表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極超合金・Hyper Alloy   作者: 南雲一季
21/25

第20章 願いごと

 〝私は・・・!願いを叶えに来たの!〟


 玉座から飛び降りた少女の思いがこだまする。神の庭を踏みつけ、強い視線を向ける。


 「ほう。願いとはなんぞや?」

 「私は、私の家に帰りたい!私を追い出したあの世界で、誰にも邪魔されない、私が思うがままにありたい!だから私は神様の様なりたいの!」

 「何かと思えば、馬鹿げた娘だ。で、お前はそれをどうやって叶えるつもりだ?」

 「違う!私が叶えるんじゃない!神様に、あなたに叶えてもらいたくて。ここまであなたにお願いをしに来たの!」


 あまりに率直。礼儀知らず。後無き者の大それた意志は、神が吹き出してしまうには十分過ぎた。


 「大馬鹿者!無力!挙句の果ての神頼みとは!久々の訪問者が何者かと思えば、滑稽にもほどがある!可笑しい!可笑しいぞ娘!」


 大樹の中に大笑いが響き渡る。


 「名を何ともうしたか黄金の者よ!そなたはこの様な、馬鹿に、何をそそのかされてここへ来た?まさかお前まで『お願い事』などと口にするのではあるまいな?」


 世界の神といえど、無礼である。だが黄金の神は冷静だ。


 「散歩だ」

 「何?」

 「道に迷ったこの者の願いを聞き入れた。その目的地がここであった。それが、散歩がてらの話であった。というだけの話だ」

 「ほう―――」


 つまらなかったのか、極星は黄金の神をにらみつけ、沈黙した。そして、目下の少女に視線を向ける。


 「馬鹿娘よ。何故、我がお前の願いを叶えられると思った?」

 「この人から、あなたならそれが出来るかもしれないって聞いたからよ」

 「黄金の者よ。それは真事(まこと)か?」

 「真事だ。この世界の者の願いを叶えることが出来るとすれば、この世界の神である。違うか?」


 極星は呆れるように沈黙した。


 「神様。あなたはこの世界の神様なんでしょ?なら何でも出来るはずでしょ?そうじゃないの?」

 「そうだ。神は願いを叶えるものだ。そして我こそが神だ」

 「なら―――」

 「だからこそ。お前の願いを叶えることは出来んのだ」

 「何?何故だ極星よ。そなたは神であるのであろう。何故この者の願いが聞けぬ」

 「全く・・・曖昧ったれめが―――」

 

 曖昧という言葉に、黄金の神は不快を顔に出した。それを見て少女は不安になる。そんな二人に極星が激昂した。


 「よいか貴様ら、よっく聞け!神が叶える願いとは、何者でもない神の願いだ!神というのは!己の願いを叶えるもの!それが神なのだ!決して、絶対、他の何かなどではない!全くもって度し難い!その様な当たり前をも知らずして、この神の庭に足を踏み入れるとは!この大馬鹿どもが!」


 決して間違いない答えであった。少女は絶望した。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ