェスが、皮肉気に呟いた。


「……ウェスよ、次にかの反逆者が向かうのは、恐らくお主が守護する西の森だ。

 サースすら退けたであろう強者を討つ策は、あるのか?」


「……ある」


 ウェスは野生の獣染みた獰猛な笑みを口元に浮かべ、応えた。


「ほう、先程までとは打って変わり、自信があるようだな」


「もちろんだ。……確かに、悔しいが俺様の力は【四死獣禄】最強のサースには、僅かに劣る。

 それは認めよう」


「僅か……?」


 ノイスは空気を読まずに呟く。そういうやつなんだ、ノイスってやつは。


「……わ、わずかに質が劣るのなら、どうやってその差を覆すか。答えは単純にして明快。数だ」


「……ふむ、なるほど。だが、中途半端な数を集めても、その差が覆るとは思えぬのだが」


「東の守護者イースの兵と、南の守護者サースの兵は、現在仕えるべき守護者を失っている。

 それらの兵を一度俺様に預けさせていただくように、魔王様には頼む。

 イースの兵は、三分の一にまで数が減らされているようだが、それでも5万程度はいる。

 サースの兵も、半分程度残っていると考え、8万。

 そして俺様の配下である20万の兵を合わせた30万以上の兵で、憎い敵を討つ」


 ギラギラと目を血走らせるウェス。彼の気迫に、ノイスも頷く。


「我も同じ考えだな。質で劣るのならば、数で圧倒する。

 しかも、その軍勢を率いるのが、魔王軍きっての【恥将】であるウェスなのだ。

【痛風】以外の通り名である、【軍神】の姿を見せるというわけか。

 ……【四死獣禄】の中で一人だけいらない子がいる状態ではあったものの、

 魔王様もその軍略を高く評価し、我等と同格の椅子を用意してくれていたくらいだから、

 これは期待が出来そうだな」


「そうだろう、俺様の計略にかかれば、反逆者など瞬殺だ。

 ……ところでおまえは俺様の事そういう風に思ってたの?

 てか【痛風】って何よ【疾風】だから馬鹿にすんなよ?

 あと【智将】って、なんか他のニュアンスも含まれてない?」


「お主の力、吾輩も見させてもらうぞ!」


 ふっはっは、と重苦しい笑い声を残して、ノイスは脳内会議室から抜け出した。


 マイペースだけど根は良い奴なのだ、ノイスってやつは。だからみんな、誤解しないでくれよ!


「……ふ、ふんっ! 偉そうにしやがって、今に見てやがれ!

 俺様が反逆者をぶちのめして、ぎゃふんと言わせてやるんだからなっ!」


 一筋の涙を流し、唇を嚙みしめながら、ウェスは一人つぶやいたのだった。


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