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第4章 白い色の花
白い色の花。
世界が限界を超えた。
それに気づいたのは、創造する神である。
神は白い色の花に驚いた。
「花の香」
思わず花に手を伸ばした。音がした。触れることができたのだ。
どれも夢に見た感覚だった。創造する神は器用ではあったが、魂は強大では無かった。だから庭に多くの命を作り出しても、それらは姿しかないものであった。
だが、その花は自身が叶う以上の命だった。そして神は迷わず願ったのである。
「嗚呼もっと、もっと」
と。そして願いは叶ったどこまでも鮮やかに。望みが世界の限界を超えて行く。
「嗚呼これが私の世界。なんて素晴らしい」
自身の魂を超えた命の世界。そうと知っても疑問には思わず、どこまでも願う。
神は、恐ろしく貪欲だった。