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第0章 古い話
この極星と呼ばれる星には、神代から伝わる古い話がある。
この星の人々の祖は、かつては空に瞬く星々の神であったというものだ。
この星の空の向こうには、果ての知れぬ深淵がある。
そこは星々の世界。それは神々の世界。
深淵には魂が満ちており、それはどこまでも流れ続けている。その魂の流れの中で神と星は生まれるのだ。
神々に姿かたちはあるが、肉体はない。星という自身の社にあるため肉体を持たないのだ。星というものは、神が存在するために必要な社であり、またそれは神の願いの形である。
神は自身の願いを叶えるために一生を使う。それが役目である。それを果たすため、神は自身が願う世界へと星を作り上げるのだ。
故に、神のみが唯一の世界を持つのである。
この果ての知れぬ星々の世界において、一つの星に神は一頭と一つの願い。しかしこの星は八百万の神々で溢れた。